
この秘密は必ず墓場まで持っていく。
朱に染まる大地 後半

ブルースがやってきたのは、ガレア劇場の舞台袖。
そこには既に待ち人が……ってフォーセイクンの詐欺師?
会話中の名前は「落ち込む声」となっていて、あの回想の人と同じ声です。なので同一人物なはずですが、詐欺師……? 自分たちも被検体だったかのような発言って全部ウソだったのか?
確かにリーダーっぽい威厳のある声と話し方のわりに、実物の見た目があまりにもザコい。むしろ詐欺師と言ってくれたほうが納得はできる。
2人の会話内容的にどうやらブルースは既に勧誘に同意済みっぽく、それで簡単に詐欺師をここに呼び出せたようです。
が、挨拶程度の会話を済ませるや否や詐欺師を急襲するブルース。
抵抗するもあっけなく敗北する詐欺師。弱い。
もとよりブルースの目的は、「詐欺師を利用して第十三軍団をおびき出すこと」にありました。
そして第十三軍団に真相を暴いてもらいたかったのです。
しかし当の軍団にその気が無いと分かり、用済みとなった詐欺師を始末するに至ったのが今。
ブルースにとってはフォーセイクン同盟もまた禍でしかない些末なものでした。
詐欺師にトドメを刺す瞬間、

クレフ軍団が現れた!
兵士が大声で報告していたので情報が丸聞こえ。それによるとあの詐欺師はレイブンなんだとか。
そういえばフォーセイクン同盟には階級がありましたっけ。
上から順に「伝令」「ナガヒゲ」「レイブン」「ノバチ」。
レイブンってほぼ下っ端じゃん……あんな組織のトップみたいな声と話し方をしやがって……。
まんまと騙され……だから詐欺師なのか?!
詐欺師は兵士たちによって応急処置をされたようですが、助からないニュアンスだったので本当に捨てキャラって感じです。
クレフが兵士たちにブルースの射殺命令を出します。
そこへ、

今度はヴィータたちが登場!
犯人の身分や動機が不明のまま処刑は良くないと訴えるリズムに対して、犯人の死こそ弔いだと言い張るクレフ。
このまま犯人を匿えば軍規違反は不可避。
クレフによると、これまでの優秀さを見込んだリーンが、この事件が解決したらリズムを皇都に推薦する気だったそう。
そんな餌をチラつかせつつ、最後にもう一度だけチャンスを与えます。

かっこいい。
生まれ育った街を踏みにじり、助けてくれた人を傷つけ、血を分けあった兄弟を犠牲にすることでしか忠誠を示せないのならそんなものはいらない!
これがリズムの表明です。
結果、軍規違反+軍団の任務妨害。よって帝国軍律に基づき、直ちに処刑されてしまうことになりました。
処刑までの導線が短いにも程がある。
殺してくるなら殺し返すしかない。
ブルースとヴィータたちチームvsクレフ軍団での大バトル勃発です。

勝ち申した。
ブルースが強いので負ける気がしない。
これで完全に帝国を敵にまわしました。
そこまでして協力してくれることに疑問を抱くブルースにヴィータが説明します。
そもそもガレア劇場に辿り着けたのは、ブルースの身体にキラキラ光る粉が付着していたから。

あー粉ね、粉(全然気付いていなかった人)。
ここのシーン自体、リーンに良いとこ取りされたくらいにしか見ていなかった。
散々バトルで犯人のHPを減らしたのはヴィータなのに、最後だけリーンがパーンッと持っていっちゃうから。
しかしあれはトドメではなかった模様。
アウトサイダーによると、リーンの目的は「殺す」ことではなく「追跡」ではないか、と考えられました。

あの場にフォーセイクン同盟がいた?
ブルースたちの援護のために潜んでいたのでしょうか。そのわりにはピンチになっても助けに現れませんでしたけれども。
所詮相手は詐欺師。お互いがお互いを利用する関係性にすぎなかったのかもしれません。
その潜んだ連中相手にリーンはブルースを撃ち殺したように見せ、「第十三軍団は犯人を殺したからもう警戒しないよ」とアピールしたわけですね。

やはりキーポイントは内城区の殺人事件。
あれだけは節々に理性を感じる事件でした。
ブルースは第十三軍団をおびき出すために、意図的に内城区を荒らしてフォーセイクン同盟の関与をチラつかせたのでしょう。
賢いからこそリーンはまんまとそれに食いついた、と。
リーンが隠蔽しようとしていたわけではないと分かって良かったですが、ならばカロン狩りの真相を知ってもらわなければなりません。

