キミガシネ第二章後編Part25(Aルート)の分岐bルートです。
第二章後編Part24(Aルート)はこちら↓
メインゲーム〜決選投票〜
投票
※ ケイジへの投票は、「ダメだ……!! それだけはできない……!!」というサラの心の声によって阻止されるため不可能です。
【結果】
トドメを刺した人間に「ありがとう」の言葉……。
なんともやるせない。
カンナが覚悟を持って身代を手にしたからです。不正で無かったことにされようとも、その事実は消えません。
本来なら、身代で死ぬのはカンナなんです。
あ、やっぱりソウにしとけば良かったかな(熱い掌クルー)。
ソウとの和解ルートは端から無いんですね。
決選投票の議論で少し和解に近付いたかな? と思ったのも束の間。
結末から見れば、完全に敵対するか、ソウが死ぬかの二択しかありません。
ナオ(市民)に投票してカンナ(身代)も死ぬ、という形だったなら、ソウの感情もだいぶ抑えられたでしょうに……。
結局、ガシューの不正でナオとカンナの役職が入れ替わったせいで、昼ドラさながらの憎悪劇になってしまいました。
ガシューを許すな。
もうソウとはそういう運命なのかもしれません。サラとは相反する人間なのでしょう。
だから勝率0.0%なのでは。15.5%に楯突くから……。
カンナは、最後に、とサラにひとつのお願いをしてきました。
サラは優しくカンナを抱きしめます。
『理』でソウを選べたら、どれほど良かったことか……。
でもケイジさんの1票が無ければ、サラがどうしようともソウが選ばれる道しかありません。
そう思うと、ケイジさんがカンナに入れた真意が聞きたいところです。
真っ先に入れたあたり、何かしら考えがあっての行動だと思われるので。
ハンナキーにより役職の答え合わせがされます。
賢者 …… Qタロウ
鍵番 …… ケイジ
身代 …… ナオ
ごめんよ……ナオちゃん……。
覆りようのない結果が出たことで、いろんな葛藤から解放されたのでしょう。
さっきまで怖くて止まらなかった震えが、今は不思議と無くなっているとナオは話します。
「ナオが」なのか「サラが」なのか。
主語が無いので分かりませんが、どちらにしてもナオの優しさがあふれていて切ない……。
ナオちゃん部外者なんだから帰してあげてよぉ……。
確か誘拐犯の組織は記憶をいじるのがお手のものでしたよね?
なぜ部外者まで誘拐してしまった初期段階で、その記憶だけ消してさっさと解放しなかったのか……。
まさか部外者の中に黒幕がいて、そのカムフラージュに利用されたとかだったら……非常に罪深い。
「その時も身代のカードで……レコちゃんの持ってたメダルを……使っちゃいました……」
やっぱりナオだったんですね。
最初に身代を引いて、最後の最後でまた身代が戻ってくるなんて……。
……ん? まさか最初に身代を引いたのもガシューの不正だったのか?
あわよくばそのまま……と。
それが失敗してしまったために最後の交換で強行手段に出た、といったところでしょうか。
本当にナオが可哀想すぎ。
「レコにとってお前は親友だった……それは間違いないよ……」
アリス優しい。
レコが守った、良い表現ですね。いや、本来ならレコはナオを守りきれていたんですよ。
不正さえ無ければ……!
ガシューを許すな。
そんな軽い冗談を言えるくらいには吹っ切れた様子のナオですが、ただひとつ心残りをポツリとつぶやきました。
生きて出たら完成させる予定だったミシマの似顔絵。
もう二度と、完成させることは……。
そう言うと、ハンナキーはサラにあるものを手渡しました。
「長く苦しませたくなければ……押すしか……ありません」
なんでいちいちサラにだけ死刑執行人みたいなことやらせようとするんですかね!
