元凶がいなくなったことでとりあえずの問題は解決。
……したはずですが、この場に満ちるどんより空気。
重い……重すぎる……!
収束のダンケルク編
小庭園をとぼとぼと歩いているとヴェロニカが待ち構えていました。
意味深な演出があった手前なだけに素直に信用はできませんが、会うなり事の発端をペラペラと話し出してくれたので、ひとまず耳を傾けることにします。
要約すると、元凶はバーンハルト教区のバファリア教団。
バーンハルト教区はバーンハルト公国と手を結び、扱い易い「疑似アバリティア」を作り出そうとしていたようです。
つまるところそれは、より多くのエングラムを効率よくバファリア神族に捧げるために。
しかし実際のところは行き詰っていたという疑似アバリティア計画。
そこへ手を差し伸べる形となったのが、天恵の聖堂に現れたアバリティアシェルの存在でした。
その体組織と人間を組み合わせてできたのが、おそらくアバリティアヨルクのことです。
2ヶ月前にバーンハルト城の地下に現れたのはアバリティアヨルクであり、なんならバーンハルト教区によって生み出されたからこそ地下に現れたとも言えます。
公王の命でそれを討伐したダンケルクは、断末魔を聞いたときにその正体に気付きました。
急にキャラ崩壊するヴェロニカ。
物騒な話を瞳孔を開いてまで生き生きと語り始めました。
これはダウト臭がぷんぷんしますねぇ。
しかし個人的にはここのハイになったヴェロニカ、もっといえばヴェロニカの中の人の演技がすごくお気に入りです。豹変っぷりが凄くて完全に惹き込まれました。
思わず調べてみたら、銀魂の月詠の人だったのですね。言われてみれば確かに! どおりで鬼のように上手いわけだ。
どうせならこういう敵キャラとして出てきて欲しかったものです。
こんな一過性で終わらせるにはあまりにももったいない……!
本題に戻りまして。
つまり真相を知ったダンケルクは、計画に関わった者を皆殺しにするほど復讐の鬼と化したのでした。
その怒りの矛先は当然バファリア教団にも向き、アインレインが狙われたのはそれが原因でしょうね。
しかし最たる元凶はバファリア神族。
とはいえさすがにダンケルクも天上の存在には手が出せないので、憎しみを募らせてヤキモキするばかり。
そこへ、このハイヴェロニカが一言添えてやったのだそうです。
カーヴェインの母親はバファリア神族だった!
必然的にカーヴェインもバファリア神族であり、そのバファリア神族によって本当の息子であるヨルクは死ぬことになった。
これがダンケルクをさらなる発狂へと導いたのでした。
不憫ではありますが……それでもカーヴェインとアインレインにまで飛び火するのは少々強引すぎる気もしますね……。
ヨルクを死に至らしめた要因たちを殺すのは分かるとしても、2人は計画にはまったく無関係です。
百歩譲って、バファリア教団に属していて憎きバファリア神族から神託を受けているアインレインは同罪だとひとまとめにされても仕方がないとして。
バファリア神族と判明しただけのカーヴェインまで殺そうとするのはいかがなものだろう。
ましてや息子同然にかわいがっていた相手。出自だけで急に「許さん殺す」と極端に切り替えたくなるものなのでしょうか。
今まで築き上げてきた親子愛とか信用とかはどこへいったというのか。
個人的に気になるのは、もしカーヴェインが持っていた母の形見の剣が実は別の人から譲り受けていたものだったりとか、そもそもカーヴェインが母親だと思っている人は育ての親だったりとかで、盛大な勘違いだったらどうするのだろうということ。
ダンケルクがそのあたりの情報を自力で知り得るのは不可能でしょうから、得られるとすればハイヴェロニカからであることは先ほどの流れから汲み取れます。
そうなるとダンケルクはハイヴェロニカの情報を鵜呑みにしていること他なりません。
つまり自力で確証を得ていないのに間違いだった場合のことも考えず、出自が憎いだけでカーヴェインを殺しにかかった点だけが異常に浅はかに見えてしまいます。
この疑問を解消できるとすれば、結局のところダンケルクにとってカーヴェインはその程度の存在だった、とするのが一番腑に落ちるでしょうね。
どん底状態のカーヴェインにさらなる追撃で話がまとまるとは。ダブルパンチどころかトリプルパンチ。本当にかわいそう。
大筋の説明ありがとう。
だいたいのことは分かったので、そろそろ化けの皮を剥いでもいいですよ。
下僕ちゃんが問い詰めると、
ババーン!
