キミガシネ最終章前編Part28(Abルート)です。
最終章前編Part27(Abルート)はこちら↓
ヒトゴロシゲーム
ギンの記憶探し
交番
交番へやってきました。
ギンくんここにいたのか! 窓から覗いている姿がかわいい。
おもしろいのが、ここで灯籠を使うと、
ギンくんがちょっと動く。かわいい。
そして灯籠の明かりにより、ずっと真っ暗だった交番の内装が浮かび上がってきました。
なにやら張り紙がありますね。
見てみると、
【指名手配】
国城 忍(ごくじょう しのぶ)
天獄事件 脱走犯
犯人に心当たりがある人、この指とまれ!
と書いてありました。
天獄事件か……忘れかけた頃に出てくるとは……。
↑のときに少し話題が出たっきりですね。
要約すると、暴力団のトップたちが殺し合った事件のことです。
生き残った1人が裏社会のトップに君臨した──極道のテッペンに上り詰めたことから、天極事件(てんごくじけん)と呼ばれるようになりました。
……あれ? 張り紙には「天獄事件」と書かれていたんですが、由来を考えると「天極事件」の方が正しそうですね。
天獄表記は誤字かもしれません。
サラが張り紙に首を傾げていると、一緒に見ていたギンの顔色が徐々に悪くなっていきました。
ギンが天極事件を知っている?!
天極事件の話自体、サラとケイジが2人で話しているときに1回だけ出たきりです。
そのとき同じ部屋にナオとレコがいましたが、ギンの姿はありませんでした。
ならギンはどこで天極事件を知ったのか……。
本人に聞いてみても、いま急に思い出しただけでハッキリとは分からないようです。
ただひとつ言えるのは、誰かに教わった、ということだけ。
交番の内装を調べるために灯籠を点けましたから、その影響で少しだけ記憶が戻ったのかもしれませんね。
張り紙の話に戻ります。
改めて指名手配書を見たサラは、あることに気付きました。
犯人に心当たりがある人、この指とまれ!
この一文にある「指」の文字。
よく見るとふくらんでいるようです。
おもむろにその文字に触れてみたところ、
カチッ
怪しい機械音が!
それとともに何かが落ちて……
1本の指を入手。
(所持アイテム欄には表示されない)
ヒェェ……。
腕も大概ですが、部位が細かくなればなるほど持ち歩くことへの抵抗も増しますな……。
ドン引きしている私とギンくんをよそに、何かの手がかりになるだろうかと淡々と指を眺めるサラ。
たくましい子。
さて、思わぬ展開により遅れてしまいましたが、ギンくんとのお話タイムです。
1人で探索しているようなので、それは危ないとだけ軽く忠告しておきました。
ほほう。猫モードとな?
猫は危険を察知したら俊敏な動きで逃げる。そのモードで探索しているから、いざとなっても大丈夫! と言いたいようです。
その代わり、気まぐれだから探索には向いていないとのこと。
なかなか大きいデメリット。
しかしよくよく考えてもみると、探索しない代わりに自分の身はしっかり守れるわけで、これ以上ないほどギンくんにうってつけのスキルなのでは……?
少なくとも1人でいるときは猫モードを常時発動していて欲しい。
分かったワン!
……ワン? 猫モードなのに語尾は「ワン」でいいの……?
細かいことにツッコむのも野暮ですな。
とにかくギンくんは安全第一でよろしく頼むぞ!
(ワンって言いかけた)
そんなかわいいギンくんへ灯籠のお願いをしてみます。
消された記憶を取り返そう、と伝えると、
それができるんです。
そう、TOUROUならね。
……と切り返せたら良かったんですが、思わぬ核心を突く質問にサラも一瞬たじたじ。
思わず「むっ……?!」と言葉が漏れるほど。
人の記憶は完全には消えないのさ、とそれらしいことを言って上手く繋げたサラでしたが、
言葉ではなく、たじたじリアクションが成果を結びました。
どうやら分かっていて聞いた模様。
確かに質問の時点でニッコニコでしたもんね。まさかギンくんがサラをからかう日が来ようとは……。
かわいい(かわいい)。
では早速、灯籠チャレンジ開始です。
ギンのもやもやしている記憶は、小学校の保健室でした。
楽しい記憶だったのか怖い記憶だったのかすら曖昧になるほど思い出しづらい出来事になっているようです。
全部ちゃんと思い出してスッキリしたいと言う本人の要望を叶えてあげましょう。
……ということで、ここからはアリスのときと同じく間違い探しゲームです。
モヤがかった失われた記憶(右)に灯籠の光を当て、偽りの記憶(左)と異なる部分を探していきます。
そしてその差異をギンに気付かせ、本当の記憶を取り戻してもらいます。
ペン立てに黒いペンが刺さっていました。
いつもの保健室の先生は使わない、『あの先生』が来る時だけ現れる謎のペン。
ただのペン……であるはずもなく、ギンはその正体に気付いていました。
実はあれはペン型のカメラ。
おそらくギンを監視していたのでしょう。必然的にあの先生とやらが非常に怪しくなってきますね。
色合い的に嫌な予感しかしない紙が貼ってありました。
ギンに思い出してもらったところ、最悪なことにやはりあれは同意書でした。
サインしてしまったかどうかまではまだ不明です。
偽りの記憶では子供らしい蝶の絵が、不気味そうな絵に変わっていました。
ホワイトボードに貼ってある絵はすべてギンの描いた絵なのですが、蝶の絵だけは描いたことが無いと言います。
どうやらあれは、あの先生が持ってきた絵のようです。
ギンはそれを「インクの染みみたいでヘタクソな絵だった」とバッサリ切り捨てました。
もしかするとロールシャッハ・テストを受けさせられていたのかもしれませんね。
■ロールシャッハ・テストとは……
インクの染みを見て何を想像するかによって、その人を分析・診断する検査。
ギンにはそれが「ちょうちょの絵」に見えたことから偽りの記憶の方で蝶の絵になった、と考えればしっくりきます。
やめておけ……!
