キミガシネ最終章前編Part56(Abルート)です。
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ヒトゴロシゲーム
選択と願い
「6」を選びます!
どうかミドリであれミドリであれミドリで……
あ……
無情にも「6」のヒツギの中にいたのは、マイでした。
終わった。
なにもかもが。
イケメンすぎる。
それを言えるクルマダだからこそ死んで欲しくないし、でもマイにも死んで欲しくなかった……。
というか、この場合どちらが死んでもダメなのですよね。ダミーズを引いた時点で負けですから。
ひとりで楽しそうですね。
なぜこの人はこんなにも元気なのですか?
50%という高確率。1歩違えば自分が死んでいたターンだったことをお忘れか?
回避したからこその強がりなら分かるのですが、それだったらメイプルに追い詰められた際の、
この表情くらいは見せてくれないと腑に落ちません。
逆に考えれば、つまり今のミドリはここまで追い詰められていないということですね。
思えばアルジーも、サラたちのことをやたらと「不利」と表現していました。
それすなわち、やはり何かずるいことをしているのでは。
されとて、今となってはもう遅いです。
サラたちのターンは終わりました。
ミドリは当然ヒント機能を使います。
ミドリに説明されるまで「まだ勝負はついていない」と思っていたサラも、ようやく状況を飲み込みました。
もう詰んでいる、ということを。
どうやら「ミドリを当てる」ことに焦点を当てすぎて、「外したときどうなるか」まで考えが至っていなかったようです。
絶望するサラにミドリは追い打ちをかけます。
敗戦処理をしろと?
これまでアルジーを代理としてきたのに勝ち確になった途端、対戦相手に代理させるとか完全に愉悦感に浸りたいだけの自己満足じゃないですか気持ち悪い。
ミドリが勝つための手伝いなんてしたくないので断固として断る!
……気でいたのですが、何をどうしてそうなったのか。
快諾しないサラを諦めて、やはりアルジーに任せようとしたミドリを止めたのは、
ほかでもないサラ自身。
え! やるの?
これには私も驚きました。
結果は変わらないにしても、自分の手でギンくんの居場所を明かしてトドメまでするの? そこを手伝う意味って?
いっそ「組織の手で殺されるくらいなら私の手で」くらいの覚悟を決めて(あるいは精神崩壊して)の制止なら分かるのですが、どう見てもあのサラの言い方にそんな潔さは感じとれません。むしろ懇願している勢い。
なんで引き受けたのだろう。
ただでさえ引き弱でギンくんを死なせる未来に導いてしまったのに、さらに直接手にかけるだなんて……。
ものすごく嫌なのですがサラが引き受けてしまったのでやるしかありません。
「8」or「9」
そうだ(ピコーン!)、ヒント使用権がサラにあるのなら悪用できるのでは……?
と、意気揚々と光らないヒツギに使おうとしたら、
怒られました。
ならもう終始そっちで勝手にやれよ、と言いたくなったのは胸の内に秘めておこう。
さて、選ぶ意味も無いのでサクッと「8」にヒントを使います。
ぎゃおん! 青が出てしまった。
せめて赤を引いておけば「ならギンは色不明の片方にいる」と見せかけて実はいない的な大逆転展開が起こる期待ができたものを、青なら人間確定なので逃げ場が無いじゃないか……!
まさかここでも引き弱を発揮したのか私は! 自分が嫌になるな!
あのソウからこんな人間味のあふれたセリフが出てくるとは驚きました。
いつもなら、認めたくはないけど受け止めざるを得ない、といったような沈んだ表情で黙り込んでいるイメージだっただけに。
あの必死さを見る限り、意外とギンに対してそういう優しさは抱いていたのですね。
勝ちもミドリに譲るから、とギンへのトドメをやめるよう声を荒らげますが、
話は通じず。
まともな相手だったらそもそもデスゲームなんてしていないっていうね……。
なんでギンくんが謝るんだ!
と思ったらサラもまったく同じことを言っていました。
それはそうですよね。
率先してヒツギに入って死の恐怖と戦い続けてくれたギンくんのどこに謝らなければならない要素があるというのか。
謝るべきなのは、そんなギンくんを救えなかった私でしかない。それすらも謝って済むことではないのだけれども……。
しかしギンくんは優しい子。
自分を責めるサラの考えを否定します。
それは今までずっとサラがいてくれたから。
しかし、言葉とは裏腹に青ざめた顔がすべてを物語っています。
こんなときまでサラを気遣って強がるギンくん……なんて強い子……!
「おまわりさん」のワードにサラはハッとします。
途端にケイジに関する記憶が脳裏に巡り、あるひとつのものが浮かんできました。
そう、サラはまだ叶えてもらってい……
ませんでしたっけ?
