キミガシネ第二章後編Part26(Aルート)の分岐aルートです。
第二章後編Part24(Aルート)はこちら↓
メインゲーム〜決選投票〜
投票
※ ケイジへの投票は、「ダメだ……!! それだけはできない……!!」というサラの心の声によって阻止されるため不可能です。
【結果】
この結果にソウは「それでいい」と笑ってみせました。
ソウの質問にサラは頷きました。
こ、殺したいほど……?
いや、さすがにソウに乗ってあげているだけですよね? いまさら優しい言葉をかけても……って感じで。
サラの答えに、ソウはただ声を張って笑いました。
ハンナキーにより役職の答え合わせがされます。
賢者 …… Qタロウ
鍵番 …… ケイジ
身代 …… ナオ
ごめんよ……ナオちゃん……。
覆りようのない結果が出たことで、いろんな葛藤から解放されたのでしょう。
さっきまで怖くて止まらなかった震えが、今は不思議と無くなっているとナオは話します。
「ナオが」なのか「サラが」なのか。
主語が無いので分かりませんが、どちらにしてもナオの優しさがあふれていて切ない……。
ナオちゃん部外者なんだから帰してあげてよぉ……。
確か誘拐犯の組織は記憶をいじるのがお手のものでしたよね?
なぜ部外者まで誘拐してしまった初期段階で、その記憶だけ消してさっさと解放しなかったのか……。
まさか部外者の中に黒幕がいて、そのカムフラージュに利用されたとかだったら……非常に罪深い。
「その時も身代のカードで……レコちゃんの持ってたメダルを……使っちゃいました……」
やっぱりナオだったんですね。
最初に身代を引いて、最後の最後でまた身代が戻ってくるなんて……。
……ん? まさか最初に身代を引いたのもガシューの不正なのでは?
あわよくばそのまま……と。それが失敗してしまったために、最後の交換で強行手段に出たんでしょう。
本当にナオが可哀想すぎ。
「レコにとってお前は親友だった……それは間違いないよ……」
アリス優しい。
レコが守った、良い表現ですね。いや、本来ならレコはナオを守りきれていたんですよ。
不正さえ無ければ……!
ガシューを許すな。
そんな軽い冗談を言えるくらいには吹っ切れた様子のナオですが、ただひとつ心残りをポツリとつぶやきました。
生きて出たら完成させる予定だったミシマの似顔絵。
もう二度と、完成させることは……。
そう言うと、ハンナキーはサラにあるものを手渡しました。
「長く苦しませたくなければ……押すしか……ありません」
なんでいちいちサラにだけ何かしらやらせようとするんですかね。
デスゲームを取り仕切っているのはアナタたちでしょう。処刑くらい責任持って自分でしなさいよ。
フロアマスターが死にさえすれば不正は許されるみたいな展開以降、誘拐犯組織に対するイライラが止まらない。
怒りは募るばかりですが、そんなものは後回しです。
非常に悲しいですが、処刑の時間は止まってくれません。
ホエミーが言っていたとおり、メインは投票で選ばれた者であり、身代は前座なのでしょう。
ナオの処刑が先に行われます。
ナオの腹部にはめられた鉄の塊。
それは徐々に収縮し、身体を圧迫していきます。
即死スイッチを押そうとも、ナオ自身が拒むために押せません。
この状況になってでも、「死にたくない」とナオはあがきます。
そして……
結局、即死スイッチなど押させてもらえないまま、ナオは最後まで苦しんで、その命を終えました。
もしかしたら……ナオが最後まで即死スイッチを押させなかったのは、サラを殺人者にさせないためだったのかもしれないと思うと、胸が締め付けられます。
いくら生存意欲があるといっても、助かる道が0%の中であんな苦しみをじわじわと味わわされれば、「いっそ殺してほしい」と願っても不思議ではありません。
それもなく抵抗し続けたのは、やはりジョーのことで散々苦しんだサラを知っているからこそ。
自分はサラにそんな重荷は背負わせない、というナオの優しさだったんじゃないでしょうか。
あれ、さっきから画面がぼやけて戻らないぞ……。
・
・
・
「先生………………ごめんなさい……。先生にあげる……プレゼント……まだ描き切れてなくて……」
「大丈夫です。これからは……たくさん時間がありますから」
「思う存分描けよ、ナオ」
「はい……!」
・
・
・
また守れなかった。
また、死んでしまった。
サラは後悔と悲哀のドン底に叩きつけられました。
それでも、休む間もなく次の処刑は行われます。
ハンナキーがソウへとターゲットを移そうとし、サラは慌てて止めに入りました。
サラはめげずに「仲間を殺さないで……!!」と訴えかけます。
「……仲間……か」
もう言い残すことはないと確認するやいなや、ハンナキーは処刑に取り掛かります。
?!
「お前達の思い通りになるもんか」
首輪が外れている!
これにはハンナキーも驚きを隠せません。
ソウは出口だと見当をつけた場所へ駆け出しました。
その途端。
何かを突き刺すような音が、幾重にも響き渡りました。
さすがのソウにも予想外だった出来事。
「あはは……やっぱりダメかな……。情けないや……ここまでやったのに……。信じるべきだったのかな……みんなを……」
フ、フラグ回収はやすぎ……。
ソウは後悔の言葉をこぼします。
そして最後に、サラへと謎めいた言葉を残しました。
「……サラさん……実はひとつだけ、キミの推理は間違ってる……。……ボクが……それを教えてあげ……るよ……。……最後の……プレゼントだ……」
メインゲーム後
サラは息を切らしながらソウを探していました。
……ん? メインゲームは終わってますよね? ソウってまだ死んでないの?
あのまま遺言を残して死んだのかとばかり。
荒れた廊下
何かに導かれるように、足が向かいます。
予感のような何かが、サラを呼んでいました。
ガレキの部屋
ヒェッ……!!
もしかしてあの後すぐここまで逃げてきたということでしょうか。
ならサラが探していた理由にも納得です。
……が、細かいところが気になってしまう性分としては、いろいろと気になることも多い。
あの後ソウは警備システムをどうくぐり抜けたのか。まだ死んでもいないのにシステムを切ってくれるんでしょうか? 単に強行突破?
でもサラが無傷ってことは安全に通れたっぽいですし。
仮に無事に通り抜けたとして、手負いのソウを見失うサラは何してんのとツッコみたいw
そもそもあれだけ血まみれなら、他の通路にも血の跡があってもおかしくなく、それが無いのも不自然です。
サラは予感に呼ばれるという謎パワーでガレキの部屋まで辿り着けましたけど、そんなミラクル仕立てよりは、通路の血痕を辿って行き着いたというほうが自然な流れに感じました。
……と、雰囲気ぶち壊しながらもそういう現実的な観点でモノを見てしまうのが僕の悪い癖(右京さん風)。
さて、閑話休題。
ソウは、ぐったりとしていました。
サラが声をかけても何ひとつ返事はありません。いくら揺さぶっても、ピクリとも動きません。
そこで初めて気付きました。
呼吸をしていないことに。
ソウは既に、事切れていました。
結局みんな死んでいく。
何をしてもどんなにあがいても、すべて無意味であり、あまりにも自分の無力さを痛感するばかり。
──もう……私は……立ち上がれ……ない……。
絶望したサラの耳に、
ザ…… ザ…… ザザ…… ザ……
何やらノイズ音が聞こえてきました。
それはモニターからでした。
ここでサラはようやく、モニターが点いていることに気が付きます。
今更何も変わらない、何も考えたくないと思考放棄に走ってしまったサラは、最初こそ気にも留めませんでしたが、改めてソウの姿を見て考え直しました。
その体勢にふと違和感を覚えたのです。
ソウは機械を操作しようとしていたのかもしれない。
そう思い立ち、手元のキーボードを見てみると操作したような血の跡がありました。
となれば、このモニターもソウの手によって点けられた可能性が高いです。
ソウの目的は不明ですが、疑問を浮かべながらサラはモニターを覗き込みました。
すると……
サラは面を食らいました。
見知った顔がそこにあります。
いつも学校で顔を合わせていた、親友のカオ。
「サラ……か? どうなってるんだ、オレ……」
あり得ない……また幻影だ。ついに自分は壊れてしまったのだとサラは思い直します。
なぜなら、ジョーの人工知能なんかあるハズがない。彼は候補者外なのだから。
それでも、今のサラにはそんなことはどうでもいいこと。
ジョーのいる画面に詰め寄り、彼の名前を叫びました。
サラの勢いにジョーは少し戸惑いを見せます。
「サラ……? なんで泣いてんだよ……?」
サラは涙ながらにこれまでの心境すべてを吐露しました。
親友なのに、何もできずに殺してしまった自分の無力さ。
それでも全員で帰ろう、一緒に脱出しようとみんなと誓いました。
なのに、みんな死んでいく。
誰も守ることができなければ、救うこともできない。自分にはもう何もできない、と嘆きます。
もう、サラの心は折れていました。
「いつからそんな弱音を吐くようになったんだ? そんな涙、サラには似合わねーよ」
ジョーはおもむろに、日常だった頃の思い出を語り始めます。
何か特別キッカケがあるわけでもなく、気付いたらよくツルんでた2人。
昼休みにくだらない話をしたこと。放課後に買い食いしてリョーコに笑われたこと。
ジョーの成績が落ちた時、サラの方が焦って勉強を教えに行くといって聞かなかったこと。
