
祝福してくれるあなたにこそ祝福を。
そよ風に乗って

ここからサイキの視点に。
おそらく心の中? みたいなところで、過去の人生を走馬灯のように振り返っていきます。
これがまた悲しいのなんので、生まれた瞬間からそれは始まっていました。

サイキの誕生を純粋に喜ぶ母親と、一方で不安を吐露する父親。
「この世に生まれてきて幸せなのか不幸なのか」
カロン族への風当たりの強い世の中ですから、そこで生きていく未来を考えれば考えるほど手放しでは喜べないのかもしれません。
父親の発言に対するサイキの一言にすべてが詰まっています。
「私たちは祝福されて、生まれてきたわけじゃないから」
望まれない命のカロン族。
なんて悲しい人生のスタート……。
ゆりかごのほこりを払って、次の部屋へ。

幼少期にサイキと仲良くしていたソラ族の女の子が住む家です。
女の子はサイキと積み木で遊ぼうとしていましたが、親はカロン族を汚い連中と罵り接触することを許しませんでした。
積み木も「穢れた」と言って処分させようとするほどに。
散らばった積み木を積み上げます。
この積み木、

思ったより特殊な造形でした。
大きさの時点でだいぶ特殊ではありますが。私の想像していた積み木の100倍はデカかった。
でもあの女の子の親がサイキ型の積み木を特注するわけがないので、このあたりは今のサイキの心を反映していると考えたほうがしっくりきますね。
積み上がれば仲良しの女の子とサイキ。
それをぶち壊す女の子の親。
サイキは当時のことを、戸惑って、悔しくて、一晩中お風呂で血が出るまで体を洗ったと語りました。
痛々しくも悲しい思い出。

次の部屋では、サイキが兵士に罪を疑われているシーン。
ネックレスを盗んで植木鉢の中に隠したと疑われていました。
身の潔白を証明したければ、サイキ自身で店の植木鉢をひとつずつ壊せと命じられます。
サイキが盗みを働くわけがないので、実質的に花屋にある植木鉢をすべて壊せと言われているのと同義です。身の潔白が証明できてもお店に残るダメージが甚大。
両親はサイキを信じているので冤罪を主張しますが、その声が届くようならカロン族はここまで苦労しないわけで。
百歩譲って勘違いであればまだマシなほうで、最悪なのは嫌がらせor憂さ晴らしな場合。その可能性がわりと高いと思えてしまうのがこの世界の嫌なところ。
こんな理不尽な扱いを受けるのも、すべては生まれながらにして「悪魔の子」だから。
と、今のサイキがぽつりと語ります。
こんな目に遭ってもグレなかったなんて聖母すぎる。

シャッシャッ
いわれなき罪状に線を引いて消してやりました。

次の部屋は、再びサイキの家です。
見るからに空気がどんより。それもそのはず、サイキの穢蝕が発覚した日です。
運命の残酷さに嘆く両親がサイキにしてあげられる最後のことは、ヘンリックを頼ることだけ。
母親の涙をそっと拭って、次の部屋へ……。

ヒュプノスの家にて。
まだサイキとの交友が浅い時期のエリーザは、いま以上に心を閉ざしていました。
もともと合理主義に近い考えの彼女にとって、「花をもらう」行為は何かが変わるわけでもない意味のないこと。
にも関わらず、それでもサイキは毎日花を渡してくる。そのことにエリーザは、珍しく語気を強めて愚痴るほど苛立ちを募らせていました。
直接的なシーンこそないですが、花びらがバラバラになっている原因はそこにあるのでしょう。
そんな彼女が「お花のお礼を言いそびれた」と後悔するまでになったのですから、サイキの存在は確実にエリーザに良い影響をもたらしたことがうかがえます。

花を修復します。
こんなことができるのも心の中の特権。
嫌な思い出なんて、いくらでも良い思い出に塗り替えてしまえばいいのだ。
過去巡りも終わり。
その終点では、

諸悪の根源である「穢蝕」が待ち構えていました(以下、穢蝕サイキ)。
サイキを責め立て抗う気力を失わせ、穢蝕として完全に取り込もうとしてきます。
穢蝕サイキの死はサイキの死。でもサイキの死は穢蝕サイキの死には繋がらず、乗っ取られて終わり。
どっちに転んでもサイキだけ詰んでいる……。
ここで主導権を握りたい穢蝕サイキとバトルです。

ほぼイジメ。
こちらの火力はとろ火、むこうは一撃でごっそり削る鬼強火。おまけに必殺技がロックされていて使えません。
ははーん……これは負けイベだな?
と、思っているうちに負けました。
すべてを諦めて座り込むサイキに、穢蝕サイキがトドメを刺します。

ヒーローは遅れてやってくるー!
といってもここはサイキの意識下なので、厳密にはヴィータの声が届いたという意味の表現でしょうね。
ただ、穢蝕サイキのトドメを弾き返したっぽい演出があるのは……どういうことだろう。レゾナンスはそこまで干渉できるのかな?
長居はできないようでヴィータの幻影? はすぐ消えてしまいました。
が、効果は絶大! サイキの背中を押すには十分でした。
再び立ち上がったサイキのリベンジバトルです!