不思議に思って過去を振り返ってみたところ、おそらく私が盛大に勘違いしていたであろうことが発覚しました。
あれは確か、ミドリに「サインしてくれたらケイジを救う方法を教える」と言われたときのことです。
このときサラは、「ケイジを救う方法を教えてもらう」という願いと引き換えにサインしたのだとばかり捉えていました。
結局ヒツギは物理的に開かなくなったので助けられませんでしたが、ミドリは「救う方法を教える」としか言っていなかったので実際に救えたかどうかは関係ありません。
ミドリがリモコン操作でヒツギを開けようとしたのは事実なので、その行動自体が「救う方法を教える」と同義ならば、一応は願いが叶ったことにもなります。
なので、ケイジも助けられないうえサラの願いも無駄遣いになって踏んだり蹴ったりだな〜と考えていたのです……が。
あの「救う方法を教えてもらうこと」にサラの願いはノーカウントだったのですね……?
確かにあれを言い出したのはミドリの方ですから、あくまでミドリの条件を飲んだに過ぎなかったといえば、むしろそうにしか見えなくなってきました。
「救う方法を教える代わりにサインしろ」
↓↑
「サインする代わりに救う方法を教えろ」
この相互関係で成り立っていただけで、同意書の願い云々はまるで関係なかったのですね……。
しかしそれなら尚のこと、あのときサラは同意書の願いを使って確実にケイジを救えるチャンスがあったことになるので、なんで使わなかったのかな〜と不思議です。
単にパニックでその考えに至らなかったのでしょうけれども。
そんなわけで、サラには同意書の願いがまだ残っていました。
最強のカードです。
火葬時に気付いていたら絶対にそのときに使っていたでしょうが、気付いていなかったからこその使える今(ケイジさん無事であれ)。
結果ならまだ出ていません。
現状、青のランプが点灯しただけです。
中にギンがいて実質的に勝負がついていると思っているのは、あくまで予想の範疇でしかないことをお忘れなく。
ミドリの焦り顔いただきましたー!
コレだよ、コレ。ミドリにはこの顔がよく似合っている。
そんなミドリにサラは要求を突きつけます。
え! 願い……ゆるくない……?!
そんな使い捨ての願いで使い切るなんてもったいない……。
ギンを死なせるな、とか。全員を解放しろ、とか。長い目で見て効果的なものの方が活きたのですが、それだとダメなのですかね?
「どんな願い事でもひとつだけ叶えてくれる」はずなのに。
でも急に「デスゲームの結果を変えるのは禁止」だとか矛盾万歳&後出し万歳をしてきて且つそれが有効になるくらいですからね。
思った以上に同意書の願いの序列が低そう。
なんとアルジーがサラの味方をしてくれました。
なんならさきほどミドリが言った「もっと遊びたい」発言をいじるほど。
↓言質
確かに、遊びたいならサラの願いを聞き入れないとですね?
ミドリは、あくまでもルールの決定権を持つフロアマスターは自分だと主張しました。
このままでは話にならないと察したのか、自分で操作するべくヒツギから出すようアルジーに要求します。
しかし今はまだゲーム中。それはルール違反だとアルジーによって問答無用で突っぱねられました。
焦るミドリと笑うアルジー。
同じ側なはずなのに対極する2人。
そんなアルジーの様子を見て、サラも疑問符を浮かべます。
ミドリの仲間であろう人物が、なぜサラたちに有利なジャッジをするのか。
そんなとき、口を挟んできたのはランマル。
光るヒツギは残り2つ。
ここでギンを選ばせないということは、次のターンでサラたちはミドリを確実に狙うことができます。
サラの願いを適用するかどうかで真逆の結果にもなり得る事態。
なので言いたいことは分かります。公平な立場なら。
ランマル、お前どっちの味方だよ。
それに対して意味深発言をこぼすアルジー。
サラたちが「9」のヒツギを選んでもゲームが終わらない?
それはつまり「9」にミドリはいないという盛大なネタバレでよろしいか?
詳細を語ることはなく、アルジーはサラの願いを受け入れたまま進行を再開します。
ミドリにヒツギの選択を促しました。
本当になんでアンズちゃん?!
選ぶヒツギの変更を余儀なくされたミドリにとって、青点灯の「8」はもちろんのこと、自分が入っている「9」も選べません。
残された選択肢は、
光らないヒツギの「2」「4」「5」「7」。
中身不明で選択してきた今までと違い、「2」に限っては既に中身が分かりきっています。
そのうえで選ぶほどアンズに個人的な恨みがあるようには見えませんし、それしか選択肢が無いわけでもないのになぜあえての「2」なのか。
そこが少し気にかかりましたが、そんなことよりも……これサラのせいでアンズの死が決まったも同然なことに申し訳なさが限界突破。
ギンを守るために使った願いの反動を受けさせられているわけですからね……。
アンズちゃん……。
その頭に生えた雑草すべて刈り取りたい気持ち。
ミドリの煽りには反応せず、サラは心の内でアンズに謝ります。
しかしそこに相反する思いも湧きました。
謝ることで自分は許されようとしているのか? と。
いまさらどう取り繕おうが、明確な線を引いたことに変わりありません。
ギンを救うためにダミーズを犠牲にした。
人間が生きるために人形を切った。
その事実は覆せません。
もはやごまかしはできないことをサラも理解し、ついに腹をくくります。
──もう……鬼だろうがなんでもなってやる……!
その覚悟を持って、「絶対に倒す」とミドリに突きつけます。
いざ、最後の話し合いへ──!
最終章前編Part56(Abルート)はここまで
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