キミガシネ第二章前編Part26の分岐Aルートです。
第二章前編Part25はこちら↓
最後のアトラクション『裁定の間』
Aルート
VS(とうろん)やアイテムの突き付けで一切ミス無しでも、発言者全員の話を毎回ひきだしていると必ず時間切れになります。
これからってところでタイムアウト。
議論は中途半端に打ち切られてしまいます。
そのつもりはなくとも、結果的にギンを見殺しにする形に……。
『まもなく3本目の毒矢が発射されます』
『5』
『4』
『3』
『2』
『1』
『スイッチが押されました。標的を最優秀者に切り替えます』
きゅ、Qタロウ……!!!
『0』
カウントダウンが終わるとともに聞こえる発射音。
Qタロウが受け止めてくれるとあらば、3本目もなんとか凌げます。
さあ、議論続行……と思いきや!
なぜか残りの注射3本すべてが打たれてしまいました。
どゆこと?!
フライングすぎない?! 聞いてませんよ!
これは……! 二章前編が開幕してすぐ出てきたスチル(に酷似したやつ)!
こういうことだったのか……。
発射音は3発あったので、全て打ちきった=ゲーム終了、ということで2人とも的から解放されたっぽいですね。
そもそもなぜあのタイミングでいきなり3発も打ってきたのかはよく分かりませんが……。
ノエルは「3本目のお注射の時間」、アナウンスも「3本目の毒矢」と言っていたのに。
連射するなら5本に分ける意味も無いですし、最初から3本で良かった話。
納得のいく説明が欲しい。
起き上がることもできず、地面にぐったりと横たわったままの2人。
1本目から打っていれば……とQタロウは後悔の言葉をつづりながらギンへと謝ります。
しかし、もはや話す気力も無いのかギンから返事はありません。
ゲームが終了したことで緑の壁は消え去り、同時にケイジは解毒薬を取りに駆け出しました。
サラたちの乗っていた鑑賞席も、ゆっくりと地上に戻ります。
毒に苦しむ2人をサラはただ見守ることしかできません。そんななかナオから提案されます。
いつの間にかニセレコ逃げた? それとも単に本物を捜しに行くという意味?
どちらにせよ、苦しむ2人を放っておけないサラは無理だと断りますが、解毒薬ならケイジが取りに行ってくれています。
ここにいても何もできることはありません。
自分たちがすべきことをする、ナオはそう強く説得します。
それでもサラは決心がつかずにためらい……。
見兼ねたナオはサラの手を引っ張り、そのまま『裁定の間』を後にしました。
2人の背中を見送ったQタロウは、ぼそりとつぶやきます。
「……すまねぇな……ナオ…………」
これは一体なんの謝罪なんでしょう?
深い意味があるようにもとれますし、単純に協力できなくて申し訳ないという風にもとれます。気になる。
人間と人形
嘘の間
2人が向かった先には、ノエルとハンナキーが待ち構えていました。
どうやらここは嘘の間のようです。
こんな感じの部屋だったんですね。
おそらくノエルたちの立つ位置あたりに、クリアチップと『幸せのクモの糸』が置かれた机があったんでしょう。
そして奥の円柱部分にレコは引きずり込まれた……と見るべきですかね。他に何も無さそうですし。
さておき。
ノエルの言うセッティングとは何のことかと尋ねるよりも早く、目の前には現れたのは……
2人のレコ。
本物のレコ姐さんだ! お元気そうでなにより! このたびは、とんだ災難でしたね!
右手の傷を見れば真偽も判別可能です。
と、判別するまでもなくあっさりと白状してしまう右のレコ。
2人のレコをクイズにしようと考えていたノエルは、あっけないネタバレに落胆しました。
しかし大して気に留めた様子も無く、勝手に話を進めていきます。
ドッペルゲンガーというとぬ〜べ〜を思い出す。
知らない場所で自分が目撃されたり、あるいはもうひとりの自分と遭遇したり……ある国ではそんな現象を死の予兆と考えているらしい、とノエルは説明しました。
言い終わると同時に、けたたましい音が鳴り響きます。
それは、2人のレコの首元から。
これはドッペルゲンガー。つまり、
ノエルは、救いたい方を選ばせてあげる、と言ってきます。どちらも選ばなければ両方が死ぬ、とも。
ギンを見捨ててまでニセモノのレコの命を守ったにも関わらず、ひどい仕打ちにサラは憤ります。
その様子を見て、ノエルはサラの勘違いを指摘しました。
サラではなく、ナオ。
本物を選ぶに決まってる、と右のレコは抗議します。
……いや、サラにしろ本物を選ぶに決まっているので、君が抗議すべき点はそこではないというか手遅れというか詰みというか……。
文句の多さにうんざりしたノエルは「特別サービス」と言って、
何かを床に落としました。
それは、カイが自害に使った包丁。
ただの包丁ではなく、わざわざカイさんが使ったものを用意するあたりがなんとも……。
包丁に驚く左のレコ。一方で、我先にと包丁を手に取る右のレコ。
包丁を手にした右のレコは、痛い目を見たくないなら自分を選ぶようナオに脅しかけます。
なんとゲスい右のレコ……。
ひえ〜おそろしや〜!
