キミガシネ第二章前編Part16です。
第二章前編Part15はこちら↓
信頼売買ゲーム〜2日目・夜〜
アトラクション
憩いの場
心霊シャッターゲーム
参加人数:2人
報酬クリアチップ:★★
難易度:ふつう
青い人魂をゲットして行き、幽霊が出たらすかさずシャッターを押して撃退しよう。人魂を溜め切ればゲームクリア。
選べる相棒:ケイジ、レコ、ナオ
ケイジ《難易度:ふつう》
ケイジを操作時、溜めたエネルギーの時間経過での減少が無くなる。
レコ《難易度:かんたん》
レコを操作時、敏感な本能ゆえに幽霊が現れる少し前に虫の知らせがやってくる。
ナオ《難易度:ふつう》
ナオを操作時、青い人魂を回収した時のエネルギー量が増える。
青いヒトダマをタッチして集めていき、下のゲージをMAXまで溜めればゲームクリア。
ときどき出てくる心霊は放っておくとダメージを受けるので、赤いボタンを押してシャッター撃破。
時間経過、赤いヒトダマに触れる、シャッターを押す(空打ち含む)、で溜めたエネルギーは減ってしまいます。
なんとも零シリーズを彷彿とさせるゲーム。
幽霊三兄弟。
シャッターを押した際に減る分のゲージすら溜まっていないと、シャッターが切れないので注意。
今まで3連戦あったアトラクションですが、このゲームに関してはそういった段階はありません。
終始、青いヒトダマを集めるだけ。おまけで幽霊退治。
ゲーム難易度としては、かんたんでもおかしくないくらい簡単です。
相棒選びも誰でもいいほど。恩恵のある順でいえば、ナオ>レコ>ケイジでしょうか。
ナオだとゲージがバカスカと溜まるので、あっという間に終わらせられます。
反射神経に不安があるならレコがオススメ。
「居合道一閃」のときのナオみたいに、「!」の表示とレンチン音で知らせてくれます。
少しナオと違うのは、知らせから幽霊が出てくるまでの間に結構猶予(3秒くらい)があるところです。
「居合道一閃」のナオは間が1秒しか無くて急でしたから、それに比べると身構えられる分だいぶやりやすい能力になっています。
ケイジは溜めたエネルギーの時間経過による減少を無くしてくれますが、それに頼るくらいならナオを使ったほうが早いかな、という印象です。
ちなみに「心霊」というゲームタイトルからか、それぞれの幽霊に対する認識が垣間見えるのですが、三者三様でおもしろい反応でした。
【ケイジ】幻影と被るためか、怖くはないけど直視はできない。
【ナオ】どんな仕掛けがあるのか、心霊をどう表現しているのか気になるらしくワックワクした末、本物みたいだと感動するほど肝が座っている。
【レコ】オバケの類が大の苦手。ゆえに相棒に選んだときは、
レコ姐さんの意外な弱みを発見。かわいい。
ひとつ……またひとつと白い手が忍び寄り……
サラの息を……。
ケイジが相棒だと「ま、待て……! せめてオレから……!!」というセリフが見られます。
真の男前はどんな状況でも男前だと証明された。
ケイジとクリアチップを分けっこします。
交渉
ロビー
交渉時間
よりによって、この2人オンリーだと……?!
内容は、メダルを20枚あげるからお願いを聞いて欲しいというギンと、メダル交換は無しで話したいと言うケイジ。
悩ましい……実に悩ましい……! 神はなんて試練をお与えになるのだ……!
ギンくんのお願いならメダル関係無しに聞いてあげるというのに……!
悩みに悩んだ結果…………ケイジさんにします!
