キミガシネ最終章前編Part29(Abルート)です。
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ヒトゴロシゲーム
ソウの記憶探し
図書室
図書室へやってきました。
ソウが本を読んでいますね。
しかし、ゆったり調べ物をしているようには到底見えないほど、その表情は苦悶に満ちていました。
一体何を読んでいるのかと思えば、前に見つけた『ツキミシン 人工知能テストデータ』でした。
天極事件に続いて、これまた記憶に薄い情報が出てきましたな……。
↑ここで少し出てきた青い本のことですね。
見つけたときは本がビチャビチャでろくに読めませんでしたが、今は乾いて読めるようになったのかもしれません。
ソウは、ミドリが書いた実験日記と言っていましたが実際のところはどうなんでしょう。
当時わずかに読めた部分だけでも、なかなかのキモさを発揮していただけに、あまり気は進みませんが……。
一方でサラはずいぶんと内容が気になるらしく、ソウが「ロクでもない」と吐き捨てた本を咄嗟に取り上げました(強い)。
重要な情報でもあると期待したのかもしれません。
いざページをめくってみると……
●月●日
『悠久の風に吹かれ 笑顔をこぼすシン』……
ア……
実験日記と言えば聞こえはいいですが、サラが見た限りはポエムがメインでした。
こういうのって本来は書いた本人が辱めを受けるものですが、ミドリは読まれたところで恥ずかしがりそうもないですし、ソウが一方的に被害を被るだけになっていますね。
なかなか手強い新手のメンタル攻撃。
しかし重要な情報が紛れていないとも限らないので、他人に読まれたくないのであれば頑張って自力で読解してくださいね! ニコッ!
本の話はこの辺にして、灯籠のお願いをしてみます。
失われた記憶を教えやがれください。
想定通りの反応!
しかしそんなことで引き下がるサラではありません。
ミドリと一番関わりが深いとはいえ、本当に彼のすべてを知っているのか、と直球の質問をぶつけたところ、これが見事にクリーンヒット。
ソウはミドリとは確かに友達だったと前置きしたうえで、
だからこそ興味が湧いてきたのかもしれません。
サラに「一緒にのぞいてみる……?」と、自ら持ちかけてきました。
もとよりこっちはその気でしたから、それはもう望むところです。
むしろよく乗ってきてくれましたよね。断られる前提でいただけに意外でした。
では、灯籠チャレンジ開始です。
ソウの気がかりな記憶は、ミドリと共に過ごしたあの空間でした。
ミドリからいろんなことを教わった、はたから見れば冴えていない青春時代。
今思い返すと、何かが変だった気がするようです。
灯籠によって本当の記憶を呼び起してあげましょう。
……ということで、ここからは間違い探しゲームです。
モヤがかった失われた記憶(右)に灯籠の光を当て、偽りの記憶(左)と異なる部分を探していきます。
そしてその差異をソウに気付かせ、本当の記憶を取り戻してもらいます。
暖房の勢いに若干の違いが見て取れますね。
あまり大したことではなさそうですが、実際には火力マックスで部屋を焚いていました。
部屋が寒いとカゼを引いてしまうから暖房を強めにするのだとか。
しかしこれだけ精密機械を揃えた部屋で火力マックスなんてしても大丈夫なのだろうか?
……という不安をサラが代弁してくれたところ、当然ミドリには止められていたようです。文句を言われるほどに。
なので火力マックスにしても良かったのはミドリがいないときくらいだったそう。
偽りの記憶では大きなカバンがあるところに、紙切れのようなものがありました。
ソウによると、ある日カバンは無くなり、1通の手紙だけが残されていたようです。
手紙の内容は至って簡素なものでした。
『世話になった。パソコンのデータを消しておいてくれ』
ソウが素直に従うはずもなく、調べようとして漁ってはみたものの、
『のぞいちゃダメだぞっ!』
という文章の表示と共に、すべてのデータが消えるプログラムが作動してしまいました。
ソウの人となりを理解したうえで、そこまで織り込み済みだったのでしょう。
さすがに用意周到ですね、ミドリは。
偽りの記憶では風景の写真が、ソウの写真になっていました。
ミドリは、やたらとソウの写真を飾りたがっていたようです。
そのわりに自分の写真は一切撮らせないため、ミドリの写真は1枚もありません。
ソウが試しにカメラを向けてみたときには、凄い殺気を感じたとか……。
存在した証を何一つ残さないことへの徹底っぷりは相当なものだったと考えられます。
壁に貼られた紙が減っていますね。
無くなったのはパスワードが書かれたメモでした。
テープがはがれてどこかに行ってしまったものだと思っていたソウも、今となってはミドリが消したんだろうと結論づけました。
何に使っていたか分からないくらいどうでもいいパスワードだったはずですが、消したということは実は重要なパスワードだったのかもしれません。
……と見せかけて、結局何の意味もないことをするのがミドリという人物だと知っているソウは、答えの出ない謎に頭を悩ませることに。
左上のモニターに嫌な色合いの紙が映り込んでいました。
そう、あれは同意書。
ここにきて急に同意書のデジタル化? と思っていたら、どうやらあれは印刷して使うためのデータでした。
言うなればすべての同意書の根源。
さっさと消せば良かったと冷ややかな目を向けるソウですが、そんなことをしてもあまり意味は無いでしょうね。新しいものを作れば済む話ですから。
ところでソウは同意書にサインしたのでしょうか?
