キミガシネ第二章前編Part21です。
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結果発表
嫌な予感
ロビー
扉の先は薄暗く、ほとんど何も見えません。
おそらくノエルは何か企んでいるでしょう。
それを分かっていながらも、ほかにサラたちに選択肢は残されていません。
覚悟を決めて先に進みます。
扉の先
そこには、ハンナキーとノエルが待ち構えていました。
全員がメダルを集めきったにも関わらず、何かをやらされそうな雰囲気を感じとったギンやQタロウやレコが口々に不満をあらわにします。
しかしノエルからは「サブゲームはまだ終わりじゃない」と告げられます。
あっ。
これは「信頼売買ゲーム」。信頼をメダルに置き換えたゲームなので「メダル売買ゲーム」でした。
クリアチップを10個集めることがクリア条件ゆえに、アトラクションがメインでメダル交換はおまけ感覚になっていましたけど、逆でしたね!
メダルなんて景品交換用アイテムくらいにしか認識していなかったわ……。アトラクションとかいうおまけの存在感が強すぎ。失敗すると死ぬし。
察しのいいソウとケイジはすぐさま状況を理解しました。
これまで交換して手に入れたメダルの数……厳密には『一度でも手にした他人のメダル』その総数をカウントされていたようです。
受け取った後に失ったメダルの数も総数にカウントされます。つまり、現時点で持っている必要は無いということ。
これは信頼をメダルに置き換えたゲームであり、他人の手に渡った枚数こそが重要なのだとノエルは言います。
当然、自分自身のメダルをいくら持っていてもカウントはされません。
ノエルは、他人のメダルをより多く手に入れた順に順位つけ、これからその発表を始めるためにサラたちに並ぶように指示しました。
一番信頼された優秀な人間にはある権利をプレゼントする、とだけ言うと内容には触れず早々と順位発表に移ります。
「栄えある第一位は……!」
セルフ効果音。
でしょうね、といったところ。200枚近くは持っていますもんね。
ノエルは記者の真似事をし、Qタロウにインタビューを始めます……が、当然ながらそんな悪ノリをしても相手にはされません。
それよりも、直接ある権利の対象となったQタロウはその内容のほうを気にしますが、「その説明は後」と流されます。
1位以外は賞品も無いからと、ノエルは残りの順位発表をサクサクと進めます。
これはひどいものを見た。
さ、気を取り直して。
まず上位3名が発表されます。上から順に、
カンナ
アリス
ソウ
接戦だったようです。
そうでなくともカンナとソウは交換しているでしょうし、後にアリスを含めたトライアングル交換もしていましたからね。
カンナとソウが50枚全部交換していたとして、その後アリスとのトライアングル交換(30枚くらい?)でアリスメダルをカンナが手にしたとすれば、80枚。
知らないところで他の人と交換している可能性を考慮しても150枚はいかないでしょう。
そもそも個人情報が見られる50枚をソウがまるまる交換するとも考えられず、そうなるともっと数は少ないはず。
ますます200枚近くも集めたQタロウの内訳が知りたくなってきますね。1人につき20枚はもらっていることになりますが……。
さて、順位発表の続きです。
ド真ん中(ノエルいわくド平凡)だった人は……
ケイジ
「意外と信頼された方だねー」なんて余裕を見せるケイジさんですが、その実、結構画策してメダルの交換をしているような気がします。
というのも、ケイジは極端に個人情報を見られることを恐れています。ならば、間接的に(他人を介して)50枚集められてしまうことを危惧してギリギリまでメダルを温存していたはずです。
出しても40枚まででしょう。
現に、ソウとパソコンで一悶着あった2日目の夜。ほとんど自分のメダルを残したままなことをソウに見抜かれていました。特に反論しなかったあたり図星だったのでしょう。
そのことから3日目に駆け込み交換したと読み取れます。
交換枚数もサラ相手に20枚を持ちかけているくらいなので、ほかの人だと10枚くらいでしょうか?
10枚なら、ケイジ以外から40枚(4人から)集めなければならず結構大変ですし、そもそも一番価値の無い自分のメダルを差し置いて他人(ケイジ)のメダルを手放してくれる人も少ないでしょう。
それを3日目……特に夜にやり切れば、誰かしらに個人情報を見られてしまう可能性を限りなく低くすることができ、それでいてある程度のメダル交換を成し得ます。
さすがはケイジさん、よく考えてらっしゃる。
残るは成績下位の者だけです。
ケイジさんと交換した20枚しか無いからね。仕方ないね。
そして最下位は……
ギン
ビリッケツの最低だったようです。
ですよねー。あげてばっかりでしたもん!
結局ギンは0枚で、誰からもメダルをもらわなかったようです。
こんなに躾の行き渡った良い子が目に入らぬか。
ノエルは成績上位陣を左に、成績下位陣を右に振り分けると、急に記念写真を撮ると言い出しました。
なんだか嫌な予感がするサラ。
「並んだねー! はい、ニッコリ笑って〜……」
カシャ
?!
フラッシュが焚かれたわずか一瞬の間に、Qタロウとギンが磔にされてしまいました!
ニャーちゃんが! ニャーちゃんが!
動きがとれなくなってしまったQタロウとギン。
ケイジが眉をひそめ「2人を離せ」と凄みますが、ノエルはまったく気に留めることなく笑って拒否します。
さらには緑の檻に閉じ込められる上位陣。
いきなりのことにノエルには抗議の声が飛び交います。
そう言うと……
サラたちのいた地面だけが高くせり上がりました。
それはもう画面外に飛び出すほど高く。
スーパーマリオブラザーズの天井裏に行ったときみたいになってる。
褒美とは。
劣等生だの3バカムスメだの揶揄しておいて、急に手のひら返しで「がんばったご褒美」と言われても……違和感しか抱けない。
がんばってないから成績下位なんですけどね?
特別に招待する鑑賞室とやらも、さぞかしVIP席なのだろうと思いきや、とても鑑賞というレベルの角度じゃないですしw
これが新手の嫌がらせか。高所恐怖症だと控えめに言って死ぬ。
立て続けに起きた出来事を処理しきれず混乱する一同に向けて、ノエルはルールの説明を始めると言い出しました。
えー? まだあるのー?
確かに今までのアトラクションが全部で9つという半端な数なので、最後にドーンと1つ用意されていてもおかしくないですが……
……ん? 最後のアトラクション?
というと……
これは『幸せのクモの糸』。
最後のアトラクションで、キミ達の命を救うだろう。
これ! すっかり忘れていたけど、ここで使うのか!
これで下まで降りる? (降りたところで……)
ひとまずルールを聞きましょう。
背中合わせに的にくくりつけられたQタロウとギン。
これからタイマーが発動します。
タイマーが0になると機械が作動し、最下位のギンを狙って毒針が発射されます。
その毒はリクトウオオサソリという生物が持つ、とても苦しんで死んでしまうほどに強力な毒のようです。
ギンはクリアチップを10個集めた(=サブゲームクリアの条件は満たしている)ことを主張しますが、その言い分はノエルに通りません。
誰からも信頼を得られなかった最下位の人間にペナルティを科すのは当然だと言い捨てられてしまいました。
サラからの抗議を笑って受け流すノエルでしたが、その処刑じみた内容に対する反発は多く、それに辟易した様子を見せると救済措置を提案しました。
最も信頼を集めた者が身代わりになると申し出るなら、助けてあげてもいい……と。
あ、これは無理(察)。
Qタロウの目の前にある赤いスイッチ。
それを押すと的が180度回転し、毒針の標的がQタロウに切り替わるようです。
なんというヤラセでしょうか。
- 最初からチラつかせていた権利の存在を急きょ決めたような救済措置にあてがう
- Qタロウもくくりつけられている
- 赤いスイッチが用意されている
どう考えても、元々それ込みのルールだったんじゃないですかー! やだー! 救済措置だなんて恩着せがましいー!
まさに不自由な自由というやつです。
そのままだと確実に死ぬギンと、ギンを助けるには自分が身代わりとなって死ぬしかないQタロウ。
青ざめる2人をよそに最後のアトラクションが始められます。
ストレートに死の宣告を受けている分、恐怖はQタロウの倍以上でしょう。
助けを求めたくなる気持ちは分かりますが、Qタロウ相手に直接求めるのは酷というもの。
「助けて」と連呼すればするほど「お前が死ね」と連呼しているようなものですからね。
確かに今までの2人の行動を鑑みるとギンに肩入れしたくなるところですが、Qタロウの立場を考えると結構難しいものです。
死の身代わりスイッチなんて、とても押せたものではありませんしね……。しかも出会って間もない関係性の人のためとなると余計に。
どれだけ追い詰められてもQタロウはスイッチを押さない気がします。もちろん押せない気持ちもありますが、最終的には押さない気持ちが勝りそう。
第二章前編Part21はここまで
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