キミガシネ最終章前編Part6(Abルート)です。
最終章前編Part5(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
知るべき過去
絵が飾られた部屋
悪趣味な部屋にやってきました。
どこからか振り子時計のようなチクタク音が響く静かな間です。
壁には悲惨な絵と風景画がまとまりなく飾られてありました。
風景画は分かりませんが、人物画は一部を覗いて犠牲になった者たちが飾られていることが見てとれます。
真っ先に目が向くのがナオの絵。どうやら写真を加工したもののようです。
これまでずっと殺人を後悔してきたアリスも、こんな事を考えるヤツは死なせておくべきだった、と怒りをあらわにします。
ナオの絵の横には、サラが最初の試練で受けたあのベッドの絵があります。
折り畳まれ、真ん中からはおびただしい血の量が……。
おそらくクギエの死亡時の絵でしょう。
そしてナオの絵の下には、サラたちの首輪らしき絵があります。しかし一部だけ色が塗られていません。
次に、ナオの絵から出入り口を挟んで右隣。
風景の絵に囲まれたその中央には、地面に突っ伏したとても痛々しい絵があります。
拡大してみました。
黒髪に、茶色のセーラー服のようなものを着ています。
……そんなキャラいましたっけ?
黒髪自体がカイさんとレコくらいしかいませんが、服装からして当然違います。
逆に服装から考えるなら、茶色いセーラー服というと……
ヒナコのみがヒットしました。
白い襟。襟に入った茶色いライン。薄茶の上着とハイソックス。赤茶のスカート。
見れば見るほどそっくりです。
もしかして、絵にある黒髪の子が本当のヒナコなのでは?
ノエルに滅多打ちされていたので血の量も妥当です。
ピンク髪のヒナコは、本当のヒナコを乗っ取った誰かなんじゃないでしょうか。
目的は分かりませんが、犠牲者のビデオで唯一足元しか映していなかった違和感も、本物との区別がつかないようにするためだったとすれば納得がいきます。
ヒナコの犠牲者のビデオ。
すべては計画されていた……そんなニオイがプンプンします。
もうピンクヒナコは偽物にしか見えなくなってきました。お前はいったい誰なんだ。
次は、さらに隣の右側の壁をチェックします。
見覚えのあるものが何点かありますね。中央のミドリらしき絵の上段3枚。
左にあるのは、血だまりに倒れ込む女性の絵です。
絵の中には膝をついているような足も見えます。ケイジさんの履いているものも茶色ですし、おおよそ笹原恵の死亡時と見て間違いないでしょう。
中央には、思い出したくもないあの絵が……。
ケイジに言われ、サラは大人しく従います。
──いったい誰なんだろう……。
サラの目には、顔が影となって見えていませんでした。
ジョーのことを忘れるほどに精神的ダメージを受けてしまったから、顔が見えなくなっているんですね……。
この先、思い出せるのか心配。
そして右には、満面の笑みのソウの絵がありました。
ソウの絵だけ異質感が凄まじいですね。
満面の笑み自体もそうですが、なにより残酷な絵が並ぶ中で1つだけ幸せそうな絵が並ぶ違和感。
ミドリの趣味でしょうか?
そのミドリの絵を調べてみると……
『絵じゃないよー!』
絵が話しかけてきました。
人工知能……ではなく、ただのテレビ電話のようです。
ミドリはすべての部屋を監視していました。
そんなアリスに、妹と違ってバカだなぁ、とミドリは見下げます。
ミドリはミドリで勝ちを目指しているため、アリスの言い分など聞けるわけがないのです。
ソウが割り込み、ひとつだけミドリに問いかけました。
『あはは、真実は……自分の手でつかみ取るんだ。そう教えたでしょ……?』
答えが得られないと知ってソウは黙り込みます。
答える気は毛頭ないミドリですが、かといって隠すつもりもなく。
むしろ、そろそろみんなには知ってほしい、と言い放ちます。
ミドリとの失われた思い出。
アスナロがサラたちを殺し合わせる理由。
すべてを。
それを自分から言うのはもったいない、とミドリは出し渋ります。
あくまでも自力で見つけさせようという考えです。
そのためのヒントも用意してありました。フロア内に思い出深い場所をいくつか作ってあるようです。
大事なのは過去を知る事、と。
続けて、ふと思い出したかのように重要発言をさらりと発表しました。
『あ、そうそう。今回のヒトゴロシゲーム、もちろん時間制限もあるから。リミットは、ダミーズの電池が切れるまで! いわゆる寿命ってヤツだね!』
このタイミングで?! 遅すぎない?!
ルール後出しとか卑怯だぞ!
もうやだ、この気まぐれフロアマスター。ノエルよりも圧倒的にフロアマスターに向いてない。
ハヤサカの質問など聞こえないとばかりに、『期待してるよ、がんばってね!』と言うだけ言うと、絵画はピクリとも反応しなくなりました。
やっと時間制限について説明したかと思うと、今度はダミーズの電池という新たな謎を残して消えていく……。
相変わらず説明しないマンだな〜! ちょっとミドリをフロアマスターにしたの誰? 責任者呼んでー!
