キミガシネ最終章前編Part54(Abルート)です。
最終章前編Part53(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
進展:ヒナコとの関係
ひきだす→Qタロウ
だいぶ昔のことを掘り下げてきました。
Qタロウが言いたいのは、サラたちがアリスを見つけて尋問したときのこと。
その際にアリスはこう答えていました。
そういえば言っていたような!
そしてそれに関するアイテムをサラは持っています。
アイテム→『ボイスレコーダー』
Qタロウの発言に、アイテム『ボイスレコーダー』を突きつけます。
もう一度その内容を聞いてみます。
ボイスデータ
「……これは最初の試練。制限時間は5分。それまでに部屋を出なければ、命を失う。
あなたはひとりじゃない。目に見えぬ誰かと、運命をつながれている。しかし、つながりを拒み、裏切る意志を持てば、安全に出ることもできる。
心の声に従え。」
置いてあったのはロッカールームです。
確かに、ボイスレコーダーと共にトランシーバーも置かれていましたから、連絡を取り合う前提だったのですね。
部屋のギミックを解除する方法がお互いの部屋にあって、それを伝え合って解けば2人とも無事に脱出できる……とかだったのでしょうか?
今となっては知る由もない試練内容ですが、アリスはそれをまるで気にも留めませんでした。
ビビリですからね。
「バカバカしい。身を隠すのが先決だ」とサラたちの前ではイキっていましたが、実際にはボイスレコーダーの「制限時間は5分。それまでに部屋を出なければ、命を失う」まで聞いて、オネエモードでテンパりながら飛び出していそう。
その行動が誰かを死なせることになるとも知らずに。
ああ見えて心根の優しい奴ですし、単純で分かりやすい性格をしています。
もし人を死なせた自覚があれば、なにかしら挙動不審なところが見て取れたはず。
初対面のときからそういった様子が一切見受けられなかったということは、アリスに自覚は無かったと見て間違いないでしょう。
知らない間に試練を受け、
知らない間に裏切り、
知らない間に勝利し、
知らない間に
相手までは分からなかったでしょうが、「自分が誰かを死なせたかもしれない」そのことにアリスが気付いたのは、初めて5Fロッカールームに訪れたときでした。
アリスの心境を考えるとそれはもうツラかったでしょうね。
せっかく殺人犯のレッテルが嘘偽りだと判明したかと思えば、結局は別の誰かを死なせていたかもしれないだなんて。
アリスが犠牲になったとき、なぜあんな危ないロッカールームに探索するでもなく居続けたのか納得できませんでしたが、その理由もやっと理解できました。
まさに現場ですからね。思い悩んで足が止まるのも当然なわけです。
そこをランマルはしめしめと狙ったのかと思うと……い、怒りで手が震えてきた……!
これこそが本物のヒナコがダミーズにならなかった理由でした。
ダミーズの採用条件は「他の生存者と関わりを持たなかった者」ですからね。
お互いのことすら認識していないのに、いつの間にか濃くて薄い奇妙な関係性が築かれていました。
ただでさえ当人の自覚が無いものを、当人無しで考えても分かるはずもなく。どおりで難解なわけです。
Qタロウがアリスの言葉を気に留めていなかったら詰んでいたな……。
Qタロウのおかげで、黒髪ヒナコ(人間)の存在と黒髪ヒナコ(ダミーズ)の不在がルール違反にもならず両立することが証明されました。
ダミーズとしてのヒナコが存在するほうがおかしい以上、「ピンクヒナコは人間」と導き出されたも同然です。
しかし一方で、マイについているのが人間のミドリの手であることから、ミドリ人間説も依然として残ったまま。
この食い違う問題は相変わらず解決していません。
すると、
サラたちが本当に黒髪ヒナコのダミーズ問題を解決するとは思っていなかったのか、感心したミドリが確定情報を教えてくれました。
自分の命が懸っているゲームで敵に塩を送るとは、ずいぶんな余裕っぷり。
ミドリは「でも……」と続け、
ん?
