ふと、視界に入ったひとつのビン。
「あれ、これまだあったんだ」
と、開封済みインスタントコーヒーのビンを手に取ってまじまじと見てみたら、なんだか白っぽい……。
まさか……カビ……?!
インスタントコーヒーはカビる?
白い! 白いぞ!
本来の賞味期限は来年までありますが、いかんせん開封したのが半年前くらい。完全に時効です。
主に冬場にしか飲まないので、存在そのものをすっかり忘れていたら、こんなことに。
真上から撮った図。
まったくサラサラ感は無く、もはやクランチチョコ状態。ココアがまぶしてあると思うと、急においしく見えてくるかもしれない。
周りのポロポロしたものも、ビンに張り付いちゃっています。
しかしガチガチに固まっているというわけでもなく、軽くほぐすと従来のサラサラ感に戻りました。
スプーンですくいあげると、なにやら繊維が……。
カビというよりはホコリのような……タオルの毛羽立ちみたいなものに近く、ゆらゆらとなびきます。
使用していた時は、すぐさまフタをカッチリ閉めることを徹底していたので、当然ホコリなどの可能性はありません。
変なニオイもするどころか、相変わらずコーヒーの香りそのもの。
「本当にカビなのか? そもそも乾燥したインスタントコーヒーがカビるのか?」
と、疑問を抱いたので調べてみました。
単刀直入に言って、
カビではありません。
やはりインスタントコーヒーは乾燥しているので、カビが生えたり腐敗するといったことはまずないようです。
では、白カビのように見えたアレはいったい……?
その正体は、カフェインの結晶でした。
コーヒーに含まれるカフェインは、湿気てしまうと顆粒の表面に白い針状の結晶となって浮き出ることがあります。
それがまさにカビのように見えるというわけですね。
正体がカフェインなので、当然飲んでも大丈夫。
ただ、長く放置すればするほどどんどん湿気ていき風味も落ちていくため、おいしく飲めるかどうかの保証はありません。
試しに飲んでみましたが、変な味がすることもなく、至って普通のコーヒーでした。
数日経ってもまったくもって健康です。
絶対カビないわけではない
インスタントコーヒーといえど、管理方法が悪ければカビることもあります。
特にやってしまいがちなNG行動が、濡れたスプーンを使用すること。
それにより雑菌が移り繁殖し、カビる可能性がグンと上がってしまいます。
もし今回のようにカフェインの結晶らしきものが確認できても、管理方法に不安が残るのであれば迷わず捨てましょう。
君子危うきに近寄らず。
結晶化する前に飲み切ろう
インスタントコーヒーは基本的に、
・高温多湿を避ける(冷暗所で保存)
・フタをしっかり閉める
・開封後は1ヵ月を目安に使い切る
を守っていれば、安心安全においしくいただけます。
ひとつ注意すべきなのは、冷暗所といっても冷蔵庫や冷凍庫での保存はNGということ。
室温との温度差により、出し入れするたびにビン内部に水滴がついて湿気てしまいます。
保存するなら常温の涼しいところがベストですね。
そこさえ気を付けていれば、あとは早く飲み切るだけ。
カフェインを結晶化させても良いことはなにも無いので、そうなる前においしくいただきましょう!