キミガシネ最終章前編Part15(Abルート)です。
最終章前編Part14(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
トラウマ
墓地
墓地を出ようとしたそのとき。
「探す必要は……ないよ」
予備の首輪を付けたミドリが現れました。
今頃、律儀に着けてくるあたり、やはりさきほど着けていなかったのはワザとっぽいですね。
あのタイミングで捕まる気はサラサラ無かった、と。まさかマイが行動を起こすことまで計算していた……?
確かにあのシーン、いろいろあって流されていましたけどおかしい点があります。
「放送で全員を呼ぶ」と言っていたヒナコ。
なぜQタロウだけ来なかったのか?
サラたちが引き返してモニターを見に来た時点ですら墓地にいるようでは、駆けつけている最中というわけでもありません。
それはつまり、集合そのものを知らされていなかったということ。
わざと墓地には放送をしなかったか、もしくはマイにだけ殺しのチャンスだと伝わるような放送をしたか。
ミドリの関与まではさすがに掴めませんが、ヒナコが仕掛けたのは間違いないでしょうね。
Qタロウが刺されて「間に合うかな……?」とあざ笑う態度をとったり、マイの失敗に苛立ったのも合点がいきます。
ちなみに、仕掛けるにあたって最初から監視室にいたアリス(とアンズ)が邪魔になりますが、事の次第(本棚の階段)を説明すれば簡単に追い出せたでしょう。
ヒナコまじ要注意人物。
最初はケイジさんが心配でしたけど、今となってはむしろケイジさんが見張ってくれていることに安心します。
さて、本筋に戻りまして。
ミドリの堂々たる登場にランマルは疑ってかかります。
ランマルくん、やたらと拳銃のことを気にするのねw
そもそも拳銃を使った暴力のみの殺し合いを避けるために鬼ごっこになったわけだし、こちらがルールを守っている以上は拳銃はルール違反。
そう言われたばかりなのに。
いやまあ、ミドリは気分屋っぽいし信用できない気持ちは分かりますけどね?
いつまで固執するんだろうと気になったものでw
やはりというか、当のミドリに拳銃を使う気はありませんでした。
……が、あまりにも信用されないために言葉での説明は諦めたのでしょう。
「あげるよ」と、
ポケットから取り出した拳銃を放り投げました。
ケイジの元へと。
不思議そうに拳銃を眺めていたケイジですが、しばらくして何かに気付きます。
突然、苦しみだすケイジ。
これは……もしやトラウマの拳銃か……。
でもなぜそんなものをミドリが?
ミドリの言葉通り、ケイジの脳内に過去の出来事が駆け巡ります。
ケイジは、自分が警察を目指すキッカケとなった話をメグミに話しました。
小さな頃の些細な約束。
それを律儀にも果たそうとするケイジ。
そんな微笑ましい話にメグミも頬を緩めます。
メグミの言葉に背中を押されたケイジは、意気込んだ返事とともにあのおまわりさんの名前を告げました。
その途端、メグミの表情が一気に険しくなります。
冷たく、きっぱりと言い放たれた一言。
予想外の返答にケイジは意表を突かれ固まります。
不安と疑問がないまぜになった視線を向けられたメグミは、取り繕うように表情を緩めて言葉を続けました。
辞めたとあらばどうしようもありません。
ケイジは理由に納得しつつも、残念そうに肩を落としました。
ケイジの何気なく放った言葉。
それを黙って聞いているメグミの表情には、またあの鋭い目つきが戻っていました。
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「ああ……あいつか……」
ケイジは、あのおまわりさんと同僚だったという先輩警察官に話を聞きました。
おまわりさんについて尋ねるケイジに、アイツの事は関わらない方がいい、と忠告する先輩警察官。
ここじゃ言いづらいが……と前置きしつつ、こっそりと内情を教えてくれました。
「子に誇れる親になりたいって正義に燃えたばっかりに……」
ケイジはおそるおそる、その「闇」とは何なのかを尋ねます。
しかしそれは先輩警察官も知りません。むしろ知らないからこそ、ここにいるとも言えます。
知ってしまえば、待っているのはおそらくおまわりさんと同じ道でしょう。
少しでも情報を得たいケイジは、なるべく答えてもらえる範囲での質問をしました。
先輩警察官はためらいを見せつつも、ケイジのためと思ったのか正直に答えます。
わお。
メグミさん、まっくろくろすけ。
ガッツリ組織に首を突っ込んでいそうな真っ黒っぷりです。
かなりのエリートにも関わらずケイジの教育係を担当しているのも、監視目的かなにかなんでしょうね〜。
最初から図られていたとは。
でもそんなメグミさん自身、デスゲームに放り込まれてもいるわけで。
組織に利用されてポイされただけの一般人なのか、それともカイのように処分された関係者なのか。
メグミさんも謎多き。
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「総員に告ぐ! 相手は拳銃を所持している! 一般人はいない! 現場での発砲を許可する! 決して現場から逃がすな!」
ケイジはもう1人の警察官とともに、犯人を追い詰めていました。
「ううぅぅぅ……!! ああああぁぁぁ……!!」
うめき声ともとれる叫び声をあげる犯人。平静を失っているのは明らかでした。
そう言って拳銃を構えた瞬間、
一発の銃声が響き渡りました。
それを放ったのはケイジ。
宣言どおり、威嚇のために撃ったものでした。
しかし、その後の現実を目の当たりにして目を疑います。
地面に倒れ込み、ピクリとも動かなくなった犯人。
銃弾は犯人を捉えていました。
当てるつもりなど、さらさら無かった威嚇射撃が。
メグミさん、タイミングが良すぎますね。ケイジの発砲に合わせて犯人を撃った張本人なのでは……?