デスゲームを取り仕切っているのはアナタたちでしょう。処刑くらい責任持って自分でしなさいよ。
フロアマスターが死にさえすれば不正は許されるみたいな展開以降、誘拐犯組織に対するイライラが止まらない。
怒りは募るばかりですが、そんなものは後回しです。
非常に悲しいですが、処刑の時間は止まってくれません。
ホエミーが言っていたとおり、メインは投票で選ばれた者であり、身代は前座に過ぎないのでしょう。
ナオの処刑が先に行われます。
ナオの腹部にはめられた鉄の塊。
それは徐々に収縮し、身体を圧迫していきます。
即死スイッチを押そうとも、ナオ自身が拒むために押せません。
この状況になってでも、「死にたくない」とナオはあがきます。
そして……
結局、即死スイッチなど押させてもらえないまま、ナオは最後まで苦しんで、その命を終えました。
もしかしたら……ナオが最後まで即死スイッチを押させなかったのは、サラを殺人者にさせないためだったのかもしれませんね。
いくら生存意欲があるといっても、助かる道が0%の中であんな苦しみをじわじわと味わわされれば、「いっそ殺してほしい」と願っても不思議ではありません。
それもなく抵抗し続けたのは、やはりジョーのことで散々苦しんだサラを知っているからこそ。
自分はサラにそんな重荷は背負わせない、というナオの優しさだったんじゃないでしょうか。
あくまでも憶測の域は出ませんが……もしそうならと思うと胸が締め付けられます。
あれ、さっきから画面がぼやけて戻らないぞ……。
・
・
・
「先生………………ごめんなさい……。先生にあげる……プレゼント……まだ描き切れてなくて……」
「大丈夫です。これからは……たくさん時間がありますから」
「思う存分描けよ、ナオ」
「はい……!」
・
・
・
また守れなかった。
また、死んでしまった。
サラは後悔と悲哀のドン底に叩きつけられました。
それでも、休む間もなく次の処刑は行われます。
ハンナキーがカンナへとターゲットを移そうとしたとき。
?!
それは……ガシューの銃か!
カンナに近付いたら撃つ、とQタロウは牽制しました。
しかしハンナキーは微動だにせず、ただ冷静に、そんなことをしてもカンナの処刑は変わらない、と切り捨てます。
しかしそんなハンナキーの姿は、辛いのをこらえながら処刑をやらされているようにQタロウの目には映っていました。
これまでの反応からしても、明らかにガシューやホエミーとは違います。
本当はこんなことを望んでいないはず、そう思ったQタロウは、ハンナキーの良心に訴え出ました。
「……わかってませんね……」
ヒェッ……。
あれかな、嗚咽だと思っていたら実は笑いをこらえるのに必死だっただけみたいな。あんな感じのヤツ?
ハンナキーは一歩踏み出し「……近づきましたよ」と、まるでQタロウを煽るように自ら銃口に笑顔を向けます。
焦ったQタロウは意を決して引き金を引きました。
しかし……
拳銃は、カシン、と音を立てただけでした。
中身は、からっぽ。
ハンナキーはそれを見据えていたんでしょうか。
悔しがるQタロウに、カンナは静かに止めに入ります。
「……もう、いいんです」
「……ありがとう、サラさん。……ソウさんをよろしくお願いします……。……みんなで……仲良く……」
それがカンナの最後のメッセージ。
言い終えるとともに、ハンナキーが処刑装置の起動を行いました。
「首輪装置……『人間フラワー』作動します……!」
首輪からカンナの体内に人間フラワーの種というものがまかれました。
聞いただけでおぞましい予感しかしませんが、ナオのようには苦しまないとハンナキーは説明します。
体内に根を張られ、心地よい痺れを感じながら美しく死んでいく……と。
そんな方法もあるならナオもそれでよかったじゃないですか!
なぜ一番の被害者であるナオがあんなに苦しむ処刑をさせられねばならなかったのか。
本当に怒りが収まりませんが、それでも時間は無情にも流れていくもので。
カンナの体内にまかれた種は、瞬く間に発芽のときを迎えました。
蔓はカンナの腕を伝いながら、どんどん成長していきます。
そして……
これが選ばれた者の最期。
死体は花が枯れぬ限り、いつまでもきれいな状態で保たれるのだそう。
まるで芸術作品のような扱いです。
候補者とそれ以外では、こうも格差をつけるんでしょうか……。
思えば候補者でないジョーも、ナオのように血まみれでひどく苦しんで殺されました。
サラは、ただただカンナに謝ります。
脱出のためにはソウが必要だったことを。
『理』を選んでしまったことを。
最低の選択を、してしまったことを……。
……殺してやる……
くだらない……全部くだらない……
フロアマスターも……サラも……
有象無象の どいつも こいつも……
カンナを殺したお前ら全員……ボクが殺してやる……!!
