キミガシネ第二章後編Part15(Aルート)です。
第二章後編Part14(Aルート)はこちら↓
交換フェイズ
笑み
施設の出口
待っていたのは……
一面の岩壁でした。
ピクトさんらしきものが描かれた非常口の看板っぽいものが添えられてはいますが、これが出口とはとても……。
まるで土砂崩れの起きた後のような惨状です。
セキュリティは確かに無効にしました。
しかし、肝心の扉が無ければそれも意味を成しません。
サラの口から乾いた笑いが漏れ出ます。
希望は、無かった。
皆一様に絶望し、さきほどまでの和やかな空気は影も形もありません。
「ウソではありません」
外部から爆破し、物理的なフタをしていたのだとガシューは説明します。
それもデスゲームが始まるより、もっと前に。
アリスが怒りをあらわにすると、
ガシューは拳銃を突きつけて警告しました。
とはいえ、進んで暴力を振るいたいわけではないようで、強行手段に出たりすることはありません。
その代わり、ただ無情な言葉を連ねます。
夢を見るのは終わりにしましょう、と。
勝者に道が開くのなら、開ける方法は必ずどこかにあるはずですが……。
残り時間はあとわずか……そう告げると、ガシューはサラたちを連れ戻すでもなく、ひとり先に来た道を戻って行きました。
すべてが終わった……。
残ったのは……
このカードだけ……。
希望を持っては砕かれて、それをいったい何度繰り返せば気が済むのか。
「現実と向かい合う時間だぜ。いつだって……選択はひとつだ。お前は……どっちを選ぶんだ?」
幻影のジョーってあのミニゲームで消えたんじゃなかったの……?
【選択肢】
→みんなに託して死を受け入れる
→みんなをだましてでも生き延びる
簡単に死を受け入れて主人公が務まるかってんですよ。
サラは生き延びる!
「それが、お前の選択か……。がんばれよ……」
……応援してくれた?
気付けば、みんなそれぞれ別行動を始めていました。
最後の猶予を、有意義に使うために。
サラも探索を開始します。
ピクトさんらしきものは、やはり非常口の看板です。そのことから、岩の下に扉があるのは確かでしょう。
Qタロウは相変わらず気を失ったまま。
ケイジは岩を撤去していました。
「諦めきれなくてねー……」
頼りになるケイジさん。体力担当はケイジ、アリス、Qタロウしかいませんからね。
一番頼りになりそうなQタロウは、こんなときに限っておねんね中ですし……。
アリスも手伝ってくれれば……と思った矢先、良いタイミングでアリスがやってきました。
しかし、来るなりケイジをなじります。
確かに重機が欲しいところです。あんな位置で岩の撤去をしていたら、土砂崩れに巻き込まれかねません。
アリスは、ケイジのことを救いようのないバカだと貶しながらも……
共にガレキの撤去をし始めました。
素直じゃないヤツめ!
しかし2人掛かりになったところで、人間の腕力でどうにかなる次元でもなければ、圧倒的に時間が足りないのは明白です。
何か手はないのか……。
一度、勝者の間に戻ってみます。
勝者の間
いつの間にやら机の上に、もしもしボックスが設置されていました。
メダルがあれば使えたのに……とサラは悔やみます。
ソウへと目を向けると、無我夢中でパソコンをいじり続けていました。
諦めず奮闘しているんでしょうか?
【選択肢】
→声をかける
→やめる
「私達を……助けて……下さい」
無意識に助けを求める言葉が、サラの口から漏れました。
あまりにも自分の力では出来ることが無くて。
唯一何かできるなら……それはソウだけです。
そのソウは、時間の足りなさに苦悶の表情を浮かべます。
あと1時間でもあれば……と。
それって違反者バレしたら死ぬやつでは……。
ハッキング関連はソウに任せるほかありません。
サラは、まだ見当たらないメンバーを探しに行きます。
階段
階段にナオが座り込んでいました。
全部終わり……とナオはつぶやきます。
もはや動く力も失ってしまったほどに、絶望しきっていました。
今のサラには、かける言葉が見つかりません。
とりあえずナオのことは、そっとしておきましょう。
ところで、残るギンとカンナが見当たりません。どこへ行ったのでしょうか。
勝者の間に戻ってみてもいません。
施設の出口に戻ってみてもいません。
あれ……これどうすればいいんだ……? と悩みながら、再び階段を訪れると……
ナオがいなくなっている!
いったいどこへ……?!
心配していると、代わりに駆け寄ってくるひとつの影。
ギンくんいた! 偵察ご苦労であった!
【選択肢】
→何か見つけたか?
→何のために?
何か見つけたかな?
サラの質問に、出口とかはどこにも……と申し訳なさそうに言い淀むギン。
スマートフォン?