ケイジはうろたえながらも、駆けつけたメグミに受け答えできるくらいの余裕はありました。
しかしそれも束の間。
次の瞬間には全身が硬直し、激しい後悔に打ちのめされました。
気付くべきではなかったこと。
見るべきではなかった……顔。
ヒェッ……!!
おまわりさん……。あのときの笑顔は見る影もない……。
しかしこの表情は違和感がありますね。まるで拷問でも受けたかのよう。
ケイジが現場に駆けつけたとき奇声をあげていましたし、とっくに薬でも盛られて廃人にさせられていたんじゃないでしょうか……。
無精ひげは生え、頬はこけ、目の下にはクマらしきものも。
撃ったショックもさることながら、憧れの人の荒んだ姿……ダブルでショックでしょうね……。
そういえばそうだ……!
凶器を持っていなかった犯人を撃ち殺したのにも関わらず、正当防衛扱いになったんでしたよね。
なぜかミドリはその事件の詳細を知り尽くしていました。
目撃者がいなかったためにメグミが上層部を使って隠蔽したことも、すべては正当防衛として部下の殺人を隠したかったからだということも。
一警察官として在籍しているだけでは到底知り得ない情報を、なぜ知っているのか疑問は増えるばかりです。
「どこまでかなぁ」とミドリはとぼけた口調をしつつも、隠す気はないようで答えてくれます。
銃のガセ情報を流すなんてことは序の口。
クビになった警察官をケイジの悲劇のストーリーに組み込むことすらも……できるかもね、と言ってみせました。
?!
これは……ケイジさんとともに現場にいた警察官のセリフ……。
あの警察官はミドリだった……!
本当に何者? デスゲーム外でどこまで介入しているんだキミは。
ソウの高校に不法侵入してソウと仲良くして、警察官に化けてケイジを誘導して、最終的にはアリスに殺されたミドリ。
過去が濃ゆい。
パソコン共有会でミドリに見覚えのあったカンナやQタロウも、おそらくはあんな感じでどこかで会っているんでしょうね。
ただ、ギンだけはミドリとの関係性が依然として不明です。
事の発端であるパソコン共有会。あの場にいなかったことは今でもずっと引っかかっています(ナオもいませんでしたが部外者なので除外)。
まるで意味のなかった1Fの探索によってミドリに対する反応は見れなかったうえ、実際に対面してもまったくの無反応(一切発言しない)という秘匿っぷり。
みんなミドリの存在にあれだけ驚愕するほどのことだったのに、いきなり実物ご対面なギンの描写はカット……するとも思えませんし。
ミドリの隣のヒツギでおねんねしていたハヤサカに対しては反応していたからこそ、余計にミドリへの反応が見られないことに違和感というか不自然さを感じます。
意図的に描写を隠されているかのような……。
思えば謎を秘めた同意書の件も、ギンだけはタイミング良く気絶していてスルーしているんですよね。
裏があるからこその神回避にしか見えなくなってきた……。
突然浮上してきた疑惑も気になるところですが、今は一旦置いておいて。
「撃ってきたぞ!!」とウソで煽った警察官は、ミドリだったと知ったケイジ。
途端に驚愕や焦燥といった感情が消え失せ、不気味に笑い出します。
そして、すべてを悟ったようにつぶやくと……
ヒャッ!!
ケ、ケイジさん、気を確かに……!
フラグが建っちゃう……!
完全に怒りに呑まれてしまいました。
かたや怒りの矛先であるミドリはというと、やる気になったケイジを楽しそうに見つめるばかり。
殺されない自信でもあるのか、それともすべてを受け入れているがゆえにありのままを楽しんでいるだけなのか。
この余裕ぶりは後者っぽい感じがします。
ミドリとの対戦を前に、ケイジはランマルから強引に鬼を奪い取りました。
あまりの手荒さにランマルが痛がるほどです。
しかしそれには目もくれず、ケイジは一点をにらみ続けます。
ミドリの掛け声とともに、墓地が一変します。
梅干しかとおもた。
壊れた人形の墓場ということは、あの梅干しは人形の肉塊なのかもしれません。キッモォ。
さて、議論アイコンが出てきたことでお察しでしょうが、ここからはミドリとのバッチバチでアッツアツな白熱バトルスタートです。
最終章前編Part15(Abルート)はここまで
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