そうだ……まずは……サラに……
メインゲーム後
サラは、ぼんやりした頭でソウを探していました。
ナオもカンナも救えなった。
そんな現実は知らない、見たくない……と目を背けるように、ソウを探すことに意識を向けました。
荒れた廊下
何かに導かれるように、足が向かいます。
予感のような何かが、サラを呼んでいました。
ガレキの部屋
画面が光っており、部屋全体を照らしています。
ボーっと画面を覗き込んでみると……
『よう、サラ』
思わず面を食らいました。
見知った顔がそこにあります。
いつも学校で顔を合わせていた、親友のカオ。
あり得ない……また幻影だ。ついに自分は壊れてしまったのだと思い直します。
なぜなら、ジョーの人工知能なんかあるハズがない。彼は候補者外なのだから。
それでも、今のサラにはそんなことはどうでもいいこと。
ジョーのいる画面に詰め寄り、彼の名前を叫びました。
ジョーもはつらつと返します。
『おう、元気だったか!』
一瞬にしてサラの顔がこわばりました。
分かっていたハズなのに。
幻影……これは自分が作り出した、偽りのジョーだと。
だから返事をしてはダメ。
『聞かせてくれよ! 今度は誰を殺したんだ?』
まるで他愛ない雑談でもしてくるかのようなジョーの軽い言葉。
それを思わず否定しかけて、咄嗟に口をつぐみます。
無視をしなければ。
そう再度心に決めますが……
『……投票したんだろ? 生き残るために……自分より弱いヤツを犠牲にした』
何よりも突き刺さるその言葉に耐え切れず、ついに「違う……!!」と否定してしまいました。
これはジョーじゃない、と何度自分に言い聞かせても、視覚と聴覚が嫌でもジョーを認識させるのです。
『サラ……お前、変わっちまったな』
サラは息苦しさを覚え、激しい呼吸を繰り返します。
幻影に……殺される……。
『今度はどんな言い訳をするんだ? サラ』
【選択肢】
→黙れ
→お前はジョーじゃない
「お前は……ジョーなんかじゃない!! 出て来ないでよ……!! お願いだから……!! もういい加減……許してよ……!!」
『オレがどんだけ苦しんだか知ってるだろ?』
『……もう一回、見せてやるよ』
すると、画面には……
地獄の光景が。
思い出したくない、ジョーの最期が。
サラのうめき声は次第に叫びへと変わっていき、視界も何もかもをかき消していきました。
寝室
「サラ……!!」
ケイジさん助けて。サラが壊れる。
ふあああ天使もいたああああ
サラちゃん、目覚めのイケメンと天使を見て元気出して!
ケイジによると、サラはガレキの部屋で気を失っていたのだそうです。
Qタロウもアリスもいました。
ソウ以外は全員集合しているんですね。
そういえばサラは最初にソウを探していましたから、おそらくソウの姿だけが見当たらず、みんなで探していたんでしょう。
全員あの映像のことを知っているということは、あれは夢ではなく現実だとも証明されました。
ケイジはジョーの人工知能のことを、誰かの悪意で組み立てられたニセモノのジョーだと断定し、少しでもサラの気を軽くしようと声をかけます。
──何を言ってるんだろう……?
ケイジの優しさに、サラはいまいちピンと来ていませんでした。
おそるおそるケイジに尋ねます。
「ジョーって……誰ですか…………?」
第二章後編 終
分岐bルートは、カンナ死亡ENDでした。
正直、こんなことになるくらいだったらソウに投票しておけばよかったとちょっぴり後悔している自分がいる。
でも本来死ぬはずだった人が不正で助かって、その尻拭いを他の人が担うって構図が理不尽すぎて……。
どうしても受け入れられなかったので、私の中ではカンナに投票することしか頭にありませんでした。
もっと聡明だと思っていたソウが、カンナの遺言も意図も一切汲まず自己中心的な考えに走ったのだけが残念です。
分岐aルートはこちら↓
分岐cルートはこちら↓
まさかこんなにも枝分かれする分岐になるとは予想していなかったので、表記をどうしようかと困ったのですが、とりあえず、
第ニ章前編の分岐を A、B としたので、
第ニ章後編の分岐は a、b、c に。
それらを組み合わせてルート表記していきます。
ちなみにアルファベットは、
↑のような分岐イラストで、左にいる生存ルートから順にあてがっています。
私はAルートとbルートがメインストーリーなので、最終章はAbルートを進めていきます。
最終章前編Part1(Abルート)はこちら↓