場がざわつくなか、ミドリの話によってケイジは抱いていたある疑問の確信を得ました。
ケイジは、孤児院との繋がりまではまだ推測の域を出ないとして断定はしません。
孤児院に不審な点はなかったかQタロウに聞き返しますが、はっきりとした回答は得られませんでした。
本当にみんな親切だった、Qタロウにとっては温かい思い出しかないのです。
そんな親切な人たちが実はデスゲームの関係者だったとすると、Qタロウもやるせないですね……。
Qタロウの気迫がこもった問いかけを受けても、ソウは黙ったまま。
そこへ、そろそろミドリとの関係性を知りたい、とケイジが追い打ちをかけます。
その甲斐あってか、ようやくソウは口を開きました。
「でも、今は関係ない。言っただろ、ただの敵さ。彼は、ボクにだって手加減はしない……」
むしろ燃え上がって本気を出してくるよ、とその顔に薄っすらと笑みを浮かべて答えました。
ソウも孤児院育ちで、仲良かったのがミドリ……とかでしょうか?
名前を借りたことと敵視することの矛盾のせいで、いつまで経っても2人の関係性が読めない……。モヤモヤして夜しか眠れない。
さて、立ち話もここまで。
この部屋は特にギミックもなく、普通に通り抜けられるようなので次の部屋に向かいます。
どうやら今いる場所は、フロアマップでいう右下の部屋です。
今いる部屋の右側にある出入り口がリングの部屋と繋がっているんでしょうね。
ということは、左側にある出入り口はエレベーター? のような上下する部屋に続いているんでしょう。
では、そのエレベーターのような上下する部屋に進みます。
エレベーター前
本当にエレベーターでした。
赤いドアの部屋をエレベーターだと言っていたのが恥ずかしくなるくらいガチ中のガチベーターです。
信頼売買ゲームをしていたのが3Fで、そこから階段を登ってきたので当然ここは4Fですね。
……と思わせておいて、表示トリックがあるかもしれない。鵜呑みにしてはダメだ(戒め)。
下のフロアにも戻れるのかなと思いましたが、フロアマップを見る限り、上矢印は明るく、下矢印は暗く色分けされているので、降りるのは無理なのかもしれません。
確認しようにも、電源が落ちているのかボタンを押しても何も反応はなく。
どちらのドアも堅く閉ざされており、力でのこじ開けも無理になっています。
赤いドアの部屋と同じく、今は何もできず八方塞がりです。
左下の部屋へ行けるようになったので、ひとまずそちらに向かいます。
ロッカー室
来るなり何かを察知し、厳しい顔つきになるケイジ。
探索するなら慎重にね、とサラに注意を促します。
ロッカーは調べても特に何もなく。開いているロッカーも、見てのとおり何も入っていません。
中央には棚のようなでっぱりがあります。何かが置いてあったのかもしれません。
そして一番気になるのは、床にある黒いシミ。何かが垂れてきた跡のようです。
天井を仰ぐと、そこには……赤いシミが。
血の跡でしょうか。
【選択肢】
→気付いてたんですか?
→なぜ天井に?
→ここは危険です!
なぜ天井に?
血が垂れてきていないあたり、掃除されて時間が経っているんだろうとケイジは推測します。
てっきり上の部屋で悲惨な事が起きて、雨漏りのように血が垂れてきているのかと思っていましたが、みんなの反応を見る限り、悲惨な事はこの部屋で起きたようです。
確かに、デスゲームするくらいなのにその建物が雨漏りするレベルってどうなのって感じですしねw
【選択肢】
→ミドリ……?
→最初の試練……?
最初の試練でしょうね〜。
でもその割にダミーズのみんなは無反応。自分が死んだ部屋に来たとなれば何かしら反応があるはず。
この中の誰かが……と思っていたケイジの予想は外れました。
よほどの演技力で誤魔化しているか、本当に別の誰かなのか。
私としては後者を推します。
ここがヒナコの試練を受けた場所であるなら、ピンクヒナコが乗っ取っている説とうまく噛み合うんです。
中身が入れ替わっているのなら、部屋に無反応でもおかしくないですから。
一通り調べ終わりました。
ギンくんもこう言っていることなので、さっさと出ましょう! そうしましょう!
……とはいえ、これでフロアマップに載っている部屋はすべて探索したことになります。
ミドリの姿もなければ、開かないドアに動かないエレベーター。完全に行き詰まってしまいました。
そこでランマルが提案をします。
「部屋のしかけも全部見たし、大勢で探索するより効率いいだろ?」
【選択肢】
→別々に探索しよう
→みんなで一緒にいるべきだ
えー! ダミーズのことは嫌いではないけど、信用できるかといったらまた別問題だからな〜。
人間ズが心配だわ……特にかよわいギンくん。
ケイジさんもQタロウもアリスもガタイがいいし、ソウは鋭いからなんとかなるとして、ギンくんは心配しかない……。
まぁ、ペアがヘタレなハヤサカさんだからまだなんとかなる?
現実的に考えると時間制限もあるので、別行動したほうがいいんでしょうけれども。
そういえば時間切れになった場合のペナルティとかも聞きそびれたまま……。仕事しないフロアマスターの下で行われるデスゲームつらい。
時間切れで全滅してしまうようなことがあれば元も子もないので、人間ズを信じて別行動……しましょうか!
大きな葛藤を経て、ランマルの提案を飲みます。
すると、ケイジからお声がかかりました。
サラはケイジに耳を近付けます。
ですよね! 特にケイジさん、あなたのペアは特に要注意ですよ。気を付けてくださいね。
「……わかってます」とサラが端的にそう答えると、ケイジはどこか嬉しそうに納得して引き下がりました。
ここからはペアでの別行動です。
推して参る!
最終章前編Part6(Abルート)はここまで
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