ギンくんのお願いを聞けないのはかなり心苦しいのですが、やはりあの一騒動があった手前どことなくギクシャクしているケイジさんと話してみたい。
【選択肢】
→少し内容を聞く
はい、ずるい。
良心に訴えかけるとは卑怯なり。
【選択肢】
→話し合う
話し合うと決めたものの、コーヒーを淹れるから座っていて、と言うケイジの言葉をサラは拒否します。
2人の間に流れる冷ややかな空気と沈黙。
「……なんか気まずいねー……」と、たまらずケイジが現状を嘆きました。
ケイジは個人情報を知られることを嫌がっており、それはきっと他人に話していないことがあるから。
サラはそのことについて思い悩みます。
再びケイジが切り出しました。
「……どうやって……得るものなんだろうねー……」
【選択肢】
→ウソをつかない
→誠意ある行動
→自分から信用する
誠意ある行動ですかね〜。
ケイジさんはのらりくらりとしているために、頼りになる部分があっても信用しきれないと思わせてしまうので。
サラは、今までどんな行動をしてきたかが関係する、と伝えます。
ケイジは相槌を打つと、それこそがサラが信用される理由だと納得しました。
煙に巻いてばかりだと人間性なんて掴めない、とサラは続けます。
「かわいい顔が台無しだよ」
こんな状況でもケイジは構わず茶化してきます。
こうやってはぐらかされたりするんですよね、いつも。
さすがにサラもこれには反応せず、ただケイジを信用したいのだと伝えます。
仲間だから誰も疑いたくなんてないのがサラの真意。しかしケイジはいつも核心を教えてくれません。
いったい何を隠しているのか……。
サラは躊躇しながらも一歩踏み込み、真実を話してくれるよう頼みます。
よほど沈痛な思いが顔に表れていたのでしょう。ケイジはやれやれ、と諦めたように息を吐きました。
そうつぶやくと、覚悟を決めたようにサラのほうへと向き直りました。
今までの、どこかフワッとした対応と打って変わって真剣な眼差しに切り換わるケイジ。
それだけで場の空気は一気に緊張感を増します。
何か話し込んだっけ……?
サラもピンと来ず、聞き返します。
ケイジが言いたかったのは、ロシアンルーレットの際に話した人を撃ってしまったことについてでした。
トラウマであり、できることなら人に話したくない記憶だと前置いたうえで、ぽつりぽつりと明かし始めます。
「死んでしまった」
しかもその人は、ケイジにとって大切な人間だった、と……。
それってつまり、ビッチャビチャでダサカッコ良いケイジのヒーローであるおまわりさんのことですよね。そのおまわりさんが犯罪者ってどういうこと……。
悪に手を染めてしまったために、やむなく射殺? 逮捕をすっ飛ばして銃を持ち出しているくらいですし、よっぽどの状況だったと考えられます。
ケイジは自身のことを人殺しだと言い放ちます。
「法で裁かれることすら許されず……」
うおおケイジさん闇堕ちしないで……!
傍から見れば、撃たざるを得ない犯罪者を撃った警察官。そのまま受け取るなら、そこまで厳しく糾弾されることは無いのではないでしょうか。
しかし、それにしてはケイジさんの自分への追い込みようが異常です。
トラウマになるのは理解できるんですが、罪を背負うとか自分のことをクソ野郎だとけなしたり……まるで誤射して善良な市民を殺してしまったかのよう。
事の発端は大切な人が犯罪者に成り下がってしまったことにあるわけで、それを悔やむ素振りも見受けられません。
単純に犯罪者を射殺と言っても、ほかにワケがありそうな気がします。これはまだ何か隠していることがあるのかも。
ケイジは自身を責め立てるとともに、突然苦しみ出しました。
血走った目は瞳孔が開き、全身からは大量の汗が噴き出ています。
当時の光景がよみがえってしまったのか、はたまた今まさに幻影が見えてしまっているのか……。
少しの間、何かを抑え込むようにうめき続けました。
やがて落ち着きを取り戻すと、何事も無かったかのように言葉を続け、自分はそういう人間だ、と言い捨てます。
「あの日から……ずっとね」
そう言い終えると、ケイジは話を切り上げます。
去り際に、ぽつりと言葉を残して行きました。
観てしまったモノ
ロビー
そのままロビーに居ると、ギンがやって来ました。
そのときのナオの顔色はとても悪かったようで、気にかかったギンはサラへと伝えに来たのでした。
代わりに様子を見に行きます。
モニタールーム>景品交換所
景品交換所には、まさに顔を青くしたナオがいました。
ナオの買ったもの、それは……
犠牲者のビデオでした。
脱出の手がかりになれば……と、買ってみたはいいものの、いざとなると恐ろしくて観るに観れず足踏みをしてしまっていました。
ナオは、そのビデオを一緒に観てくれるようサラへと頼み込みます。
急な話に戸惑うサラに、目をつぶっていても良い、手を繋いで隣に居てくれたらそれでいい、と必死に説き伏せようとするナオ。
ホラー映画を見るときの心境と同じですね。
地味に要求を増やしてくるw
【選択肢】
→一緒に観ましょう
→全力で背中をさすります
全力でガン見するつもりなので応援している暇は無いでしょうけれども、一緒に観ましょう! お手手くらい繋ぎますよ!
