【虚構推理】真実を嘘の推理で覆い隠す【感想・レビュー】

推理漫画を読みたい。

かといってリアル寄りなガッツリしたものではなく、金田一やコナンのようなほどよくヲタク心をくすぐるもの。

できればとっつきやすい、かわいいorかっこいい絵柄だといいな~。

と、探して行き着いたのが「虚構推理」

タイトルからしてこれは推理が期待できるぞ!

と、期待を胸に読んでみました!

スポンサーリンク

内容

怪奇の神様であるヒロイン(琴子―ことこ)と、怪奇もビビる彼(九郎―くろう)とのタッグで世界の秩序を守るお話。


……世界の秩序? あれ、推理は……?

と思うかもしれませんが、全体を通して説明するとなると「これこれで謎を解いていく話」ってのは、いまいち当てはまらないんですよね。

金田一やコナンみたいに推理するために事件が発生するというより、ストーリー上で推理せざるを得ない状況になったので推理したといった方がしっくりきます(6巻までの感想としては)。

なにせ現時点で7巻まで発売されていますが、1巻から6巻に至るまでまるまる「鋼人七瀬編」という1つのお話しか取り扱っていません。結構長い。

いろんな事件をサクサク解いていくタイプを期待していた私としては、そこはちょっと残念です。


また、タイトルがタイトルだけに推理に対する期待が大きくなりがちですが、なんと2巻までは大してミステリー要素なし!

これは原作者の城平京先生みずからもおっしゃっています。

最初はヒロインとその周りの説明や事件の発生だけ。

初っ端から妖怪とかわちゃわちゃ出てくるので、むしろそっち系かな? と思うほど。

これ本当に推理するの……?

と、何度疑ったことか……。

諦めないでください、3巻からやっとそれらしくなります!


タイトルの「推理」に「虚構」がついているだけあって、ただの推理ではないところが一風変わっています。

真実を探るための推理ではなく、真実を知りながらもそれだと都合が悪いので「嘘の推理」によって真実を隠す。

これだとまるで主人公側が犯罪者かのように聞こえますが、れっきとした正しい人たちです!

秩序を守るための「嘘の推理」。

さてここで、さきほど述べた初っ端からわちゃわちゃ出てくる妖怪たち。

推理ものになんで妖怪? と不思議な面はありましたが、むしろ怪異を取り入れたからこそのストーリーとなっているので、不可欠な要素でした。

といっても、推理に怪異が首をツッコんできて萎えるといったことはないので安心してください。

どちらかといえば、真実の方があり得ない設定になっているので。


このとおり、ひと味違う推理ものとなっています。

真実を追い求めるものではないので、ヒントを得ながら推理していくという楽しさはありません。

そもそも真実は真っ先に判明しますからね。

そこからどうやって嘘の推理をするかというのが主軸なので、読者に推理の余地はありません。なにせすべて嘘ですから。

読者も嘘の推理を考えるという推理の仕方はありますが、そこに絶対的な正解はありません。

強いて言うならば、ヒロインと同じ推理をすれば正解ということになりますかね?

ただ、その嘘の推理を周りがどれだけ信じるかは作者のさじ加減によりますから、結局正解とは言い難いでしょう。

やはり推理をするからには絶対的な正解が欲しい。推理の当たり外れで一喜一憂して楽しみたい。

そういった方はもやもやしてしまうかもしれません(実際私がそう)。

推理を楽しむというより、推理を読む作品といった方が近いです。


それにしても非常によく考えられたこの作品。

何も知らずに読み始めましたが、原作者が城平京先生と知って、あぁなるほどなと。

「スパイラル~推理の絆~」「絶園のテンペスト」の原作者で、よく漫画の原作をされている方です。

「虚構推理」を読んで確信に近いものを感じ取りましたが、城平先生はおっかけ女子が好みなのでしょうか?!

上記3作品とも、振れ幅はあれどクール系な男子に女の子がグイグイくる構図は変わりません。


また、作画の片瀬茶柴先生の画力の高さも素晴らしいです。世界観がよく伝わってきます。

なんといっても琴子がかわいい! 抜群にかわいい!

かわいさの反動でたまに品の無い発言もしますが(?)。

普段は余裕に満ち満ちあふれているのに、いざとなると照れてツンが入るのも非常にかわいらしいです。

できればもっといろんな衣装の琴子が見たい(願望)。

片瀬先生のおまけ漫画もおもしろく、何気に楽しみの1つです!


原作は小説です。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする