キミガシネ第一章後編Part4です。
第一章後編Part3はこちら↓
メインゲーム
〜序章〜
最後の晩餐ルーム
サラが目覚めると、そこは豪勢な料理が乗ったテーブルとモニターだけが存在する空間でした。
モニターには録画されたらしきホエミーが淡々と説明を始めます。
この部屋はメインゲームの参加者の為に用意された控室『最後の晩餐ルーム』。
つまり、赤いドアの先を進んだ時点でメインゲームへの参加が決まってしまっていました。
メインゲームを無事にクリアできれば次のフロアへと進むことができるようです。
また、メインゲームが始まっても控室を出ない場合、ペナルティとして死が与えられるため、当然と言うべきかほぼ強制参加です。
以上を踏まえた上で、メインゲームのルール説明が行われます。それにあたり、探索の際に手に入れたカードが何か関係あるようです。
【ルール説明】
『多数決で1名を選出し、その者が死ぬ。基本は至ってシンプルなゲーム。
多数決は2度に分けて行われます。
現在11名いるので、5名が候補者へ。
候補者に残らなかった者も投票自体には最後まで参加させられます。しっかり自分たちの意志で殺してもらうために。
しかしこのゲームには穴があり、ジャンケン等で公平に犠牲者を決定するといった事がまかり通ってしまいます。
そんな意志無き運ゲーへの対策として、意味を持ってくるのがカードの存在。
カードには4種類の役職あります。
逆を言えば、選ばれなければ死にます。
その代わり身代には投票権が2票与えられる上、勝てば好きな人1名と一緒に生きて脱出することが可能です。その他の者は全滅します。
鍵番、賢者、身代が1枚ずつ。
他はすべて平民。
鍵番が犠牲者→全滅
賢者が犠牲者→賢者と身代が死亡
平民が犠牲者→該当の平民と身代が死亡
身代が犠牲者→身代と好きな人1名以外が全滅
つまり、最低でも2名が死ぬのは確定です』
以上がメインゲームのルール。
……これ、身代だけ難易度が高過ぎません?
自分以外はみんな敵。
一緒の脱出を考えているくらい懇意な相手であればあるほど相手は自分を犠牲者に選ぼうとはしないため、思惑とはすれ違い敵となる(身代と気付いてもらえない限り)。
おまけに負けても死亡、勝ってもその他大勢が大量死の絶望ENDしか無い。身代だけ桁違いにかわいそう過ぎる……。
なにこのハードモード。
ハードモードの類には基本的に手を付けない、ぬるゲーマーな私が唯一やり込んだ無双OROCHIの激難を思い出す……(最近のナンバリングでは修羅という名前になってますが)。
自分さえ生き残って敵将を倒せば勝てるとはいえ、味方がバンバン死んでいくと悲しみ。
ルール説明が終わると共に、隣の部屋から誰かが倒れるような大きな音を耳にします。
倒れるというと……カンナあたりでしょうね。
メインゲームが始まっても控室に居続けるとペナルティで死んでしまうんですが、気絶とかしていたらそのまま永眠してしまうのでは……?
さすがにそんな雑な退場は無いでしょうけどw
でも実際にペナルティで誰かが死んだ場合、メインゲームでは役が欠けてしまうんですよね。
平民なら大して変わりませんけど、鍵番や身代が欠けるとメインゲームがかなり楽になります。参加者には知りようがないですけども。
そうなると人狼の役欠けみたいに推理がぐっちゃぐちゃになりそう。
メインゲーム会場
腰くらいの高さの奇妙な机が並んでありました。参加者はそれぞれこの机の前に立って議論をするようです。
予選投票までは70分、決選投票までは20分の話し合いができ、砂時計がすべて上に行くと話し合いは終了となります。
それではいよいよゲーム開……
カンナがいない!
やはり倒れたのはカンナだったんでしょう。1人だけメインゲーム会場に来ていません。
このままゲームを始めてしまうとカンナはペナルティ死です。
なんとかカンナのペナルティを避けようと引き延ばすサラにホエミーは「時間は有限。彼女はそっちを選択した、それまでです」と切り捨てます。
……これはもしや、鍵番をディスってる?
鍵番がペナルティで死んでいれば、その他の参加者にとっては鍵番を犠牲者に選定してしまうことが無くなるので全滅のリスクが大幅に減ります。
みんなのためを思うならこそ、ゲームに参加しないことが鍵番の出来る最善の手。
だからこそ、のこのことリスクを背負って参加してきた鍵番(サラ)に「選択を間違えてませんね?」と嫌味を発したのかもしれません。
ホエミー……いやらしい子!
大した時間も稼げず、カンナが来ないまま改めてゲーム開始の合図が告げられます。
──と、すんでのところでカンナ登場!
今しがた目が覚めて慌てて来たというよりは、怖くてなかなか来れなかった様子です。
いくら怖いにしても数秒後にペナルティ死が待ち構えているタイミングで来るあたり、逆に肝が座っているんじゃなかろうかw
ゲームこそまだ始まってないとはいえ、ホエミーが「始めます!」と言い切った後での登場なので、私の中ではギリギリアウトの部類ですしw
その辺、ホエミーが寛容的で歓迎してくれたから良いものの、冷徹非道だったなら今頃首が飛んでますよ!
遅刻ダメ、ゼッタイ。
メインゲームを前に少しばかりわちゃわちゃしてしまいましたが、そんなドタバタもここまで。
今度こそ本当にメインゲームが始まります!
第一章後編Part4はここまで
第一章後編Part5はこちら↓