正体は竜族のリーンブルムでした。
最たる元凶は竜族だった?
すやすやしていたら喰われてしまったヴェロニカ。
あんなところに放置するから……。
これはリーンブルムの能力なのか、喰ったものをコピーしてさきほどのように再現できるみたいですね。
ということは今後もハイヴェロニカを見られる……?! (期待)
それでなくともこのリーンブルム、煽り性能が非常に高く見ていておもしろいのでわりと気に入っております。
意外とあっさり帰ってくれるのですが、
「久しぶりに遊べたよ。ダンケルクに礼を言ってくれ。ああ、もう無理か? 失敬www失敬www」と言い残していくゲスっぷり。
いっそ清々しくなるくらいの一流の煽リストです。良いキャラしてる。
事も落ち着いたので、下僕ちゃん一行は中庭へ向かいます。
ほえ~~生きていたんだけど~~!
おまけに実はコイン亭の亭主だったというサプライズ付き。久しく見ていないので言われなければ気付けなかった……。
いろいろと語れない事情があるようで詳しいことは濁されましたが、おおよそ影武者を使って凌いだといったところでしょう。
公王が他国で店を営むなんて異常事態も暗殺回避のためとあらば分からなくも……いやでも他国避難はまだしも店を開く意味……。
細かいことはさておき。
今回の一件は、「息子の不慮の死により錯乱したダンケルクが王位簒奪を謀った」として片付けられることとなりました。
バーンハルト教団が勝手にやっていたこととはいえ、人を実験してアバリティアにしたわけですからね。そんなことが知れたら民衆からの暴動も必至。
国を動かすには嘘も必要という大人の事情です。
あとの諸々もすでに丸く収めたようなので、これにて一件落着!
数日後、ダンケルクの謀反を防いだ英雄として担ぎ上げられることとなったカーヴェインの式典が執り行われました。
誰よりも「ダンケルクも被害者」だと心を痛めているのに真逆の立場に就かされる不憫っぷり。闇堕ちしても文句は言えそうにない……。
その式典にて、
公王から受け賜わった褒美にはなにやら見覚えが。
そう、確か……
下僕ちゃんがシャルロットに借りていたペンダント。
シャルロットのものは汚れなのか模様なのか判別つきませんが、おおむねそっくりです。
てっきりバファリア神族関連のアイテムだと思っていたのですが、カーヴェインに渡す際に公王が「特別にあつらえた」と言っていたのでバーンハルト製っぽいですね。
ならシャルロットもバーンハルトの関係者でしょうか?
そんな伏線を残しつつ、ダンケルク編、終了!
一方その頃、天恵の聖堂では――
ティリスが喋った! (クララが立った的な)
アバリティアシェルから意識が分離し始めた兆候だそうです。
良い兆しではあるのですが、なぜそうなったのかがなるほど分からんどうして状態。
もともとアバリティアシェルとか惑星の獣関連の話がよく分からないので理解が追い付いていません……。
どちらかというと今回のダンケルク編みたいな話のほうが好きです。
犯人と辛い過去、元凶はバファリア教団ともバファリア神族とも言え、なんならすべてを誘導していたのは竜族だった?! みたいなミステリーというかサスペンスっぽさ。
あれだけ謎まみれだったのに、ほとんどの点と点が繋がって今では非常にスッキリしております。
惜しむらくは、なぜヨルクが実験台として選ばれたのかについてまったく言及がないことですね。
騎士団長の息子を選んでおいて穏便に事が運ぶわけもないことは想像に難くなく、それでもなお選んだからには何かしらの適正があったとか、誰でも良くない理由があったはず。
今後で明らかにして欲しい点です。
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