それだけはやめておけ……ギン……!
サラ画伯ともなると、
塗り絵でコレだぞ……!
悪いことは言わない、やめておくんだ。やめておくんだ。
お互いのために……。
棚に黒い箱のようなものを見つけました。
ギンによると、あれは金庫だそう。
あの先生がギンと話をするとき、いつも中から資料を取り出して書いていたようです。
ギンには決して中を見せなかったというソレ。
さすがのギンも、観察されているようで嫌だった、と答えました。
偽りの記憶では異常なほど大きい薬箱があるところに、アタッシュケースのようなものが置かれていました。
一体何が入っているのかと思えば、なんとあれはアタッシュケースではなくスピーカーでした。
そんなバカな……。
あの先生が、音楽を流しながら話すとリラックスできる、という理由で流していたようです。
話の内容自体は学校のことや家のことをいろいろ話したとのことで、状況的にギンはカウンセリングを受けていたのかもしれません。
偽りの記憶では一見どこにでもいそうな少年の格好をしているギンが、サラたちのよく知る格好をしていました。
それを思い出すやいなや、当時も今と同じ服装をしていたことを申し訳なさそうに謝りだすギン。
確かに学校へ行く格好としては珍しい方ですが、だからといって謝るようなことでもありません。
サラが不思議そうにすると、ギンはおそるおそる口を開きました。
【選択肢】
→理由は聞かない
→どうしてだ?
→寒いもんな
「寒いもんな。雪国に住んでいると」
これはイイ感じに場を和ませたぞ!
ギンは気温ではない本当の理由を話そうとはしますが、あと一歩のところで言葉が詰まって出せません。
そんな思い悩むギンに、サラは優しく声をかけます。
「……暖かくなった時に言えばいいさ。体でも、心でも」
wink⌒☆
そしてこの笑顔である。
イケメンつよい。
おや、髪型が違いますね。
ギンにあの先生の顔を思い出してもらったところ、衝撃的事実が発覚します。
なんとあの先生は、ミドリだった!
楽しい話や少し嫌な話、いろんな話を聞いてくれて良い人だとばかり思い込んでいたあの先生。
その正体がミドリだと知ったギンは、激しいショックを受けて震え上がりました。
少しずつ記憶を訂正していった結果、遂にギンは本当の記憶を取り戻します。
そしてギンは、今まで言うに言えなかった自身の秘密を打ち明けました。
ギンは自閉症だったんですね。
今着ている服以外だと、すごく恥ずかしくて緊張してしまうのだそうです。
それを「治そうね」と優しく言ってきたのが、他でもないあの先生……ミドリでした。
カウンセリング中のミドリは、わりかしまともに見えましたが、
すぐにころ……?
すぐに、ころ……
ころ……
……コロッケでも食べていたんでしょうね。
不良すぎて軽蔑します。
そしてこちらが不良とは真反対にすくすくまっすぐ成長しそうな天使です。
ギンは早く立派になって母親に頼られる男になりたがっていました。
そんな良い子へと降り注ぐ悪魔のささやき。
「アスナロの誓い……教えてあげようか?」
ミドリはここぞとばかりに例の話を持ち出しました。
なりたい自分に『明日なろう』という意味があること、ある紙に名前を書くとどんな願いでもひとつだけ叶えてくれることを説明します。
当然、都合の良い面しか話さないのでギンにとってはさぞかし魔法の紙に見えたことでしょう。
お願いごとの内容を聞かれたギンは、なんの躊躇もなく言い切りました。
「お母さんが健康で長生きするように」
自分の事ではなく母親を想った願い事。
予想外の返答にミドリも思わず聞き返します。
ギンは『立派になる』ことは自分のチカラで達成すると決めていました。
しかし、そのときに母親が居てくれなければ立派になった姿を見せられません。
それゆえの願い事です。
ギンの純真かつ健気な思考は、あのミドリに「ギンは、本当に良い子だね」と言わしめるに至りました。
それほどまでにギンにとって母親は大好きで大切な存在です。
そんな良い子をはめおって……。
アリスの場合は感情に呑まれたのが敗因としても、ギンの場合は普通に騙されている気しかしなくて釈然としません。
許すまじミドリ。
最初こそ気落ちしていたギンですが、思いを新たにすると「絶対に帰る」と強い意志表示をしました。
おー!
ミドリなんてすぐにころ……
ころ……
……衣替えしてやんよ!
残すは図書室のみ。
最終章前編Part28(Abルート)はここまで
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