キミガシネ最終章前編Part61(Abルート)です。
最終章前編Part60(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
最後の選択
ミドリは「7」、ギンは「8」。
ギンを救うなら「7」を、ケイジを救うなら「8」を選ばなければなりません。
究極の2択です。
しかし私の心は既に決まっています。
何のためにここまで犠牲を払ってやってきたのか。
何のためにQタロウ、ケイジ、マイが仕掛けを施しておいてくれたのか。
それを考えれば一目瞭然。
目の前にぶら下げられた選択肢などあって無いようなもの。
ケイジさんが言うなら大丈夫さ!
大丈夫に違いない!
だから、
「7」!!!
ポチィ!!!
ドン!!
勝ち申した。
最初で最後の恐怖に染まるミドリの顔。
これを見るために今まで頑張ってきたと言っても過言ではない。
もてあそんだみんなの命の分までしっかり恐れおののけー!
後悔してもね……
時すでにお寿司なんですよ!!!! (ズバーンッ)
さようなら。
己の罪を抱いて眠れ(カッコいいセリフ)。
ドルルルルル。
長かったー!
ミドリとの長い闘いにようやく終止符が打たれました。
ダミーズの中で唯一生き残ったクルマダ。
まさかあれほど真っ先に死にそうになって何度も死ぬ死ぬ詐欺をしてきたクルマダが誰よりも長生きするだなんて一体誰が予想できたであろうか……。
生命力カンストしていそう。
アルジーからもしっかりと断言をいただきました。
後になって実は〜的な展開も無いとみて間違いないでしょう。
晴れてサラたちの勝利です。
さ、帰ろ帰ろ!
忘れていれば良かったのに。
ソウがケイジさんをかばっているだと……?
どうしても自分の手で殺したいからかばっているのか、少しは情が湧いたからかばっているのか……。
こういうとき大抵は後者なのですが、ソウという人物の曲者っぷりと、2回目のメインゲーム終了時にブチ切れて鬼のような殺意を向けられたことを思い出すたびに前者がチラついて仕方ない……。
どっちなんだ……本当に見分けがつかなくて困る。
ともかく処刑は阻止しなければ。
頑なに不正者を罰しようとするアルジーと、それに抗い立ちはだかるサラたち(クルマダとギンはまだヒツギの中)。
両者はジリジリと火花を散らしながら攻防を繰り広げます。
そんな緊迫した空気を打ち破ったのは、
Qタロウでした。
「全部話す」と言うQタロウの言葉に、アルジーも理解が追いついていないのか珍しく不思議そうな反応を示します。
するとなにやらカチャリといった機械的な音が聞こえ……
えっ
……え?!
(深呼吸)
な、ななななんだと……。
Qタロウは自らを「ハンナキーに用意された人形」だと告白しました。
人形……? Qタロウが? いやいやそんな……まさか……。うそだー! (現実逃避)
これについてはケイジも知らない事実だったようで、サラたちと同じく首を傾げます。
なぜならケイジが取った行動は、
ミシマではなくミドリの首輪?
ということは反論バトルでのミドリの推理はちゃんと当たっていたのですね。そこから先が読めなかっただけで。
ミドリも読めなかった真実。
それを今、Qタロウがポツポツと語り始めます。
ヒツギに首輪を入れたあと別行動を始めたQタロウたち。
ケイジが5階へ言っている間、Qタロウとマイは再び墓地へと戻っていました。
その理由は、とても悲しいもの。
Qタロウは限界だったのです。
マイに刺された傷が思った以上に深かったために。
必死に引き止めるマイの視線の先には、ヒツギの中で横たわるQタロウの姿。
ハンナキーに言われたのか、それとも自分の身体だからこそ自分が一番よく分かるからなのか、Qタロウは自らの身体が手遅れなことを悟っていました。
つまり、すべて覚悟の上。
当然その原因を作ってしまったマイとしてはそんな結果は受け入れられないものです。
なんとか思い直してもらおうとしますが、もはや時間もなく残りのやるべきことをマイにしてもらいたいQタロウの意思は揺るぎません。
だからひとりではない。自分がいなくてもできる。
そうQタロウは伝えます。
あぁなるほど……サラたちがようやく5Fから4Fに降りたとき、出会って早々にマイがIDカードを要求したのってそういう……。
IDカードを入手してAIコーリンでQタロウの人形を作るように指示されていたのですね。
あのときのマイが怪しすぎてすごく疑ってしまったのをよく覚えている……ごめんなさいいぃぃぃ……。
誰にも知られずにヒツギの中でひっそりと死のうとするQタロウを認めたくないマイ。
一方で、だからこそ「最高のカモフラージュ」だと息も絶え絶えに笑ってみせるQタロウ。
もう2人の意見が相容れることはないのでしょう。
最終的にはQタロウが強めの言葉でマイの背中を押し、その結果がサラたちの迎えた今に繋がりました。