真相を伝える役目はリズムたちができますが、さすがにブルースは何をされるか分からないですしね。
帝国の手の及ばない場所で自由に生きてさえくれれば、いずれリズムが後を追ってまた2人で仲良く暮らせるはず。
ブルースは頷くと同時に、自らもリズムに約束を求めました。

ブルースはブルースでリズムに帝国から離れて静かな場所でしっかり生きていってほしいみたいなことを言っていましたしね。
もう後のことはヴィータたちがなんやかんやで片付けとくから、今すぐ2人一緒に北の果てに行ってこい……!
最後の挨拶とばかりに、

手を差し出すリズムと少し躊躇しつつもそれに応えるブルース。
再会してから初めて触れ合いました。
リズムの心安らいだ表情がすべてを物語っています。
この姉弟、どうにか幸せになって欲しい。
と思った矢先に、

リズムを気絶させるブルース。
やるべきこととか約束とか、なんでそんなに用事があるの! とツッコミたい気持ちをグッと抑え、リズムを引き受けます。
「逃亡に終わりはない」と発言していたので逃げる気が無いのかも……。
頼む、生きて。

良いことを言う。
そう、終わりがないなら終わるまで逃げ続ければいいじゃない!
帝国軍だって暇じゃないんだし、見かけなくなったら任務としての優先順位がどんどん下がっていずれ忘れ去られるさ。

あの人?
No.36のことでしょうか。それくらいしか思い当たる人がいない。
ブルースの意志は固く、覚悟は決まっています。
同意するしかないとアウトサイダーにも諭されますが、ヴィータはいまひとつ気乗りせず。
そんなとき、

ふとブルースが雪国の幼子のアリアを口ずさみました。
そこでようやくヴィータはブルースの頼みを受け入れることを決断します。
ただし1つの条件を添えて。

ん?
「本当のNo.47としてブルースと共に錬金院を脱走した仲間」
それこそが、目の前にいるブルースの名を語る人物の正体であるとヴィータによって判明しました。
えええ? あなたブルースじゃないの……? どゆこと?
ヴィータは前から薄っすらと気付いていたようです。
そこへ決定打となったのが、さきほど口ずさんでいた雪国の幼子のアリア。
リズムが歌ったときの歌詞と違いました。

後半が違う!
そういえばリズムが言っていました。ブルースは悲しい結末を嫌って歌詞をハッピーエンドにアレンジしたと。
NOTブルースはそれを知らないから元の悲しい歌詞のまま歌ってしまったんですね。
ブルースではない錬金院の真相を知る人物。となれば必然的にもうひとりの被検体でしかないわけです。
ヴィータが不思議だったのは、理性を失いかけていたはずの犯人の「冷静さ」と経験してきた多くを語れるだけの「記憶力」。
それはNOTブルースがカロン狩りの当事者ではなく、その役を演じていただけに過ぎなかったから。
姉まで欺き切るほどの巧みな演技力。しかし声まで真似するのはさすがに難しく、喉の真新しい傷はそのために自ら傷つけて潰したと考えられました。
ここまで全部ヴィータの推理。名探偵すぎる。
私は何も気付いておりませんでした。
ひとつ言うなら、喉の傷が一体どれなのか分からないままで、伏線としては死んでいるのがもったいないな、と。

伏線どころかブルースが死んでいた!!!
しかもヴィータたちは、ブルースが致命傷を受ける瞬間を目撃しています。
そう……


コレ。
姉の弾丸を食らう弟。
犯人やっつけたぞ! と勢いづいていたあのシーンの裏側ってそんな激重だったの……。
リズムは真面目に職務に取り組んだだけなのに、その結果が知らず知らずに自らの弟を殺すことになっていただなんて。
本人がそれを知ったら確実に壊れてしまう。
だからこそブルースはリズムに真相を知られるのを嫌い、それを最期の望みとしてNOTブルースに託したのでしょう。
ブルースの最期の望みこそが、リズムがリズムであり続けられるように支えているんですね。
この話は墓場まで持っていかなきゃ……。

すり替え!
これはおそらく電流鉄格子のシーン。
回想では、こじ開けていたのはピンクNo.36(NOTブルース)。
実際には、こじ開けていたのはグリーンNo.47(ブルース)。
単に「中身が逆でした!」だけなら分かりやすかったのですが、「中身を逆だと思わせる」に加えて「色を逆にする」もあるため非常~にややこしい話になっています。
真実を理解しようとするとすごく混乱する。
さらにひとつ引っかかっているのが番号。
ヴィータの「本当のNo.47としてブルースと共に錬金院を脱走した仲間」という発言から、「NOTブルースがNo.47」であることがうかがえます。
ここで気になるのが、一番最初にあった回想のモノローグ。