もしかしてゲスを極めてらっしゃる……?
しかしニセモノといえど、仮にも本人の性格に基づいているだけあって、あんまり好き勝手には言えないもどかしさw
だとしても本当、過去のレコさんは性格悪過ぎですねw よく軌道修正できたものだと感心します。
そんな恐ろしい片鱗を覗かせるレコですが、ナオには見抜かれていました。
「……だって、レコちゃんのコピーだから……。短い時間でしたが分かります……。友達を傷つける事なんて……できないんです」
ナオもレコが友達だから救わなければなりません。
ごめんなさい、と謝ったうえで……
言い終わるよりも先に、右のレコが狂ったように叫び声をあげナオの言葉をかき消しました。
それとともに、何かを突き刺す音。
?!
(本物の)レコさんがーッ!!
友達を傷つけることは出来なくとも、自分自身なら出来るということか……。
「殺した……殺してやったぜ……。勝った……! オレは生き残ったんだ……!!」
生き延びたことを確信するニセモノのレコ。
しかし、首輪の音は鳴り止みません。
なぜならそれは、ナオに選ばれなかったから。
そこですべてを悟ります。
「始めっから……ニセモノのオレを生かす気なんか……なかったんだろ……?」
これはしんどい……。
絶望に染まり、涙がメイクとともに流れ落ちます。
もはや乾いた笑いをこぼすほかなく。
そんな事情など知る由もない首輪は、非情な音をひときわ大きく響き渡らせ……
「……へー、爆発タイプだったか」
のんきに首輪の感想を述べるノエル。
……あれ? だいぶ最初の方に遡りますが、ホエミーが「首輪は爆発なんかできない」とか言っていませんでしたっけ?
ニセモノは違う仕様なんでしょうか? わざわざ?
凄惨たる現場に、ノエル以外の者は一様に言葉を失ったまま。
そんな状況へ、ある者が駆けつけてきました。
来るのが遅いぜよ!
アリスのことなので、ゲーム終了とともにニセレコを追うなり本物のレコを探すなりしたはずですが、ここまで遅かったのは……まさか道に迷っていた……?
それくらいしか思いつく理由は無いですね……。
茫然自失のサラとナオの目を覚まさせ、説明を要求するアリス。
「レコさんはもう……」
たった一言そうつぶやくのが限界だったサラですが、意味は十分に伝わりました。
それでもレコの死を受け入れようとしないアリスに、ノエルは床に広がる大量の血液を指して現実を見せつけます。
しかしアリスは、それをニセモノのレコの血だと疑ってかかりました。
何気に結構重要な発言?
ロシアンルーレットのときの人形が緑の血を流していたので、てっきり人形=緑の血なのかと思いきや、あんまり関係は無さそうですね。
血の有無で人間と人形の判別がつくのであれば、現時点で流血を確認できたホエミーとハンナキーは人間で確定でしょう。
それでもまだ謎は多き。
ノエルは、首輪の爆発ゆえに顔が無くなってしまった方がニセモノだと教えてあげますが、アリスは頑なに認めようとしません。
アリスにとってレコは、自分なんかよりずっと強くて、強運で、憎たらしくて──生きる価値のある人間。
そして、たったひとりの妹。
「レコを返してよぉぉーーーー!!!! 殺すッ!! アンタだけはッ!!!!」
非道な言葉に怒りも飛び越え殺意に芽生えたアリスは、たまらずノエルの元へと飛びかかります。
鬼の形相で迫り来るアリスを前にしても、ノエルは取り乱すことはなく。むしろ愉快そうに笑い声をあげます。
どうやらフロアマスターが死ぬとサラたちみんなも死んでしまうよう仕組まれているらしく、いわばアリスの行動は自殺……だけに留まらない全滅行為です。
とはいえ、いまさらそのことを教えてもらったところで、今のアリスの耳には届きません。
一心不乱に駆け寄る様を見てノエルは、しかたない、と割り切ると、まるでゲーム感覚でアリスの始末を取り決めました。
ひとつの銃声が響き……
あらやだ、かわいい。
やっぱりノエル好き(宣言)。
男の子でも女の子でもいけるかわいさ。フランクで毒っぽい性格も好みで◎をあげたいところですが、度が過ぎる部分だけが難点……。
いや今はそんなことより、銃弾がノエルの脳天を直撃してしまっているではないか! (かわいさで吹き飛んでいた)
ノエル、脱落しちゃうの……?
「過ぎたマネをするな、トト・ノエル」
ぽ、ぽぽぽぽ、ぽさん?!
なんでもないモブキャラのフリをして、実はお前が主犯格か?!
考えてもみれば、なんでもないモブキャラにしては目力が凄かったわ! タコヒゲとか「ぽ」とかポケットの草とか、別の情報量が多くて見逃してしまっていた……! 迂闊……!