なんか弾幕ゲー始まった。
背中を押されてから急に空を飛べるようになり、ピチュンピチュンが撃てる必殺技の無限使用モードみたいな状態で操作できるようになりました。
結局サイキの空を飛ぶ能力はなんなのでしょう? 覚醒に成功したら能力に目覚めて、失敗したら穢蝕になると解釈していたのですが……。
今回のバトルは自分の意識下でのことなので気の持ちようでどうとでもなるとして、すでに現実世界のほうで晶嗜獣とのバトルにおいて能力が使えたのが今でも不思議なんですよね。
もしかして、「覚醒に失敗=能力の発現もない」という認識が間違っているのでしょうか。覚醒した時点で誰しもが能力の発現はしていて、それプラスで穢蝕になっていたら失敗扱いとか?
そうでもないとサイキの能力の説明がつかなくてモヤモヤ……。
バトルは終始ピチュンピチュン撃ちっぱなしで弾幕を避けるだけ。3Dで東方をしている気分になれました。
こんな決着のつけ方でいいのか、と多少不安になりつつもピチュンピチュンを制したものがこの世(身体)を制す。
というわけで、制したサイキの勝ちです!
過去に受けたたくさんの痛み、苦しみ、憎しみ。
いつもあんなに笑顔でもそれらが平気であったはずがなく、疲れて、悲しんで。

それがサイキの選択。
世界が嫌いだったなら、きっとあのまま穢蝕を受け入れていた。
世界が好きだったから、穢蝕とともに滅ぶことを受け入れた。
サイキはどこまでも優しい人。
そんな人につらい思いをさせ続けた世の中が恨めしい。

穢蝕サイキに打ち勝ったことで、サイキの意識が表に出てきました。
「一緒に帰ろう」「みんなが待ってる」と花を差し出しますが、サイキの身体は致命傷を負っていてそれは叶いそうもありません。
ヴィータはヴィータでサイキの想いに報いる(人を傷つけさせない)ために手加減はしなかったでしょうし、最終的に穢蝕サイキを葬る(自分も死ぬ)選択をしたのはサイキ自身です。
それだけサイキにとって「穢獣となった自分」は死んだも同然であり、その状態で生かされる方がよほど不本意なこと。
これは避けようのない未来でした。

花のある場所には幸運が訪れる。
「お花を持っていればいいことがある」と花を配ってまわっていたサイキの信条です。
サイキが花を好きな理由は、花の種は風に乗って遠くまで行けるからでした。城壁や山も越えて、そこに邪魔をするものは何もない。
アイスレイク城という鳥かごの中でしか生きてこられなかったサイキの憧れが、そこに詰まっていたんですね。

「最後」…………。なんでも聞くよ! 言ってごらん!
と、じっと待っていたら、
おもむろに現れるサイキの背後に狙いを定めた銃口。
寸前でそれに気付いたヴィータが庇って弾は外れたものの、

えっ。
今ので力尽きた……?
咄嗟に庇えば衝撃もそれなりにあるとはいえ……そんな……。
というか最後のお願い聞けなかったんですけど?! おぃぃぃどうしてくれるんだ狙撃野郎! 出てこい、ミンチにしてやる! (過激派)

かわいい人が出てきた。
狙撃したのは彼女ではなく兵士(声色からしておそらく女)ですが、この場にはいなさそう。
怒りをぶちまけてやりたかったのですが、リズムはヴィータたちが危険に晒されていると思い救うべくとった行動だと知り、怒りの矛先を見失ってしまいました……。
確かに部外者からしたら穢蝕者に襲われている市民の図にしか見えないでしょうし。
ところが偵察した兵士はヴィータが魔法を使うのを見ていたようで、あらぬ疑いをかけてきました。

アンチカロン族の過激派っぷりを盛大に自己紹介。
リズムは角があるのでカロン族と思われますが……よくその上司を前にして言えたものだな、と。たぶん熱が入ると止まらなくなるタイプ。
そもそも処分に値する根拠もペラペラで、私怨あるいは偏見で処分したいだけなのが丸分かりです。
さすがにリズムから無言の圧を受けて縮こまっていました。
この圧はカロン族としてというより、一般的な観念からみたいです。

リズムは種族で区別するのではなく、善人か悪人かで判断する真っ当な考えの持ち主。
ヴィータたちに処分は不要と判断してくれました。できる上司だ!
反面、生真面目オーラ全開なのでモメると非常にめんどくさそうでもあります。気を付けよう。

既に弱りきっていたサイキを見たリズムは、ヴィータたちを「穢蝕者を倒した月狩り人」だと認識を改め(一方的に)、感謝するとともに報酬まで用意してくれる手厚い対応を見せてくれます。
が、穢蝕者に対しては淡々とかつ事務的な側面も。
これにはヴィータもガチギレ。

確かに「処分」という表現はだいぶ不愉快です。
サイキは人混みを避けるために必死に城外へ逃げ、最後の瞬間まで命懸けで頑張ってみんなのためにできることをしたというのに。
しかし2人の置かれている状況はまったく違うので、そこは考慮しなければなりません。
ヴィータからすれば大切な友達でも、リズムからすれば危険な処分対象でしかないですからね。
……さすがにヴィータの反応からして「穢蝕者が親族や友人だったのかも」と察するくらいはあってもいい気はしますが、いかんせんリズムさん頭が固そう。
なにせサイキの行動(人混みを避けた、最後まで命懸けで頑張った)を伝えたうえで、「処分」という表現に苦言を呈しているのに、

まるで伝わっていない。
一周まわって煽りに聞こえてくるレベル。
でもこれで本当に疑問に思っているのだから、やはり生真面目の相手は厄介だ……。
感情的になっているヴィータは詳細の説明もせずに噛みつき、リズムは察し能力が低く淡々と仕事をこなそうとするばかりで、まったく噛み合わない2人。
ここでアウトサイダーが仲裁に入ります。

知り合ってて良かったアウトサイダー。本当に頼りになる。
しかしここで気になる選択肢が登場します。
→口をつぐむ
→話を続ける
大きく違った反応が見られそうで悩ましい選択肢。
流れ的にはアウトサイダーに従って口をつぐむ一択です。仮にも相手は帝国軍なので、ここで変にモメても困りますからね。
ただ、このままサイキが事務的に処分されるのは嫌だし、察しが悪いといえど少しはリズムにこちらの心情を理解して欲しい気持ちがあるのも確か。
ということで、アウトサイダーには悪いと思いつつ話を続けてみました。

穢蝕から街の人たちを守ったサイキは兵士が処分するゴミなんかじゃないぞ!
と、静かながらとても熱い怒りを見せるヴィータが見られました。
こんなことを言えば「穢獣を庇う」発言として当然兵士からは怪しまれます。
連行して取り調べられそうになりましたが、それはリズムが却下。
その理由が、

コレ。
ここのリズム、何が言いたいのか妙に分かりづらいです。
ヴィータ
「サイキは良い子。私が弔う」←わかる
兵士
「穢獣を庇うこいつ怪しい連行しよう」←わかる
リズム
「連行必要ない。カロン族は水葬する」←???
水葬だから問題ない、とするならまずその根拠を説明して欲しいですがそれは無し。
おそらくはニヴルヘイムに~という宗教的な考えがあるから、自分たちで弔いたがっていても全然怪しい言動ではないよ、と言いたいのかなと推測します。
さすがに言葉足らずでは……会話になっていない気がします。リズムらしいといえばらしいですが……。
ともあれ、水葬発言だけ残すとリズムたちはあっさりと退いていきました。

サイキに渡せなかった花を弔うように湖に流すヴィータ。
あれだけ「私が弔う」と言い切ったのに、あのあとサイキを水葬するシーンが無かったのには肩透かしを食らいました……。
1ルートしかないストーリーの選択肢による分岐には限界があるので仕方ないですけれどね。ちょっとガッカリ。
サイキ、安らかに……。
さて、少し危なっかしい行動をしていたヴィータにも怒らず慰めてくれる聖人アウトサイダーから、ひとつだけ忠告があります。

サイキが自我を取り戻したのは結構すごいことだったんですね。
そしてそれができたのは、ほかでもないヴィータの魔法「レゾナンス」。
サイキの心の中に一瞬だけ現れたヴィータの幻影がソレです。
察しの良いアウトサイダーはすべて見抜いていました。さすが。