みんなが持っているのはタブレット。スマートフォンというと、カンナの姉のやつしか心当たりがありません。
ほかの人が最初の試練で渡されたスマートフォンを持ったままだったという可能性もありますが……。
しかし来る時はそんなもの落ちていませんでした。
スマートフォンとなるとポイッと落としたのでは音でバレてしまいますし、かといって丁寧に階段に置けば一目瞭然でバレてしまいます。
ついさきほど置かれたもの、または、ついさきほど落としてしまったもの、と考えるのが妥当でしょう。
そうなると出口からすぐいなくなった人に限られます。ギン、ナオ、カンナ、ソウのうち誰か。
置いたのか落としたのかで考え方も変わってきますし、中身を見られるのならば見ちゃったほうが早いですが……(配布されたスマートフォンでしょうし)。
そのとき。
突如、あの通知音が響き渡ります。
身代がサラに来てから、本人が何もしていないのに2回目の交換です。
よほど賢者が嫌われているのか? でもそれなら、最初の方で交換頻度がもっとあってもおかしくない。
サラはタブレットを確認します。
やはり身代。
何も変わ……
った?!
そんなバカな! 誰かの善意?!
ここから一番近いもしもしボックスが置いてある場所は、勝者の間。
しかし勝者の間にはソウが居座っていました。ただでさえ人の前で交換しにくいカードをよりによってソウの前でするとは考えられません。
ソウが移動したなら話は別ですが、あの雰囲気だととても移動するようには見えませんでした。
この役職の変更がソウのハッキングならいいのですが、そうでないなら……ナオかカンナでしょうね。
どちらかが階段を降りて別のもしもしボックスを使いに行った可能性が高いです。
まさか絶望しきったナオが……。
……あれ? でもナオはサラが身代を引いたことを知らないはず。パソコン共有会のときにいませんでしたもんね。
ナオ自身が身代を引いていて、サラと交換していたとなると話は別ですが……。
カンナは当然、サラが身代なことに気付いてますよアピールをしていたくらいなので、意図的にやることは可能です。
↑気付いてますよアピール。
落ちていたスマートフォンも気になりますし、もしカンナが遺言を書いて置いたのだとしたら……全米が泣く。
……すっかり忘れていましたけど、勝者の間にいたソウ自身が交換した可能性も一応……ないな(閉廷)。
謎が残る交換ですが、とにもかくにも、ここにきて身代から解放されるという予想外の展開となりました。
ついタブレットに見入ってしまったサラに、ギンがおそるおそる声をかけます。
えぇ……サラ笑ってたの……。
確かに安堵はしますけど、これまでの心労とこれからそれを味わう誰かのことを考えるととても笑う気にはなれませんけどね……。
ましてや押し付けたのではなく、承知の上で犠牲を引き受けてくれた可能性もあるのに……。
まぁ、正直サラは最初からこういうところが垣間見えてはいました。
↑最後の方、酒場でジョーと会話していたときの、「私が 死なない ためにも」。
レコの遺体からメダルを剥ぎ取ろうとした点も含め、窮地に立つと自己保身への貪欲さが際立つというか。
保身自体は動物の本能なので人間的な一面の描写として受け取ることもできますが、今回の笑みについてはちょっと擁護できない……。
サラも大概、いわくつきです。
ギンから受ける恐怖の視線に慌てたサラは、なんでもない、と取り繕いました。
話題を変えるように、さきほどのスマートフォンの話に触れます。
すると、
突然、ギンが固まってしまいました。
声をかけても一切の反応がありません。
まるで電源を落とされた人形のよう。
ギンの心配をするサラにも異変は襲ってきます。
首に走る激痛。
それを認識した頃には、ギンの後を追うように意識を失ってしまいました。
?!
「もう……ボクは…………」
どうにか助けられないかと声を荒らげるQタロウ。
この出血ではどうすることもできない、とお手上げ状態のミシマ。
懸命にソウに声をかけるサラ。
これはもしやループもの……? ソウが梨花ちゃん(ひぐらしのなく頃に)的な立場だったりして。
メインゲーム
衝突
最後の晩餐ルーム
何か夢を見ていた気がしながら、ぼんやりとした頭でサラは起き上がります。
そこは既視感のある部屋でした。
メインゲームの参加者の為に用意された控室『最後の晩餐ルーム』。
ただし、モニターにあるのはホエミーではなくガシューの姿です。
このガシュー……顔に笑ってしまうw 口周り「>o<」になってるw
なんかどこかで見たことある顔だな〜と考えに考えた末……
思い出した! 低燃費少女ハイジ!
さておき。
2度目とあって詳しい説明は省くガシューですが、一点だけ注意を喚起しました。
あ、(たぶん)Qタロウの……!
