キミガシネ最終章前編Part60(Abルート)です。
最終章前編Part59(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
進展:光らない3つのヒツギ
場面が暗転し、
いつぞやの手!
いつぞやの手がサラに忍び寄る!
この演出は一体……
?!
ケケケケイジさん……?!
本物ですか?! 幻ですか?! サラの脳内ケイジさんですか?!
ペロッ
こ、これは……
ケイジさん!!!
本物でした! 生きていました!
どうやら今の今まで充電室へ閉じ込められていたようです。もちろん犯人はランマル。
ヒツギの中とかいろいろ勘繰っていたのですが、教室から直通できるすぐそばの充電室にポイされていたとは……。灯台下暗し。
となると、気絶させられたサラが教室で目覚めたときの見方が少し変わりますね。
あのとき教室にはQタロウ、ギン、ソウ、マイ、ハヤサカがそろっていました。
この間にランマルはアリスを殺し、何食わぬ顔でヒナコを連れて教室に合流。
そこへどこからともなく死んだと思われたクルマダがやってきて……これがてっきり充電室から現れたのだと捉えていました。
しかしこのときには既にケイジは充電室に閉じ込められていないとおかしいです。
なので、おそらくランマルはケイジの閉じ込めと同時に入れ替えるようにクルマダを教室に移しておいたのでしょう。
あのときのランマルはクルマダが死んだと思い込んでいたので一緒に閉じ込めておけば良かった気もしますが、クルマダを探しに充電室に向かわれないようリスク回避として移したと考えれば納得はいきます。
ただ……教室にいた人たちはあれだけ人数がいて本人登場まで誰ひとり気付けないものなのですかね……?
隅に寝かせたとしても体格の良いクルマダ。上からならQタロウが、下からならギンくんが、と広範囲をカバーできたはずです。
おまけに気絶したサラがいれば、何かあったのかと尚のこと周囲をキョロキョロと見渡しそうなもの。
……と、追及するだけ野暮ですが気になってしまいました。
本筋に戻ります。
幸か不幸か閉じ込められた先がトランシーバーの置いてある充電室だったため、すでに状況は把握済み。
さすがケイジさん、話が早い。
では再会を喜ぶ前に、まずはやるべきことをやるとしましょうか。
もう推理する必要もありません。
ミドリは「7」。
あとはサラたちが指定するだけでゲームセットです。
……と、すんなりと事が運ぶわけもなく。
何かに気付いたミドリが流れを止めます。
それはケイジが「4」を青点灯させるために使ったであろうトリック。
ミシマの首輪。
な、なるほど! それは盲点だった!
ホエミーが回収し損ねたミシマの頭には首輪が付いたまま。
まだ首輪が見つかっていないことから、その首輪を持っていたのはケイジだとミドリは確信します。
そして「4」に入れた、と。
他フロアで紛失した首輪を使うことは想定外でありルール外。そのためミドリは不正だと訴え出ました。
実質的に勝負が着いているからこその往生際の悪さだと呆れたソウはそれを流そうとしますが、厄介なことにミドリの主張を拾ったのが他でもないアルジーです。
ミシマの首輪は本来使われる予定のないモノ。
それで処刑を回避したとなればそれは不正だと認めました。
サラたちのときだけ不正だのなんだのって本当に都合が良いよなぁ……。
自分たちは「宴開始直前のヒツギはなんでもし放題」なこととか、「ヒツギの中は首輪で判断している」だとか、ゲームをする上で必要な情報を一切説明しないのに。
一方的に知り得る情報を存分に駆使して優位に立っておきながら、「本来予定のないモノ(想定外)」が起きると不正と騒ぐ。
サラたちからしたら、ヒツギの交換なんてそれこそ「本来予定のないモノ(想定外)」なので、それで処刑を回避してきたミドリも不正をしているようにしか見えませんけれどね。
もし立場が逆だったら「全体で見ればミシマの首輪も立派なデスゲームの道具のひとつ」とかなんとか言い出して許容しそう。
直接見たかのように断言しますが、ケイジさんが入れた証拠でもあるのでしょうか?
