3日目の朝にあるQタロウとの交渉に応じてみました。
200枚
不釣り合いな交渉
ロビー
3日目の朝、アトラクションを終えた後の交渉時間にはQタロウだけが1人佇んでいました。
Qタロウは自分のメダルを40枚差し出す代わりに、サラのメダルを20枚(10枚)要求してきます。
メダルを差し出すと、Qタロウは「行くところがあるから……」と言って足早にいなくなってしまいました。
パソコンの一件があってから、Qタロウの様子は明らかにおかしいです。
加えて今回の交渉。
応じるには応じましたが、どうにも引っかかって仕方のないサラは、さきほど出て行ったQタロウの後ろ姿を思い返し、後を追いかけました。
長い階段
Qタロウの行き先は、長い階段でした。
例の自動販売機の前に座り込み、何かをしているような動作が見受けられます。
それと同時に、カシャン、カシャン、とメダルを入れる音だけが静寂なこの場に響きます。
サラはおそるおそるQタロウに声をかけました。
【選択肢】
→それはこっちのセリフです
→アトラクションを手伝ってください
気付いていないフリをしてアトラクションの手伝いを頼んでみます。
が、ちょっとやる事がある、と当然ながら断られてしまいます。
そんなやりとりの最中でもQタロウはメダルを入れる手を止めません。
なんとなく異常性を感じとったサラは焦りながら、手を止めるように訴えかけます。加えて、その自動販売機は一体何なのかを問いただします。
メダルを200枚集めたと力説するQタロウ。
そして自動販売機の上にある青字で書かれた200という数字……あれはやはりメダルの必要数を表していました。
ここでようやくサラは脱出券の可能性に気付きます。
【選択肢】
→ひとりで脱出する気ですか!
→ジュースを買うつもりですか!
こんな状況下でもネタをぶち込んでくる……!
というか、ジュースなら黙って買わせてあげなさいよって話ですがw
そんなツッコミもしつつ……下ポチー(選ばざるを得ない謎の使命感)。
メダル200枚で得られるジュースなんて、よっぽど美味いジュースじゃなきゃ割に合わねえもんですが、さてはて……
Qタロウは嘘をつくのヘタクソかw
適当に話を合わせて流せばいいものを、わざわざ否定して自らの首を絞めるw
「いいえ、Qタロウさん。あなたは乾いているんです……」
……えっ、サラちゃんどうした?
「外の空気に……!!」キュピーン! (効果音)
うまいこと話を戻したー!
なにこの謎の名探偵感。さっきから状況に対して会話が軽いぞw
とはいえ図星を突かれたのか、Qタロウは慌てふためきます。
「全員で脱出するために!!」
Qタロウの熱弁むなしく、それはウソだとサラにあっさり否定されます。
Qタロウはフェアプレー精神を大事にしています。本当にその気だったのなら、メダルを交換する時に言っているはずです。
しかし、そんなことは一言も言っていません。
それは……ひとりで脱出するつもりだったから……!
サラに見抜かれたQタロウは、しばし黙り込みます。
再び口を開いたかと思うと、どこか吹っ切れた様子で「……何が……悪いぜよ……!」と、耳を疑う発言をこぼしました。
そして、あくまでも不正はしていないことを強く主張してきます。
「助けだって呼ぶぜ! 何人いるかわからない誘拐犯相手に反乱起こすより……よっぽど現実的だ!」
さすが現実主義者。
先に脱出するからと言って、みんなを見捨てるつもりはないと言いますが……そんな都合の良い展開に期待できたらデスゲームは苦労しないんですよ。
【選択肢】
→ずるいです!
→出る時はみんな一緒です!
→子供だってがんばってるんです!
ここまで一緒に苦難を乗り越えて来た仲じゃないですか。
出る時はみんな一緒だと説得するも、「そんな希望、どこにある!!」と、サラの言葉は一蹴されてしまいました。
「ミシマやジョーみたいに殺されるか……! カイのように自決するか……!! どっちかを……選ぶだけぜよ!!」
これはひとりが確実に帰れるチャンスなのだと、熱弁を振るいます。
それでも引き留めようとするサラに、Qタロウは重々しい口調で自身のことを語り始めました。
まだ一度も、一軍のマウンドに立ったことがないというQタロウ。
両親が居なくとも夢を見ていいし、夢を叶えることもできる。その事実を孤児院の子たちに見せてやりたい。
それこそが、Qタロウを脱出へと突き動かす原動力でした。
語り終えたQタロウの指が、最後のメダルに触れます。
突如としてノエルが現れました。
Qタロウは、この期に及んで脱出はウソだとでも言い出されるのかと勘繰り、ノエルの言葉を待つより先に食ってかかります。
しかし、脱出自体は本当にできるとノエルは断言しました。正真正銘の自由となり、死から解放されます。
ただひとつ……残された者の扱いを教えていなかったために、それを伝えに来たようでした。
脱出とはすなわち、一人勝ちのこと。
顔を歪めるQタロウに、ノエルは笑って謝ります。あくまで「言い忘れた」のだと。
しかし言い忘れでは済まないと激昂したQタロウは、既に使ってしまったメダルをどうしてくれるのかと問いただします。
それを受けて、ノエルもフェアじゃなかったこと認め、使ったメダル全部を特別に払い戻すと寛容的な対応を見せました。
……ここ、ちょっと気になるんですが、なんで入れたメダルは返ってこない前提なんでしょう?
サラがレコと一緒に自動販売機を確認したとき、レコが投入したメダルは返却口に返ってきていました。サラはそこから取り出してレコに返したわけですから。
当然のように返ってこない前提で話が進むので、少し釈然としません……。モヤモヤ。
とりあえず今回は特別に払い戻してくれると言うので、いま取り消せばQタロウが割りを食うことはありません。
しかしQタロウは安心するどころか、より一層、切羽詰まったように顔を歪めます。
その隙をノエルは見逃しません。
「えー! 怖〜い!」
怖〜い! (同調)
Qタロウは自分の命と仲間の命が掛けられた天秤に苛まされていました。
【選択肢】
→すがりつく
→威圧する
みすみす仲間の命を見捨てておいて、孤児院の子たちに胸張って顔を合わせられるのか? ん? (威圧)
正真正銘の自由なんて嘘つきの人形(ノエル)のでっち上げであり、騙されているのだとサラは説得します。
が……。
「…………すまねぇ……サラ……」
カシャン……
瞬間、けたたましい音が鳴り響きます。
無機質な機械音。
とても長い、永遠に続く音。
その音に紛れて、わずかに聞こえた扉の開く音。
Qタロウはその扉の先の光へと包まれていく。
わずか数メートル先に見える希望の光を眺めながら、サラの意識はそこで途切れました。
脱出END
「このッ……裏切りもんがあぁああ」
と、エレンさながら巨人化して暴れ狂いたいところですが、私が親指を噛んだところで痛いだけなのでやめておきます。
Qタロウの原動力は孤児院の子たちに夢を見させることにありますが、このENDに限っては、結局自分が一軍のマウンドとやらに立ちたいだけなのでは? と疑いたくなりますね。
自分が脱出すれば他全員が死ぬと分かっていて、それでも脱出しているわけですから極端な話、殺人をしたようなもの。
殺人者というレッテルこそ貼られないものの、凄まじい自責の念に一生駆られるでしょう。
仲間の命は見捨てておいて、孤児院の子たちには夢を〜なんて支離滅裂にもほどがあります。
それならいっそ自分の夢のために見捨てたと言ってくれたほうがしっくりきます。
いざとなると自分優先な現実主義者。とても人間的でQタロウらしいです。