電子パッドには指紋認証機能が付いており、他者は悪用できないようになっているとはいえ、自分の役職が確認できないのは一方的な不利。
そのため、該当者には予備の電子パッドが机に置かれているそうです。
本当にQタロウの電子パッドなんですかね〜? 電子パッドをすり替えてどうするのという話ですけれども。
それか電子パッドは本人のもので、気絶させた犯人の目的はメダルだったのかも。Qタロウはたくさん持っていますからね。
さて、そろそろ腹をくくらねばなりません。
ガシューはメインゲームの説明を始めます。
といっても人数が11人から8人になっただけで、内容は1回目と完全に同じ。
詳しいルールはこちら↓
最多票が複数いた場合、
・身代がいれば身代の勝利
・鍵番がいれば全滅
と、なります。
身代と鍵番が両方いた場合、
・鍵番が優先され全滅
です。
とにかく鍵番は選ぶなってことですね。
突如としてモニターが砂嵐に!
数秒して、すぐさまモニターには映像が戻ります。
しかし、そこにはガシューの姿は無く、
ホエミー!
なんかすごくブチ切れてる!
「大変な事をしてくれたな……!」と、声を荒らげるホエミー。
ずいぶんとガシューにお怒りのようです。
ガシューが不正?
メインゲームの根っこを揺るがすって相当ですね。何をしでかしたんでしょう。
ホエミーは、ガシューがメインゲームを私物化する気でいると疑ってかかりますが、
再びモニターは砂嵐に。
戻った映像には、
ガシューが復活しました。
何食わぬ顔で、メインゲーム会場への移動を促すガシュー。
今のやりとりは気になるところですが、おとなしくメインゲーム会場へと向かいます。
メインゲーム会場
見覚えのある奇妙な机が並んでいます。
早速ケイジが、続いてギン、アリス、ソウ、カンナ、ナオの順でやってきました。
Qタロウ……。
ガシューも現れ、すかさずアリスはホエミーの言っていた不正について問いただします。
当然、素直に話すわけもありません。なんのことやら、ととぼけられます。
サラは、サイフが無くなっていたあの件のことが不正行為だったんじゃないかと問い詰めますが、ガシューは不思議そうに首を傾げるだけ。
反応から見るに、サイフの件にガシューは関わっていないようです。
「仮に発覚すれば、処置をいたしましょう」
確かに。
【選択肢】
→ホエミーを呼べ
→ハンナキーを呼べ
この状況でホエミーを呼んだら場が荒れるw
……いや、そのほうがおもしろいか(悪い考え)。
ホエミーを呼ぶよう要求するも、ホエミーは1Fと2Fのフロアマスターだからできない、と拒否されてしまいました。
そこへケイジが「なら、ハンナキーを呼びなよ」と口を挟みます。
フロアを理由にするのなら、3Fのフロアマスターであるハンナキーを拒否する理由にはなりませんからね!
ガシューも観念し、それで気が済むのであれば、とハンナキーの介入を認めます。
メインゲーム会場にハンナキーが現れました。
おもむろにガシューは「ククク……」と笑い出します。
癪に障るその態度に、アリスが食ってかかるのも無理ありません。
「嬉しいのですよ……」
あ、はい、そうですか。最近、寒いですね。
ガシューがメインゲーム開始の合図を言いかけたそのとき。
「待ってくれ!!」
こ、この声は……!
おはよう。
この感じだとついさっき起きたみたいですが、起きなければそのまま遅刻扱いでペナルティ死ですよね。さすがに乱暴すぎるのでは……。
メインゲームを始めるからには、ちゃんと全員の意識があるうえで説明を行って欲しいものです。
改めて、ガシューからメインゲーム開始の合図が告げられます。
おお、不気味感マシマシでグレードアップしました。
非常に重い空気が場を支配しています。
誰もが話し出せずにいる状況を見かねたソウが、黙ってても時が過ぎるだけ、と指摘します。
「……大丈夫、一度は通った道じゃないか」
ソウの言葉に、あの時と今じゃ全然違う、とQタロウが言い返します。
そう言われてはQタロウも何も言い返せません。
「覚悟を決めよう」と、ケイジに諭されます。
1回目のメインゲームでそう言い出したのは、ほかでもないQタロウ自身なのだから。
1回目のメインゲームのように、絵柄の知識で判断することができないようにとの対策です。
それだけ告げると、ガシューは静かにイスに座りました。
ガシューはとっくに開始の合図はしているんですが、イスに座ったタイミングが本当の開始なんでしょうか?
でないと、貴重な議論の時間にルールブックの説明を挟んでくることに腹立たしさを覚えますよw それ最後の晩餐ルームで言えよ、と。
1回目のときも始まる前はわちゃわちゃしましたけど、ここの組織、メインゲーム始めるの下手なんじゃなかろうかw
第二章後編Part15(Aルート)はここまで
第ニ章後編Part16(Aルート)はこちら↓