チャンスだけならQタロウとマイもありえますよね。火葬される直前までヒツギの近くにいたのはこの2人ですし。
3人で話し合った上でQタロウかマイが入れたのかもしれませんし、仮にケイジが入れていたとしてもミドリの頭を充電しに5Fに行っている間に2人のどちらかが入れ直した可能性だってあります。
今みたいに不正バレしたときにケイジが処刑されないように、と身を挺して……。
ケイジと別れて以降のQタロウとマイの行動は2人にしか分かりようがない部分なので、2人以外の者は「ケイジが入れた」という確信はまず持てません。
だからこそアルジーの断言が引っかかります。
ありえそうなのは裏の監視カメラでこっそりチェックしていてすべてのことはお見通し、とかでしょうか。
だとするとそれはそれでおかしいのですよね。
もしそうなら最初から不正があったことを知っていながら今の今まで見て見ぬふりをしていたことになりますから。
指摘されるまで黙って「宴」の司会進行を続けたのであれば、それは不正の味方をしているのと同義。アルジーも不正処罰対象にならなければならない事案です。
しかし……
一方で、アルジーがわざわざ不正の味方をするか? と問われれば、それはそれで考えづらいものまた事実。
直接的に不正をしたならともかく、不正を黙認して遠回しに味方する感じが現実的でないというかアルジーらしくないというか。
なのでまずは、なぜケイジが入れたものとして断言できるのかの説明をしてくれないことにはモヤモヤが晴れません。
それが無い限り、実は入れていたのはマイだから不正処刑は回避できる世界線を信じる……!
残念ながらサラたちはアルジーの断言を疑問に思うこともなく鵜呑みにするので、理由など聞けるはずもなく話は進んでいきます。
なんで? みんな気にならないの……?
当の本人は特に否定も肯定もせず。
覚悟の上なのか、はたまた裏があるからこその余裕なのか。さすがケイジさん、読めなさすぎる。
どちらにせよ、この状況を作り出すために不正をしたのであれば大成功なわけで、いまさら「不正をしたから処刑」と言われてビビリませんよね。特にケイジさんなら。
そもそも不正を暴いたらゲーム中止ならまだしも、不正者を処刑したらそのまま続行するのがルールでしたよね。
とするとミドリの状況はなにひとつ変わっていなくない……?
いまさら何をやっても無駄な抵抗だ。諦めたまえ。キミの運命は「4」を選んだ時点で詰んだのだよ。
まだまだ食い下がってくるミドリ。
ミドリからの聞こえの良い言葉は100%ろくでもない方法と決まっているので聞く耳を持ちたくはないのですが、こちらのことなどお構いなしに勝手に話しだします。
それによると、「終わった勝負には興味が出ない」のだとか。
自分が勝ちさえすれば、「誰が不正をしたか」などどうでもよくなる、と。
つまり、
なるほど。
不正を許してやるから勝たせろ、と。
なかなか良い取引を持ちかけてきますね。
信用できる人だったなら、ですが。
ミドリのことなのでどうせ「不正は裁かないけど、『宴』に大遅刻したからペナルティで死んでもらうよ」とかいくらでも難癖をつけて殺しにかかってきそう。
一番最初にやったホエミー主催のメインゲームでは実際に遅刻によるペナルティ死がルールとして設けられていましたしね。
説明不足が大得意なフロアマスターが相手なだけに警戒せずにはいられません。
取引をしたいのなら信用を身に着けてから出直してきて欲しい。
この取引を呑んでもらえないと自分が死ぬのでミドリも必死です。
同意書にサインをさせたときみたいに、もっとこう選択の余地が無い状況に追い込んでくるのを恐れていましたが、案外そうでもなくて少しホッとしました。
いつものおぞましさが無い。
なにしろ状況的に考えたら、「不正は許すので勝たせて(殺さないで)ください」と懇願してもおかしくない立場の人から脅される構図になっているわけですからね。
迫力に欠けるというか。
それだけミドリも手詰まりなのでしょう。
サラに示された道は2つ。
ギン or ケイジ
これが正真正銘、最後の選択です。
最終章前編Part60(Abルート)はここまで
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