サラが直接尋ねてみましたが、だんまり。
それはもうYESという意味なのでは……。
ミドリの姿がありません。
ある日失踪してしまったようです。
理由も何も分からないまま、2度と戻ってくることはなく……
!!
なるほど! アリスに殺されたことで予定が狂ったんですね!
確かにあの出来事にはだいぶお怒りでしたから、裏を返せばよっぽどの事があったのでしょう。
ソウは事件当時のことを思い浮かべ、被害者(ミドリ)の名前が公表されていたなら、もっと驚き安心していたかもしれないと言います。
「安心」という言葉に引っかかりましたが、これにはちゃんと理由がありました。
ソウにとってミドリは、一言では言い表せない複雑性を持った存在だからです。
友達のように思える反面、恐れてもいて。かと思えば悪のヒーローのように憧れていたときもあったり。
サラって陽キャですかね? わりかし陰みを感じるんですけれども。
ソウからしたら、男女からモテモテでキャッキャウフフしているサラは陽キャに見えても仕方ないのかもしれない。
ミドリがしているはずのマフラーをソウがしていました。
なんとなく着けるようになったとのことですが、その行動原理はおそらく「突然消えたミドリへの寂しさ」。
他でもないソウ自身がそう推測しました。もちろん今となってはその感情を認めたくないみたいですが。
当時はこんな計画を企んでいたとは露ほども知らなかったわけですから、懇意にしていた友達が急に消えて寂しさを覚えたとしても不思議ではありませんね。
少しずつ記憶を訂正していった結果、遂にソウは本当の記憶を取り戻します。
ソウとミドリは毎日、秘密基地で遊ぶように家に集まってパソコンをいじっていました。
そんなある日、ミドリは突然姿を消します。
嬉しくてホッとしたような、友達が消えて寂しいような……そんなワケの分からない感情にソウは苛まされました。
ミドリを捜すべきか迷ったものの、手がかりと呼べるものは何ひとつ残っていません。
結局、できることといえば思い出を振り返ることだけ。
その最中で、ミドリとのある会話を思い出しました。
あら、かわいい。
驚いたことに、思い出の中のソウに今のソウの面影は一切ありません。
「えへへ……」と笑ったり、物腰柔らかなその話し方は、まさにAIシンそのもの。
やはり本当のソウの人格はこちらであるということなのでしょうか。だとすると今のソウの人格は一体どこから……。
それはさておき。
ミドリはソウに願い事が無いか聞いていました。
お金か、自由か、それとも権力か。
ソウは少しばかり考え込んだのち、意外な言葉を発しました。
それは一度だけ、両親が話しているのを耳にしたという話。
自分に兄弟がいるかもしれないこと。
年齢や性別といった情報は何も分かりません。
会っても失望されるだろうという自己肯定感の低さから前へ踏み出せないでいますが、このタイミングで話し出したということはやはり会いたい気持ちが強いのでしょう。
つまりそれがソウの願い事。
話を聞いたミドリは、ある提案を持ちかけました。
願い事を叶えてあげるから、ソウはなりたい自分になって立派な姿で会うように、と。
まるで魔法使いのような発言です。
最初こそ半信半疑だったソウですが、出来て当然とばかりに満ちあふれたミドリの自信に気圧され、結果的にこの提案を呑みます。
するとここぞとばかりに、
「これは『アスナロの誓い』だ」
と、ソウの決意を形にすべく、ミドリは嬉々として同意書の作成を促しにかかりました。
同意書を「書こう!」ではなく「作ろう!」と誘っているので、計画の実行はここから始まったのかもしれませんね。
そんな裏事情など知る由もないソウからしてみれば、口約束くらいの話をわざわざ書面に残すなど大袈裟以外の何物でもないでしょう。
ミドリいわく、そこまでする代わりにソウの願い事が叶ったら次は自分の願い事を叶えてもらうつもりでいるようです。
それが本気なのか冗談なのかまでは分かりませんが、それだけ「ソウの願い事を叶える」点においては本気であるというアピールなのかもしれません。
特に疑う様子も無いソウはミドリと仲良く談笑を続ける中で、ポロッとその心中を明かしました。
「まるで……キミが兄さんみたいだ」
?!
ソウとミドリの兄弟説浮上?!
言われてみれば髪周りの雰囲気がちょっと似ている……ような?
ミドリはソウには特別優しいというか好きなんだろうな感を出していたので、それがお兄ちゃんだからという理由だったならだいぶ納得はできますね。
思えば初めて会ったときから、
ソウに対して親のような発言もしていました。
兄弟か……そうなると先程のソウの回想も違って見えてきますね。
すべてはミドリの手のひらの上。
まるでソウが事の発端であるよう仕組み、あまつさえ計画の手伝いをさせていたのでした。
そうとも知らないで、居なくなってしまったミドリに会うために健気に努力していた日々。
今にしてみれば自分の愚かさに憎しみすら湧くことでしょう。
気持ちの整理がつかないのか無言で頭を抱えるソウでしたが、少しの間を置くと吹っ切れたように普段の調子に戻りました。
情緒の変化が著しい。
これで全部屋の探索が終わりました。
最後の1人と話し終えたら自動的にイベントでも始まるかと思っていたのですが何も無し。
過去に迷子になったときの記憶がよみがえる……。
もう一度、全部屋を見て回ることにします。
最終章前編Part29(Abルート)はここまで
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