カラオケに行って無茶ぶりされて、全力で歌ったらサラが大ウケしていたこと。
そんな毎日が、ジョーにとってはすごく楽しいものでした。
嫌なことがあって楽しくない日は、サラが声をかけてくれたことも覚えています。
裏切るとか死んだとか……その辺の記憶は削り取られているジョーにとって、サラの涙の意味は理解できていません。
それでも、知っている、と自信満々に笑顔で答えました。
サラはいつだって、ジョーが信じる選択をするということを。
自分に恨まれていると思い込んでいるサラに、ジョーは活を入れました。そんなに小さい男じゃない、と。
そして笑みをこぼすと、「だからもう泣くなよ」と優しい言葉をかけます。
涙が止まらないサラも、数々の暖かい言葉によって元気を得たのでしょう。
「な……生意気……だ……ジョーの……くせに……」
言葉を詰まらせながらも軽口を叩けるようになりました。
最後にジョーは、自分を信じろ、とサラを励まします。
「オレはいつだって付いて行くぜ」
サラの口から笑いがこぼれます。
ふと、ジョーは何かを思い出し、頭をかいてどこか気まずそうに振る舞い始めました。
「ま、こういうの異性だから言い辛かった……けどさ」
「……大好きだぜ、サラ。お前はオレの最高の親友だ」
そっか……死んだ時の記憶が無いということは、死の間際に同じセリフを言った記憶も無いんですね。
このジョーにとっては、初めて伝える本心。
サラにとっては、2度目のジョーの本心。
でも1度目にはできなかったことがありました。
言えずじまいだった言葉。
今改めて、サラはそれを伝えます。
「ジョーは私の……最高の親友だ」
ジョーのおかげで、サラの気持ちはすっかり立ち直りました。
もう泣かない。
もう負けない。
だから……ずっとそばで見ていてくれ、と告げるとジョーは気合十分に頷き、
そのまま画面の奥へと姿を消していきました。
静まり返った部屋。
サラは小さく「ありがとう」とつぶやきます。
それはジョーに対してなのはもちろん、ソウに対しても。
ずっと纏わりついていた……自分で創り出した偽りの幻影。
でも、もう……
──幻影なんて……見ない……。
前に進んで、このデスゲームを終わらせる。
サラは、そう固く強く決心しました。
ロビー
心配そうなケイジに、サラは「もう平気です」と伝えます。
そんなサラの変化にいち早く気付いたのはQタロウでした。
サラはみんなの前で決意表明を行います。
私達はもう殺し合いなんてしない。
もう二度と、あんなことはさせない、と。
「私が……デスゲームを終わらせる……!!」
陰キャ呼びじゃない……!
もう、折れない。
みんな、覚悟はできていた。
私達は、迷わない。
「つかみとる……! 未来を……!!」
「ククク……」
サラが思わず青ざめる相手。
それは……
パパさん……!!
ボス登場? でも首輪をしているあたり、ただのフロアマスター?
どちらにせよ、敵の雰囲気がひしひしと伝わってきます。
カイのメール相手、サラパパとガシューだったのかなと思っていましたが、組織側のもサラパパだったとしたら恐怖ですね……。
サラの父は再び帽子をかぶると、それを合図のように開幕を告げました。
「さあ、始めようか」
第二章後編 終
分岐aルートは、ソウ死亡ENDでした。
aとb両方のENDを終えて分かったのは、カンナとソウとでの激しい温度差。
ソウが死んだのに、悲しむ姿どころかカンナ自体が最後まで全っ然出てこないw やっと出て来ても大して引きずってない感アリアリw
まぁジョー関連やパパ登場などのイベントが多くて、カンナのショックを差し込む余裕が無かったのかもしれませんけど、カンナがドライに見えてソウがちょっとかわいそうでしたw
しかし本当、こちらは疑いようもないほどメインルート臭がプンプンですね。
私のメインルートは別の方なんですけども……。
ここまであからさまだと、ソウ生存ルートをやっていても「どうせサブルートだしな……」感が勝っちゃいそう。つらみ。
それでも最初に行ったルートを突き進むしかあるまいて! それが私の選んだ道よ。
分岐bルートはこちら↓
分岐cルートはこちら↓
まさかこんなにも枝分かれする分岐になるとは予想していなかったので、表記をどうしようかと困ったのですが、とりあえず、
第ニ章前編の分岐を A、B としたので、
第ニ章後編の分岐は a、b、c に。
それらを組み合わせてルート表記していきます。
ちなみにアルファベットは、
↑のような分岐イラストで、左にいる生存ルートから順にあてがっています。
私はAルートとbルートがメインストーリーなので、最終章はAbルートを進めていきます。
最終章前編Part1(Abルート)はこちら↓