その話、知ってる!
ランディーとシビルの会話でそんなこと言っていました!
レゾナンス持ちが帝国を血に染めるまでは分かるのですが、そこからどうやって広場で処刑されるまでに至るのか……そこがまったく見当もつきません。人質でも取られたのかな。
ともかく帝国が危険視するレゾナンスは軽率に使わないほうがいい、とのことでした。

本当に良い先生だアウトサイダー。
出会っていなかったらヴィータちゃん速攻で帝国に捕まっているよ。わりと無鉄砲なところがあるし。
ただこのあとに「たとえ俺たちが……この世界に欺かれたとしても……」と続けるのがこわい。
その一言で急に暗雲が立ち込めました。欺かれるのかな……やだな……。
大きな別れを経て、眠れない夜となりました。
寝付けないヴィータの足は、おのずとサイキを送った湖の側にある雪解けの洞窟へ。

先客がいました。
リズムはニヴルヘイムと言っていたのですが、ニフル夫人はニブルヘイム?
名前も似ていて、かつ導き手とあらばニブルヘイムのほうが正しそう。リズムは発音が良すぎたのかもしれない。
ニフル夫人は、ここで彷徨う魂=サイキの魂のささやきを聞いてニブルヘイムに導くためにここへ来ていました。
魂の思いを見られる能力があったり、本当に長い時を生きてきたとのことなので、だいぶ普通から超越した人物という感じ。
ニフル夫人によると、悔しさや怒りを抱いて去っていく魂はたくさんあれど、サイキの魂はそれらとは違い、感謝と祝福を語っていたようです。
それはヴィータに残した最後のメッセージなのかもしれない、と。
サイキが安らかそうでなによりだ……。
そんな魂の行き着く先、ニブルヘイム。それはカロン族の生命の源であり、安らぎの地。
亡き人の魂はニブルヘイムへと帰り、生きる者の魂はそこから生まれる。命は、こうして果てしなく循環しているそうです。
生と死の循環は逆らえない世界の掟であり、人間の力では絶対に変えられないもの。
しかしヴィータなら。掟さえも変えられるほどの力を得ることができたら、

つまりサイキと再会できる可能性が?
聞けなかった「最後のお願い」を再会したときに聞けるのかも……!
淡い希望だけ残して、ニフル夫人は忽然と姿を消してしまいました。
すべてにおいて只者じゃなさすぎる。
アイスレイク城へと帰ってきました。
街中を歩いていると、

暴漢に襲われた!
ひどい! なんの恨みが!
と思っている間もなく、トドメを刺され

……かけたところで、救世主カミラさんによって救われました!
こう見えて小刀片手にバリバリアクションして、あの暴漢を蹴飛ばすカミラさん。つよい。
暴漢は逃げていきましたが一体……。

久しぶりにやってきました精神世界(仮)。
相変わらず小説みたいな語り口で全然入ってこない。
とりあえず分かったのは、半身くんも自分の旅に出るそうです。
元気でな!
最後に名前を聞くと、

ここで「夢の中の人」の外見を選ぶことに!
精神世界ではなくて夢で、半身くんは夢の中の人だったのか。そしてモルスという名前だったらしい(デフォルトネーム)。
ここからはそのモルス主人公での物語が始まるっぽいです。
半身くんは明らかに雰囲気もボイスも男でしたし、デフォルトネームのモルスも男のほうが似合いそう。
流れ的にも男主人公でいくのがぴったりです。
ということで、

女主人公でいきます!!!
まるで包帯をはずしたヴィータちゃんの顔、それがもうかわいすぎて。
かわいいは正義だから仕方ない。
そんなわけで、ヴィータ主人公の「夜の航海」篇は一旦終了。
次からは、モルス主人公の「黄昏の碇泊」篇を始めます。
その前に。
特別サブクエスト「飼ってもいい?」に寄り道。

ジェネモンハンターハンターことトリュフのお話の続きです。
ジェネモンハンターの拠点をみんなでぶっ潰し、助けたジェネモンは人々と共存して大団円!
ジェネモンの安全を見届けたトリュフは帰ってしまうことに。

どういうところかまったく知らないのに、すごく「っぽさ」を感じる。
エリュシオン礼賛会は、帝国と絶賛戦争中のところだそうです。
敵国からよく無事に来られたな……と思わずにいられませんが、どうやらヘーゼルナッツと食べ物を探していると、たまに見張りのいない山を越えて来ることがあるのだとか。なんというザル警備。
本編に出てこないのでトリュフとはこういうサブクエストの形でしか会えないのかと思っていましたが、エリュシオン礼賛会が関係するお話になれば本編でも会えそうですね。
ヘーゼルナッツ元気でな! しっかり肥えろよ!
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