ノエルは受付人形のことを「父さん」と呼びます。
生みの親を「ご主人さま」とか「マスター」とか呼ぶようなあの感覚でしょうか。
頭を直撃したわりに平然としているように見えるノエルでしたが、やはりダメージは相当なものらしくその場に倒れ込んでしまいます。
「……は……早く直してよ……父さん」
助けを求めるノエルに、受付人形は別れを告げます。
当然、嫌だと抵抗するノエル。
「オレの事……嫌いになっちゃったのかよ……!」と、その様子は、まるで駄々をこねる子供のよう。
自分は父にとっての最高傑作だと自負していただけに、今の状況にとても理解が追いつきません。
そんなノエルに受付人形が理由を述べます。
ノエルが最高傑作だったのは、もう過去の話。
確かに、今まで作ってきた人形の中で最も人間に近くありました。
それはなぜか?
父の愛情を一番に受けたから……とノエルは考えていましたが、実際はそんなあたたかい理由ではありません。
嫉妬心、受付人形は端的にそう言い表しました。
ノエルの感情プログラムに、人間への過剰な劣等感や憎しみを植え付けたのです。
「人間はいいなぁ」「人間が羨ましい」「なぜ自分は人形なんだ、人間の何が偉いんだ!」……と。
……なるほど。犠牲者のビデオ3での異常な言動はそのせいだったんですね。
絶対に覆せないコンプレックスを持ち、嫉妬心に燃えたノエルは……まさに『人間』に値したのです。
そして受付人形は、負の感情こそが人間を作るのだと確信しました。
知られざる真実を聞かされ、いつも余裕あり気なノエルが珍しく衝撃を受けます。
しかしながら、なぜそこまで完成度の高かったノエルに直接手を下したのか。
それは……嫉妬心が強すぎたからでした。
嫉妬の炎が強すぎればモンスターへと変貌してしまう。人間も同じです。
「お前は計画のジャマだ、失敗作が」
ああ! 私のノエルになんてことを!
許さんぞ、ぽ! 略して、ゆるぽ!
本当にお見苦しかったですよ! どうしてくれるんですか! ゆるぽ!
受付人形は何事もなかったかのように今後の説明を始めます。
生き延びた者たちを、再びメインゲームに招待するために……。
今度は一体どんな内容のゲームが待ち受けているのかと思えば、どうやらメインゲームというのは1回目のものと内容が同じようです。
身代詰みゲー。
前回のようにカードを拾う必要は無く、今回は既に全員の持つタブレットに、鍵番、身代、賢者、平民、各種カードデータが振り分けられています。
急にアナログからデジタルに進化した感。
もちろん無作為ですが、身代なんて振り分けられてしまった人は堪ったものではありません。カードと違ってすり替えもできませんし。
今回は、そういったことに対する特別な救済システムが用意されています。
役職カードを強制的に他者と交換できる、チェンジ機能。
チェンジ機能を利用するには、獲得したマイメダルを使用します。ここまで集めた信頼のメダルが勝負を分かつということですね。
……でも、お高いんでしょう?
ケイジさんと交換した20枚しか持って無いサラには無縁な機能だろうことが既に分かりきってるぜ! 主人公補正さえあれば問題ない。
というわけでメダル貧乏には恩恵が無いチェンジ機能ですが、Qタロウが報われる一点においては良システムとも呼べます。
最優秀者でありながら損な役回り過ぎてかわいそうでしたからね〜。集め損みたいなところがあったので。
メダルの心配をする私をよそに、アリスは受付人形に対してその正体を問いかけます。
改めて人形らしく自己紹介を始める受付人形でしたが、もはやそんな面倒な設定はいらないと判断し、素直に名乗り出ました。
すごく執念深そうな名前。
セリフ上ではカタカナでガシュー表記になるのですが、これがまたガトーショコラとシュークリームを合わせた洋菓子の名前みたいでなんともおいしそう。
そんなどうでもいいことはさておいて。
佐藤の名字ってカイさんと同じですね。もしかしてこの人が誘拐犯組織に属するカイの親でしょうか。
このメールを送ったのも?
確かに感情表現の少なさは、この親にしてこの子ありといったところ。
ガシューは最後に一言だけ残しました。
「さぁ、メインゲームを始めましょう」
裁定の間
一方、その頃『裁定の間』では……
2人とも復活していた!
目覚めたギンに、Qタロウはスイッチのことを真っ先に謝りました。
ギンは「……押してくれたワン」と優しい言葉を投げかけます。
Qタロウが言いたいのはそのことではなく、ギリギリまで迷ってしまったことについてでした。
それでもギンは責めたりしません。
「……別にいいニャン……生きてるワン」
結果良ければすべて良し、と言わんばかりの寛容的な態度を見せます。人は彼を天使と呼ぶ。
これにはQタロウもすごく救われたことでしょう。
ギンへとお礼を述べると、ギンもまたQタロウへとお礼の言葉を送りました。
第ニ章前編 終
分岐Aルートは、レコ死亡ENDでした。
レコには生きていて欲しかったのですが、ストーリーとしてはこちらのほうがしっくりきます。
なんにせよ素晴らしい泣きゲーです。え、違う?
BルートのENDはこちら↓
普通にプレイして先に行き着いたのがAルートだったこと、ストーリー的にもしっくりくることなどから、第ニ章後編はAルートを軸に進めていきます。
第ニ章後編Part1はこちら↓