キミガシネ第二章前編Part1です。
第一章後編Part9はこちら↓
第二章開幕
「ごめん……なさい……筋肉ゴリラ……サラ姉ちゃん……」
え?! なにごと?!
初っ端から出てくる筋肉ゴリラという単語により、てっきり寝ぼけたギンから始まるほんわかモードかと思いきや全然そんなことはなかった。
開幕早々とんでもない鬱です。
いや、まだ死ぬと決まったわけじゃない。夢オチの可能性も……(自分に言い聞かせながら)。
エプロンの秘密
場面は移り……
青エプロンのカイさん!
見慣れてないせいか違和感がありますw 性格的には青が似合いそうなものですけどね。いまやあの派手な赤のほうがピッタリです。
甚平姿の男は、働き者のカイへとプレゼントを送ります。それは……
あの赤エプロン!
この人からの贈り物だったんですね〜。
どうやらカイのおかげで妻とサラが安全に暮らせていることへの感謝の気持ちのようです。
……ということは、この甚平男はサラの父親でしょうか? カイをボディーガードみたいな形で雇っている?
しかし、これは雇い主としての感謝なんてもんじゃない、と甚平男は言い切ります。
実はこの赤エプロン、甚平男の母親が使っていたものでした。
いわば、主婦皆伝の証!
そして……千堂院家の絆。
甚平男にとってカイはただの雇われの存在ではなく、もはや家族なのです。
その思いは妻も同じで、そもそもこの赤エプロンを贈り物にしようと提案したのは妻のほうでした。
「私なんかのために……」と言い淀むカイは、
咄嗟にフライパンで顔を隠します。
甚平男が驚いて尋ねると、
嬉しさのあまり泣いちゃってたカイさんw
フライパンで隠すとかかわいいかよ。
しかし眼が赤い時点でバレバレ。「まさか泣いてんのか?!」と笑われてしまいますが、
頑として認めない姿勢。
だからかわいいかよ。
そこまで喜んでもらえれば渡した方としても贈り甲斐があったというもの。甚平男も顔をほころばせます。
ところが、ふと真剣な表情に切り替わるやいなや「もしもの時はサラを頼んだ」とカイに告げます。
なんと甚平男は、サラの本当の父親ではありませんでした。
その事実をいつかサラが知ることも、自分一人が命を張ったくらいで何かを変えられるほどサラの運命が軽くないことも承知の上。
しかし千堂院家には影でサラを守ってくれるヒーローがいるから不安はない、と甚平男は言い切ります。
そのときの表情は、それはもうひどく穏やかなものでした。
カイは自分のことをただの裏切り者だと言い放ち、ヒーローと呼ばれることを丁寧に拒みます。
影は影のまま知られることなくサラを守り続けるだけ──それこそがカイなりの愛情なのだと。
なんて優しいお顔……。
甚平男がサラの実親じゃないとか、カイが裏切り者だとか気になる点は山ほどありますが、ただ1つ言えるのは2人とも絶対に悪い人間ではないということ。
もうカイさん……影とは言わず堂々と表からサラを守って、良い仲になっていれば良かったのになと思わずにはいられません。
裏切り者というワードもありますし、影にならざるを得ない理由もあったのかもしれませんが。
2人のやり取りに心温まるのも束の間。
途端に空気は一変します。
カイのサラに対する愛情発言に反応してしまった甚平パパw てか、顔こわすぎw
急に焦燥感あふれるBGMに切り替わるとともにこの顔が降臨してくるので結構ビビりました。本性でも出してきたのかと……。
画像だと音まで伝えられないのが残念ですが、個人的にドラマ版「金田一少年の事件簿」で使われた焦燥感駆り立て最強BGMの「dangerous zone」を思い浮かべてもらうのがいいかもしれません。
犯人から逃げているときや、悲鳴が聞こえて慌てて駆けつけるシーンなどによく使われているBGMです。
あのぐるぐるとした曲調が、まさに必死で逃げるそのすぐ後ろを追いかけてくる犯人……という状況をパッと思い浮かべさせるほど緊迫感が尋常じゃない。
背後にいるのがあの形相の甚平パパなら本気で恐怖ものw
ドラマ版「金田一少年の事件簿」自体が、何度か役者を変えリメイクを重ねているとはいえ古い作品なので知らない人もいるかもしれませんね。
堂本剛版の金田一はお世辞なしに非常におもしろい作品なので心の底からオススメします。控えめに言って神作品。
BGMも秀逸ぞろいです。
上で述べた「dangerous zone」はもちろんのこと、金田一の代名詞である「the mysterious mallets」と「bicycle ride」も収録されています。
この2曲は代名詞として派閥が分かれるところですね。
甲乙つけがたいですが、私としては「bicycle ride」のほうが「金田一といったらコレ!」感が強いです。
好きなものを語りだすと脱線が止まらない(これでも抑えたほう)。
さて、鬼の形相の甚平パパの話でしたね。
カイが声をかけるも「ムスメ……ムスメ……」とつぶやき、心ここにあらず。
実親ではないとはいえ、サラのことになると周りが見えなくなるくらいにはすっかりパパしているようです。
そこからだけでも、サラは大事に育てられてきただろうことが伺えます。
この方の為にもサラを見守り続けなくては……と、カイは改めて心に誓うのでした。
カイさん……至って冷静というかマイペースですなw 目の前に鬼の形相をしている人がいるというのにw
甚平パパそっちのけで、今頃勉学に励んでいる頃だろうかとサラのことを思案するカイでした。
悪夢
場面は移り、学校の教室へ。
「行く!」とノリノリで即答するサラですが、今は授業の真っ只中。
すぐさま我に返ると、今する話じゃない、とジョーを窘めます。
しかしジョーにとってもただ雑談がしたかったわけではありません。「その代わりに……」と言い出したところを、察したサラが言葉をかぶせます。
リョーコも連れて行く、と。
その言葉に一時は喜びを見せるジョーでしたが、本題はそこにあらず。
本当の狙いは、
課題のノートを見せてもらうこと……!
サラ様呼びが必死さを煽りますね。
写すの速いから一瞬だけでも! と頼み込むジョーですが、授業中に貸せるワケもなく。
家で宿題をやってこないのが悪い、とサラはキッパリと断ります。
あまりのド正論に言葉を詰まらせるジョーは、ガッカリした様子でぼやきました。
「家でやれって言ってもよー、しかたねーじゃん……」
グサッ
ここにきて急に現実に引き戻すのか……。
さきほどまでの他愛ない2人のやり取りを見て緩んだ心にグッサグサ刺さりますぜ……。
「責任感じねーのか? それに長く苦しんだのもサラのせいだろ? 何か言う言葉はねーのか?」
【選択肢】
→ごめん……
→…………
返答をプレイヤーにさせる鬼畜選択肢が登場。
そんなのもう謝るしかないじゃないですか。何度謝っても足りないというのに……!
謝罪の言葉をジョーは意に介す様子もなく、明るく笑い飛ばしました。
「なに謝ってんだよー」
グサッッ
ジョーはそんなこと言わない。
いつだってサラの味方で、サラのために動いてくれて、「最高の親友だ」って……「大好きだ」って言って……くれて…………
ジョーはそんなこと言わない……!!!
……のに、分かっていても精神ダメージがえげつない。
そんな中でも、サラは懸命に言葉を絞り出し弁明しました。
前へ進むしかなかったこと。
最大限、やりつくしたことを。
「みんなを守った……! 守ったんだ……!!」
「オレは死んだよ。カイさんだって死んだ」
「でも……でも……!! もうやめてくれジョー!! お願い……お願いだから……!!」
「目を背けたいか?」
!ホラー注意!
ヒッ……(泡吹いて卒倒)
第二章前編Part1はここまで
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