ここでは「ブルースはNo.47」と言っています。
このモノローグ自体は回想に入るにあたってのNOTブルースの説明なはずなので、ブルースになりきるのなら「No.36」と言わなければいけなかったはず。
名前はちゃんとブルースに変えているのに、なぜか番号は自分のものを言っているのが不思議でなりません。
ここまで完璧にやりきれる俳優がそんなヘマをするのだろうか……。
そこは一旦飲み込むとして。
まとめると、
■回想で心を閉ざしていたグリーンNo.47(ブルース)
→実際はピンクNo.47(NOTブルース)
■回想で気さくな兄ちゃんだったピンクNo.36(NOTブルース)
→実際はグリーンNo.36(ブルース)
ということに。
実にややこしいですが、回想シーンはなんとなく理解できました。
■逃亡中にグリーンNo.36(ブルース)が新型抑制剤をくらって喉が潰れて暴走するようになり犯行
→犯人はグリーンなので辻褄は合う
■リズムに撃たれたのはグリーンであり、死んだのはブルースと判明
→ブルース=グリーンなので辻褄は合う
ふむ。おおむね繋がります。
とするとですね。
……いま目の前にいるNOTブルースはなんでグリーンなの? という問題が。
リーンに撃たれて以降に出会うグリーンの中身はすべてNOTブルースです。この時点でブルースは死あるいは戦える状態ではなかったでしょうし、なにより弾丸の粉が一致しているのが紛れもない証拠。
NOTブルースの本来の色はピンク。
どうやってグリーンに偽装したのか? 演技でどうにかなるものでもなし。
ブルースの全身を剥いで取り替えました〜ではさすがに強引。頭とかアンパンマン並にまるごと交換でもしたんか? ってなる。
ここだけキレイに繋がらなくてモヤモヤします。

やっと名前が分かりました。
ブルースとしてではなく、ファンタジオとして改めて依頼を受理します。
その内容とは、「リズムを連れてここから離れることと、永遠に正体を言わないこと」。
受けたからには必ず完遂してみせます!

本当にね!
次に会うときはファンタジオ自身の話を聞かせてもらいたいものです。
そのためにも無事でいてくれるようにと言葉を残すヴィータ。
それに無言で応えるあたりにファンタジオの覚悟が垣間見えて怖い。
ヴィータたちが去った後――

劇場にひとり残ったファンタジオが行ったのは、兵士たちの傷跡の偽造でした。
「ここにヴィータたちはいなかった」と証明するために。
剣の傷跡は、上から新たに傷をつけることでいとも簡単に。
リズムの電撃による火傷の痕は、引きちぎったフロアランプのケーブルが放つ火花で誤魔化しました。
まるで剣を振るった月狩り人など初めから存在しなかったかのように。まるで電流を操る軍官などいなかったかのように。

ファンタジオォォォ……!!!
やっぱり初めから死ぬ気だったんだ……。
ここでファンタジオはブルースに向けて「約束は果たしたぞ」と天を仰ぎます。
「果たせていない約束」というのはブルースと交わしたものだったんですね。
そのときのものであろう回想が挟まれます。

こうして編み紐を託されていました。
ブルースの宝物であり、のちに形見となるもの。
ファンタジオが「こんなものいらない」とリズムにひどい突き返し方をしたのには、遺品であるがゆえに姉になんとしてでも受け取らせようとした結果だったんですね。
半端な渡し方をして断られても困るから。
冷たさの裏に隠れた優しさ。泣かせやがる……!

残念なことに何かの間違いではなかった……。
リズムに第六軍団の真相を伝えること、弟を殺したことを知られないこと。
これが最後にブルースに託された願いでした。
しかしコレ、よく考えると結構無茶な内容です。
第六軍団の真相をファンタジオ(ピンク)がそのまま1人で伝えに来た場合、必然的にグリーン=ブルース=リズムが撃った、までストレートに繋がってしまいます。
「死んではいない」と言い張ったところで、編み紐は人づてに返されるわブルースにはまったく会わせてもらえないわが続けば、いずれリズムに勘付かれる可能性は高いです。
そこで、

ファンタジオだからこそ為せる業。
そしてきっとこのときにはもう、自分の死をもってカロン狩りの事件を終わらせることを想定していたのでしょう。
外へ出たら一緒に舞台を作って公演を開くという2人の夢は叶わなくなってしまったから。
生きる気力を与えてくれたブルースを失ってしまったから。
個人的には自暴自棄になってというより、ブルースに感謝しているからこそ暴走によって犯した罪を肩代わりして事件をしっかり終わらせにいっているように見えます。
ブルースに救われた命だからブルースのために使う。
とはいえ寂しさによる後追いも少なからずあるでしょうけれども。
真実を知れば知るほどツラいし、これから先の展開を見るのもツラい。
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