ビデオはモニタールームで見られるようです。
モニタールーム
ナオは犠牲者のビデオを、手前の機材に取り付けました。
怯えるナオに代わって、サラが中央のモニターを選択し再生ボタンを押します。
「はぁ……はぁ……」
ビデオは、女性の荒い息遣いから始まりました。
「やめて……! お願い……! 私を助けて……!!」
映像に映るのは、薄暗い個室で鎖に繋がれた女性の姿。その身には、スーツのような制服のような衣類を身に着けています。
──これは……警察官の服装……?
「私は……職務を全うしただけよ……!!」
──誰かと……会話している……?
そこへもう1人、男性の声が聞こえてきます。
「他に言うことはあるか……?」
その言葉とともに、その男性の後頭部らしき一部が映像に映り込みます。
──え……?
「オレは……あんたとケリをつけなきゃ……前へ進めないんでね……」
「こんなことしても……なんの意味もない……!!」
──ま……待ってよ……。この……手前に映り込んでいる男性は……。まるで……!!
「お願い!! スイッチを押して!!」
女性の悲痛な叫びに男性は何も答えません。
ようやく口を開いたかと思えば、
「…………オレは……」
それだけ言いかけて再び黙ってしまいます。
そして、次の瞬間──
「いやああああああぁぁぁぁ!!!!!!」
最後に映ったのは、女性に繋がれた鎖が体を引き裂く映像でした。
しかしそれ以上に、手前にいた男性の姿がサラの心をざわつかせます。
一方でナオは、男性の存在自体に気付いていなかったのか、サラに尋ねられてもピンときていない様子でした。
それよりも残虐な映像によるショックが大きいようで、嗚咽を漏らすばかりです。
【選択肢】
→もう一度観ましょう
→誰かに似てませんでしたか?
誰かに似ていましたよね? ね?
しかしやはりナオから賛同は得られません。
女性がかわいそうなあまりそればかりに目がいってしまい、そこまで気が回らなかったようです。
涙を流すナオを前に、もう一度観ましょう、なんてとてもじゃないですが言える雰囲気ではありません。
ナオからはダメ押しの証言は得られませんでしたが、サラはさきほど見たばかりのまだ色褪せない映像を頭に浮かべ、確信に近い思いを抱きます。
あの姿は……確かに、ケイジのように見えた、と──。
泣きやんだナオは、ビデオを買った張本人でありながら不甲斐ない自分を恥じたのか、サラに謝ります。
そして取り乱した自分と違い、今もこうしてしっかりと立ち振る舞うサラのことを「強い」と言い表します。
……そう言われて、サラは気付きました。
残酷な事に慣れてしまったことに。
自分と関わりの無い者がこんな恐ろしい目にあっても、もう動じない。
感覚がマヒして来ていることに……。
一番関わりがあった大事な親友を速攻で亡くしているわけですから、無理もないですけどね……。
サラは自分の異常性に気落ちしてしまいます。
「おかしくなっちゃったんですかね……私は…………」
そう悲観的な言葉を述べるサラを、ナオは優しく抱きしめました。ただ一言、おかしくなんてない、と添えて。
さきほど流したものとは意味合いの違う涙がナオの頬を伝います。サラの代わりに泣いてくれているのかもしれません。
サラはナオの胸の中で、少しだけ落ち着きを取り戻すことが出来ました。
ロビー
ロビーに戻ってきたサラは、再びあの映像を思い返します。
警察官の女性と、手前に居た男性。2人は無関係という感じではありませんでした。
それに男性のほうは……改めて考えてみてもケイジにしか思えません。
いろんなことが頭を駆け巡り、もはや頭がまわらなくなってきました。脳が睡眠を欲しているのでしょう。
今日はこのまま休息を取ることにします。
第二章前編Part16はここまで
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