んん? (横顔キレイだな)
ギャッ!!
首が良くない方向に……!
しかしそれだけに留まらず。
そのまま回転し始めました、頭が。
360°円滑に、ぐるぐるぐるぐる延々と回っております。
そのスピードは言うなれば、まるで遊園地のコーヒーカップを全力で回したときのよう。
さすがの不気味さにあのソウですら「うわああぁぁ?!」と情けない悲鳴をあげたほどです。
こんな怖さ0%キモさ100%な人外アピールを初めて見ました。生首メリーゴーランドとっても気色悪かったです。
意表を突かれたせいでいろんな考えがスポーンと飛んでいってしまったような気がします……。
もしや……それがヤツの狙いか……?!
……かどうかはともかくとして、なんであれ確かなことがひとつ判明しました。
人間やめても人生は楽しそう。
……って、「人間をやめた」?
ミドリ(人間)とミドリ(人形)は別々に存在しているとばかり思っていたのですが、あの発言的に違いそう……?
目の前のミドリが人形なのは確定したので、ミドリ(人間)は肉体を捨ててミドリ(人形)に人間の意識だけを移して生きている……みたいな感じなのでしょうか?
こわ。
もしかしてその唯一の人間部分が脳で、人形に脳を入れて動いているのが今のミドリ?
それも怖いですが、さらっと言ってのけた「体を分けてあげた」発言も大概こわい。
ここにいるメンバー、あるいはデスゲーム参加者全員はミドリからなにかしらの肉体を分け与えられているのでしょうか。
ひとつだけピンときたのは……
Qタロウ。
足と眼を大ケガしていたはずなのに、今はピンピンしています。
それは同意書に記入した対価だった、と考えられましたが、まさにその対価こそがミドリの肉体だったのでしょうね。
しかしそうなると、よくミドリの細い足でQタロウの体を支えられますね? 体重105kgもあるのに。
今のQタロウの大腿を見る限り、ものすごくムチムチなのでガリガリミドリの足ではサイズも合わないでしょうし。
とてつもなく恐ろしい量の筋肉増強剤とか注入されていそう。
詳細はさておき。
Qタロウ以外だと他に誰がいますかね? 考えてみましたが全然想像がつきません。あとはもう内臓とか見えない部分なのでしょうか。
おっと、私はとんだ勘違いをしていました。このミドリの口振りで、今やっと理解したかもしれません。
ミドリ(人間)の脳が入ったミドリ(人形)が今のミドリ(人形)……
ではなく、
ミドリ(人間)が肉体を分け与えていくうちに、代わりに取り付けていった人形部分が肉体の割合を凌駕していき、実質人形みたいなものとなったのが今のミドリ(人形/元人間)。
ということだったのか……!
おみそれするレベルのサイコパス。
要は合成人間ですね。ベースが人間なので何をどういじっていようが人間とも言えますが、ミドリの言う割合基準で考えるのなら人形とも言えます。
これに関しては、キミガシネらしく肉体の多数決をした本人が50%以上ある方……つまり人形として見て欲しいそうなので、それに従うことにします。
こちらとしてもミドリを人形扱いできたほうがやりやすいですしね。
おかげで、
ギンは青
ミドリは赤
これが確定しました。
見分けられるようになったのは、サラたちにとって非常に大きなヒントです。
逆に言えばミドリにとっては不利でしかない情報ですが、それをわざわざ教えてくれる親切さが不気味……。
サラたちはミドリ人間説を追っていたので、黙っていればそのまま騙せたかもしれないのに。
あまりにも勝負にならなさすぎての慈悲?
それともただの退屈しのぎ?
どちらにせよ、この態度を見る限りは相変わらず状況は向こうが有利にあるような感じです。
人形だとバレてもまるで支障が無いくらいの何か裏があるのは間違いないでしょうね。
さて、議論も一通り尽きました。
そのタイミングを見計らったアルジーからヒントの使用を催促されます。
どこに使うべきか……。
最終章前編Part54(Abルート)はここまで
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