本物のQタロウ。
ちょっとこれは……しんどいな。本当にしんどい。画面が見えない。
Qタロウもだし、そのことを唯一知っていながら普段どおりを振る舞って隠し通したマイも……。
マイのことは散々疑っていた私ですが、「宴」直前あたりから信用できるようになったのは、覚悟の表れを感じ取っていたからなのかもしれません。
うぅぅ……マイがQタロウを刺す前に戻って世界線を変えたい。今はそれしか考えられない。ツライヨ……。
ここでヒツギから解放されたギンとクルマダが表に出てきました。
とっくに……。
サラが同意書にサインしたあのとき、
ヒツギの中で焼かれていたのは、
本物のQタロウでした。
そして残酷なことに、
火葬中のヒツギからヒナコが声を聞いています。
つまりまだ生きていた。生きながら焼かれていた。
それならばもっと断末魔の叫びがあってもおかしくないのですが、これはもうQタロウが末恐ろしい根性で耐え忍んだとしか言いようがありません。
「最高のカモフラージュ」だと本人が言っていたとおり、ヒツギの中身を分からなくすることが最大の目的です。
「敵をあざむくには、まず味方から」とも言っていましたから、ミドリはもちろんのことサラたちにも叫び声でバレてしまうわけにはいきません。
だから地獄の苦しみの中で必死に声を抑えたのでしょう。
すべてはサラたちが勝つために。
ヒナコが耳にしたのは、その覚悟からほんのわずかに漏れ出た声。
本当に今こんな感じ。
せめて火葬前に亡くなっていれば……と思う反面、火葬がトドメを刺したことで「マイがQタロウを殺した」という事実が残らなくなったのは両者にとって救いな気もして……。
いやでもQタロウ目線だと生き地獄がツラすぎる。
もしQタロウ自身がそれすら見越したうえで火葬死を選んだのなら……もはや言葉が出ない。
泣きじゃくるギンをあやすQタロウ。
コピーになった今でも、ギンのためなら死んでもいい、と胸の内を語ります。
そんなQタロウが自らの幸運だと捉えたのは、「心が弱かった事」でした。
本音を言えば何度も揺れました。
全員を見捨てようと思ったことも。
それでもできなかったのは、心が弱かったから。
優しさなんかではなく、ただ折れてしまっただけだと言います。誰かを見殺しにしてでも生き残りたいという心が。
今のQタロウは、サラたちの力になれたことを幸せだと感じていました。
あれ?! Qタロウの目が……!
最後にそう言い残すと、Qタロウは完全に沈黙してしまいました。
アルジーいわく、人形たちはすべて電池切れしたそうです。
見計らったかのようなタイミングだな……。
それにしてもQタロウ人形は「宴」の直前に生み出されたわりに電池切れするのが早いですね。残量が少ないまま稼働していたのでしょうか。
身体が壊されていない分、充電すれば復活できるのは救いですね。充電させてもらえるかは別として。
「宴」に勝った報酬として2体フル充電分の電気をください。
ギン、ケイジ、ソウ、サラ。
生き残ったこの4名で優勝者を決める決勝戦を行うことが告げられました。
そんなものは知らないとばかりに「脱出してみせる」と楯突くサラ。
それを子供の些細な抵抗とばかりに軽くあしらうと、アルジーはこの場から去っていきました。
優勝者が決まるのが先か、脱出するのが先か。
限られた猶予の中で、4人がたどり着く未来は一体どうなるのでしょうか。
クルマダ! 生きとったんかワレ!
「すべて電池切れ」と聞いたからクルマダも停止したのかとばかり……。本当にしぶといな(褒め言葉)。
とはいえ、残された時間はそうあるわけでもなく。
クルマダもそれを察しているようで、遺言とばかりに最後の思いをサラたちへと託します。
自分を生き返してもらうことなど二の次。
クルマダらしい。
できることなら充電して一緒にカタキをとりたいですけれどね。
アルジーの口ぶりからして、決勝戦に進むのはあの4名=ほかは知らない、という感じなので見込み薄です。
「宴」を勝ち抜いたのに充電もしてもらえない、決勝戦の頭数にも入っていない。
ダミーズは勝とうが負けようが、最初から完全に「宴」用の捨て駒だったということですね。
人の心とかないんか!
ついにクルマダも沈黙。
散々死ぬ死ぬ詐欺をしてきたクルマダも、これで本当に動かなくなりました。
詐欺だと言ってよ、クルマダ……!
ダミーズと出会った頃は大所帯だったサラたちも、いまやたったの4人。すっかり寂しくなりました。
優勝者を決めるとなると、この中の3人が……死ぬ……?
考えられないし考えたくもない。
どうか脱出できますように。
最終章前編 終
最終章前編はここで終わりです。
本編の更新もここまでとなっているので、しばらくは更新待ちとなります。
最終章後編Part1(Abルート)はこちら↓
更新待ち中。